アメリカ帰国者が日々の出来事・人生・世の中などを語るブログ

日本に帰国して矛盾だと感じたこと、人生における発見や日常のことなど色々語ります

在宅ワーク、フレックスタイムの導入が遅い日本~本当の意味での多様な働き方とは~

2018年08月05日 | 仕事・働くことについて

7月に入ってから日本は異常な暑さが続き、ここ東京でもついに36度を超える日が来てしまった。昨年、脳脊髄液減少症を再発してしまった私にとっては最悪の事態になってしまった。

ここ最近、毎日のように頭痛が続き、倦怠感が半端なく、体を引きずるようにして出勤していた。しかし、先週、ついに体が動けなくなって4日間、仕事を休み、先週も2日間、仕事を休む羽目になってしまった。休んでいる間は病院へ点滴を入れに行っていたが、通う回数が増えると、それだけ医療費が膨れ上がる。一方で、仕事を休んでいるから給料も下がる。

私の仕事は市場調査のデータ分析、翻訳などが主な仕事なので、会社に行かなくても自宅で十分仕事ができる。にも関わらず、会社はそれを認めてくれない。それで、他にフレックスタイムを導入しているところ、在宅ワークを導入している就職先を探しているが、本当に数が少なく、見つかってもすぐに人が埋まってしまう状態だ。

幸い、私の病気は軽度なので、何も症状がない時は普通に仕事ができる。しかし、暑さが続いてしまうと体から水分が奪われ、髄液のレベルも落ちてしまい、時に激しい頭痛が襲う。しかし、自宅で安静にしているうちは、仕事はなんとかできるので、その機会を奪わないでもらいたいと思うのに、会社側は一向に考えようとしない。

一体、多様な働き方とは何なのか?働き方改革、と政府が声高々に言っているが、現状を見てみると、女性には子供を産め、子供を保育園に預けて働け、家事もちゃんとやれ、男性も子育てに参加せよ、高齢者も働け、としか聞こえない。仕事はフルタイムの仕事が多く、週3日くらいの仕事になるとバイト並みの仕事しかない。欧米では、週3~4日でも、自分のスキルが活かせる仕事が存在するのに、日本ではそのような仕事が皆無と言っていい。たとえあったとしても、ボーナスや他正社員並みの待遇は受けられない。なんてひどい社会なのだろうかと思う。

私の様な病気を持っている人に対する働き方、がん患者の働き方、障害者の働き方、などその人の状態に合わせた多様な働き方が全く実現できていない。高齢者も働け、と言っておきながら、彼らに合った仕事や働き方が一体、どれくらいあるのか?

日本政府は結局、声を上げるだけで、まだ何も抜本的な改革など進んでいない。関東の通勤ラッシュは相変わらずひどく、小池東京都知事は時差通勤を奨励しているが、結果は何も変わっていない。何故なら、会社側がフレックスタイム制や在宅ワークを導入しようとしないからだ。これは、本来、企業を巻き込んで行わなければ根本的な問題解決にならないのに、単に時間をずらして出勤しましょう、と言っても説得力がない。

政府は高度プロフェッショナル制度をついに可決してしまったが、日本の働き方改革というのは、結局は国民をただ疲れさせるだけの改革ではないだろうかと感じている。非正規社員を増やし、残業を増やして、日本国民の弱体化を図っているのではないか、と勘繰ってしまうのは考えすぎだろうか?