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聖書を通読しますと、年に一度ルツ記にあたります。同じ時代ですがその前の士師記を見ますと、イスラエルに長続きする指導者や預言者が無くなります。物語で知られる、最後の12人目はサムソンが出てまいります。神の民の信仰が低落すると、神は周辺の民を起こしてイスラエルを支配させました。民の苦しみの叫びが神に届くようになると、新しい士師を神は起こし、民の支配と平和を回復させるという訳です。これらの繰り返しが全体的に低迷した暗黒な時代の記録となります。この同じ時代に背景と血筋は芳しくはないが、異邦の女性である一人のルツを起こし、信仰と従順の証しとされました。ベツレヘムに義母ナオミに従い入り、神の導きでボアズと出会います。このボアズは富んだ素晴らしい人物で、ルツは感激をもって評価しております。ルツはボアズの畑で落ち穂ひろいをゆるさせ、やがてボアズにめとられ子をもうけます。キリストの系図に知らずして入れられました。
今日、イエス・キリストは真のボアズで私たちを迎えたく願っておられます。だれでも、不遇や辛苦の糧を食する時代や時期、また生涯を送ることさえありましょう。しかしその全行程をご覧になり、ご自分に近づく者を神はおろそかにはなさらないとルツ記は教えます。ナオミとのやりとり、ボアズと交わす会話などは毎度心を震わせられ、感動の涙をおさえることができません。
宗教法人 インマヌエル宇都宮キリスト教会 牧師 山田 隆