聖書の世界

　聖書は旧約聖書と新約聖書の２部からなっています。旧約は３９巻、新約は２７巻に分かれ、数十人の子となった著者によって記されています。旧約はイスラエルの信仰の歴史を中心として記された紀元前の長期にわたる時代を背景としており、新約はイエス・キリストの生涯や初代キリスト教会の歩みが記された紀元１世紀を中心とした時代が背景となっています。
旧約聖書
創世記１　　１章から１１章　　アブラハム以前
「天地創造の完全なみわざ」　　　　　　日本同盟基督教団和泉福音教会牧師　遠藤嘉信
　―神の正義と愛―
　神は地上への具体的なさばきをもたらすことを決意なさいました。しかし、この深刻な事態の中で、ノアは主の心にかなっていたとあります。アダムの時もそうでしたが、この時も神のあわれみがありました。箱舟建造の詳細な手順が示されました。ノアとその家族は、その命令に忠実に従いました。同世代の人々にも救いの機会はあったでしょう。しかし、救われたのは、命じられたままを行ったノアとその家族だけでした。神の前に正しいとされたノアが恵みを得ました。
　古代オリエントの文学には類似した洪水物語がいくつかありますが、それらと聖書は根本的に違っています。メソポタミヤの洪水物語では、人口増加に伴う騒々しさへの神々の嫌悪が洪水の原因とされていますが、聖書は、人の罪を問題としています。
　聖書の神は、「生めよ。ふえよ」と、人が地に満ちることを祝福しておられました。洪水の後も、人の命の尊厳について強調しておられます。
　ここに具体的に神の正義と悪に対する徹底的な態度が示されています。また同時に、人をこよなく愛され、人のいのちに執拗にこだわられる愛の神の姿が提示されているのです。
　ノアは、大洪水の後の悲惨な光景を目の当たりにしたことでしょう。地の上に神の怒りの激しさを見たはずです。しかし、空には永遠の契約のしるしとして、美しい「虹」が現れました。神の人に対する愛とあわれみが示されたのです。

クリスチャン新聞「聖書６６巻がわかる」より引用・要約しました。Ａ．Ｏ

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