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〇第13句集「暁闇」50句
〇鎌田透次第13句集「暁闇」50句
透次第13句集「暁闇」50句
601飯饐てかはたれ時の風動く(飯饐る・三夏)2022/6/18
602蚊遣火やひばりの齢疾うに越ゆ(蚊遣火・三夏)2022/6/24
603オルレアに青水無月の浮力あり(青水無月・晩夏)2022/7/2
604夏の月流す覚悟の質屋出て(夏の月・三夏)2022/7/8
605雨の蟬蝙蝠傘の裏面に(蟬・晩夏)2022/7/14
606浮袋萎みの兆す午後三時(浮袋・晩夏)2022/7/19
607緑青の樹皮揺るぎなき七月よ(七月・晩夏)2022/7/30
608旗は風に縛られてをり朝曇(朝曇・晩夏)2022/8/5
609雲間の俄かに閉じぬ浦上忌(浦上忌・初秋)2022/8/9
610磐座の窪みに渇く秋の水(秋の水・三秋)2022/8/20
611一枚の濃き鳶色の秋景色(秋景色・三秋)2022/8/27
612魂去りてより茄子紺の濃くなりぬ(茄子の馬・初秋)2022/8/29
613燦燦と壁紙だけのXmas(Xmas・仲冬)2022/12/24
614白マスク外せずに季語から外す(白マスク・三冬)2022/12/29
615水豚の初湯吃水線揺れず(初湯・新年)2023/1/7
616窓に雪人流見つつ黙食す(雪・晩冬)2023/1/14
617悴むや肱の直角ふたつ張り(悴む・晩冬)2023/1/21
618雪女上り框を超へて來る(雪女・晩冬)2023/1/28
619陽へ高く掲げ日光写真焼く(日光写真・三冬)2023/1/30
620焼売は蒸されて売られ紀元節(紀元節・初春)2023/2/11
621梅林の相模灘へと傾きぬ(梅林・三春)2023/2/18
622夕刊が来る暮れかぬる明るさに(暮れかぬる・三春)2023/2/25
623灯るらん隠者は春の夕暮れに(春の暮・三春)2023/3/4
624春昼や『移民の歌』の欠伸して(春昼・三春)2023/3/10
625小刻みに眠りを足して春の暁(春の暁・三春)2023/3/18
626駅弁の紙紐解く花の下(花・晩春)2023/3/25
627琺瑯に白を煮詰めるさくら時(さくら時・晩春)2023/4/1
628片側に花屑の寄る水溜り(花屑・晩春)2023/4/7
629暁闇へ指折り鳴らす啄木忌(啄木忌・晩春)2023/4/13
630塗箸の剥げて春光滲み込むや(春光・三春)2023/4/22
631春愁といふ夕闇に蹴躓く(春愁・三春)2023/4/28
632シューズ鳴く体育館の青葉冷(青葉冷・三夏)2023/4/28
633姫女苑荒地といふも静けさよ(姫女苑・三夏)2023/5/13
634蠅帳を被せて山の風を呼ぶ(蠅帳・三夏)2023/4/28
635黒板に一揆の文字や走り梅雨(走り梅雨・初夏)2023/5/27
636持ち寄るなかに鍬形も混じりけり(鍬形・三夏)2023/6/3
637ろくぐわつを木枠の中に培ひて(ろくぐわつ・仲夏)2023/6/10
638過ぎゆくや菖蒲の谷の日暮方(菖蒲・仲夏)2023/6/17
639東京へは何度も行つて行つたきり(無季)「マイ・ペース」森田貢忌(2022.6.18)2023/6/18
640梅雨曇る空膨らませ土鳩鳴く(梅雨曇・仲夏)2023/7/1
641僕達の巣窟(アジト)最も夕焼て(夕焼・晩夏)2023/7/8
642右の海馬に冷されし馬がゐる(冷やし馬・晩夏)2023/7/15
643金魚藻の色にビリジアンを選る(金魚藻・三夏)2023/7/22
644今闌や雨間の蟬時雨(蟬時雨・晩夏)2023/7/29
645青葉騒こけしの視線乱れざる(青葉騒・三夏)2023/8/4
646街道に小旋風の立つ秋旱(秋旱・三秋)2023/8/12
647寒蟬鳴く観戦中の感染か(寒蟬鳴く・初秋)2023/8/19
648半円の花火半身帰宅せり(花火・初秋)2023/8/26
649掌中の狗尾草に這ふ力(狗尾草・初秋)2023/9/2
650土瀝青湿りて光る白露かな(白露・仲秋)2023/9/8
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