お誕生日 おめでとうございます
君は1月生まれなので、同級生より遅く、15歳になりました
母は、無事15歳になったことで、根拠のない 安堵感を感じています
君が生まれる何年も前に、14歳の男子が恐ろしい事件をおこしました
その後も14歳が、大きな事件を起こすことが続き
マスコミは
「14歳の危機」と名付け、報道をしていました
どの子も、普通の子、「あんな事件を起こすような子には見えなかった」
という、関係者のコメントを新聞で読みました
母は君が10歳くらいから
漠然と、「君の14歳」が怖く感じ、「早く15歳になってほしい」
この1年 そう思ってきました
14も15も 記号のようなもので、突然何かが変わるわけではなく
君は、依然として、10代で、思春期で、
まだまだ、安心できない年ごろです
そして、君が得体のしれない 男子に見えます
「おかえり」と言ってあげられなくなったのは小学2年生でした
あのころの、君はなんとなく、親の事情を理解していて
父、母の役割が変わったことを、受け入れてくれました
君にも言いたいことがたくさんあったと思いますが、
何も言わず我慢をしてくれて、ありがとう
低学年の君はとてもいい子でした
学校から帰ると、まず お箸セットを自分で洗っていました
いつのまにか、君はお箸セットを出すことはできても
自分で洗わなくなりました
君を叱る元気がなかった、母は無言で洗うようになりました
中学に入って、君はお箸セットを出すことすらしなくなりました
部活が始まり、激しい筋肉痛で半べそかいて帰宅し、かばんは玄関に置きっぱなし
ちょっと可哀そう だと 思った 母が バカでした
母は、カバンからお箸セットを取り出し、洗って、またカバンにいれるという過保護をしてしまいました
何事も最初が肝心です
母は間違えてしまいました
部活のしごきに慣れたころ
母は、君に言いました
「自分で洗うか、洗わないか どちらか一つだ」
君はお箸セットを洗わない選択をしました
あれから、2年と6か月
母は一度も 君の 「おぞましいお箸セット」を見たことがありません
学校で食べる前に洗っているのですか?
箸箱にカビははえていませんか?
うがい用のコップの底に黒いものはありませんか?
君の皆勤賞は「お箸セット」おかげですか?
君は、もうすぐ中学を卒業し、どこかの高校に入学します
母はもう 「学校給食」の恩恵をうけることができなくなります
毎日、母弁当です
君が、弁当箱を洗わなかったら
その弁当箱に、翌朝、ためらいもせず、ご飯を詰める決意をしました
おかずも同様です
15歳になった君に お祝いの言葉をおくります
「お箸 腐ってんじゃないの!」
哺乳瓶中の 君 哺乳瓶の消毒は大変だった