ウラ技・バレーボール技術・戦術研究会

実際に使って来た9人制バレーボールの技術・戦術のウラ技。ママさんバレー、一般のクラブチームではかなり通用しますよ。

Aクイックを打つ(その20・・・Aクイックの手抜きがセッターに与える影響)

2012年07月10日 07時46分33秒 | 攻撃

はじめに
昨日の記事では、Aクイックの選手が手抜きをして、遅めの入り方をすると、時間差のセミを打ちに入って来る選手に影響を及ぼしてしまうというお話をしました。
今日は、セッターに及ぼす影響についてお話します。

通常のAクイックを使った時間差攻撃の狙い
下図のとおり、通常のAクイックに1番の前衛レフトが入って、3番の前衛ライトがその後ろに回り込んで時間差のセミを打つわけです。

この攻撃は、一番簡単な時間差攻撃ですね。
5番の中衛センターがレシーブに専念し、4番と6番の両サイドアタッカーがオープンや平行に備えるのです。

この時間差を少し変形させて、3番の選手がCクイックに入り、5番の選手がレフト側かライト側のいずれかに回って時間差のセミを打つという攻撃などに発展させる場合もあります。

この時間差はアタッカーがネット際を横に走ってスパイクするのと、アタッカー二人がクロスして打つのとで、ブロックを翻弄し分断して攻撃しようという狙いがあります。
で、セッターは時間差のセミをトスアップする場合、Aクイックにジャンプしたアタッカーを基準にその向こう側にトスアップしているわけなのです。

時間差のサインを出した後にパスが乱れたらどうなる
相手からチャンスボールが返球されると分かった時点で、時間差のサインを出します。通常、声で出したり、事前に次のチャンスボールでは時間差をやるぞという具合に決めておくわけですね。
ところが相手からチャンスボールが返球されたのに、レシーブがちょっとずれるという場合があります。
例えば下図のようにパスがややライト側にずれて、2番のセッターが3番の前衛ライトの正面よりやや右にずれてプレーしなければならないような場合です。

このような場合は、7月8日の記事でお話したとおり、クイックを打つ1番の前衛レフトは紫シャツの位置まで、早めに移動し、そこからのとおり、一歩助走でセッターの元に走り込んでAクイックを打っていただきたいわけです。

セッターが行ったところで時間差をやるということでして、そのための始まりはセッターのいる場所まで、まずは攻撃の起点であるAクイックの選手が走り込んでクイックを打てる体勢を作ると言うことなんですね。

Aクイックの選手が走り込まない場合の不都合
下図を見て下さい。セッターが移動したにもかかわらずAクイックの選手がきちっと移動せず、Aクイックの予定のところ、離れた位置でクイックジャンプしているというような場合を描いたものです。

1番の選手はセッターの移動に合わせて助走開始場所を変更するべく「移動」しなければならなかったところ、これを手抜きしたことで、ジャンプ位置がセッターから離れた位置であるでジャンプしているわけです。
AクイックではなくBクイックのような感じでスパイクさせないといけなくなります。

この時、困るのは時間差のセミをどこに上げるのかについて、セッターと3番の前衛ライトの意思疎通する暇がないということです。どの辺にトスを上げるのかで迷うわけです。

Aクイックをおとりにつかった時間差のセミというのは、Aクイックを打ちに来た前衛レフトである1番の選手の向こう側にセミを上げることとしています。

そのことを優先して考えると、セッターとしてはトスをの位置に上げておきたくなるものなのです。
Aクイックを打ちに来た選手の後ろにセミを上げて時間差をやるというのが、セッターと前衛ライト(3番の選手)の元々の申し合わせだからです。

しかし、通常の時間差はセッターの位置からどれだけの距離で行っているのかということを考えると、セミトスを上げるのはの位置になってしまいます。


そのためセッターはセミのトスををにするのか、それともの位置にするのか迷うわけなんです。

この迷いは3番の前衛ライトの選手も同じです。

●に走り込むべきか、に走り込むべきかを悩むわけです。
結局、十分な助走が行えず、時間差をしても3番の選手はフェイント返球するのがやっとという状況になりかねないのです。

Aクイックの選手がちょっとパスが乱れてしまったからと言って、移動や助走に手抜きをすると、このようにセッターや他のアタッカーにまで、悪い影響を与えてしまうのです。

本日ここまでです。


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2 コメント

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Unknown (rossi)
2012-07-10 09:02:49
おはようございます。
まさに、さぼっては、いけないといわれてました。また、発展系として、前衛ライトとクロスする戦術が試験的に練習に取り入れられた時期がありましたが、現在は、Aとその後ろに早めの平行トスでオープンが打つというシンプルなコンビの形をとっています。というのも、メンバーが不足したという事情もありますが、やはり、Aがなかなか完成できないということが一番の要因であったと思います。

サボらずにとぶ、セッターが移動してしまったらくっついて自分も移動する、これが本当にできないんですよね。

質問なんですが、チャンスボールが返らずにネットより少し離れたところ(ハーフセンの前あたり)に返球されて、そこからもAとBの間くらいのトスをあげて打たせるようにという指示が出ます。とにかく、飛び続けるわけなんですが・・・この場合、移動の場所、踏切位置は、どうなるんですか? 
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rossiさんへ (磯野)
2012-07-10 17:36:26
お疲れ様です。
その点につきましても、明日明後日と記事を準備しておりますので、丁寧にご確認ください。
予約投稿してありますから、徐々に上がってまいります。

その後で、移動をスムーズに行えるようになるための練習方法を御紹介します。
頑張ってください。
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