運命に非難を浴びせるのは、弱い堕落した連中のすることである。運命を正しく用いるということは、私たちの行動を、自然のもつ崇高さにまでひきあげることである。地水火風という自然の力は荒々しく、これを破るには、自然自身の力をもってするほかはない。人間もこれにあやかってほしいものだと思う。空虚な自負を胸からはらいのけ、態度と行為によって、自然と同じ立場で、おのれの支配力を示すがいい、重力のもつけ牽引力を以って、自分の意図するところを固持するがよい。どんな権力、どんな説得、どんな賄賂をもってしても、おのれの主張を譲ることがあってはならない。人間は、河や樫の樹や山に比して劣ってはならない。河のように流れ、樫の樹のように枝をひろげ、山のような抵抗力をもたなければならない。
コンコードの哲人 エマソン
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