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〇第14句集(『月命』2024)50句
〇鎌田透次第14句集(『月命』2024)50句
651真先に秋粧ひて茶錆猫(秋粧ふ・三秋)2023/9/16
652蓮の実に目玉おやじがぎつしりと(蓮の実・仲秋)2023/9/23
653掘つた芋弄るな黄昏の迅し(芋・三秋)2023/9/30
654暖かし遺品の匣に囲まれて(暖かし・三春)2024/3/23
655半年の月命日や紫木蓮(紫木蓮・仲春)2024/3/30
656神代の櫻の下に君とゐる(櫻・晩春)2024/4/6
657真二つに四月の辞書の香を開く(四月・晩春)2024/4/13
658春深む線香立の灰殖やし(春深む・晩春)2024/4/20
659花筏疎らとなりて加速せり(花筏・晩春)2024/4/27
660仏壇の天井燻すみどりの日(みどりの日・晩春)2024/5/4
661鉄材の赤錆色へ余花の雨(余花・初夏)2024/5/11
662鉄線花土管の中も夕焼けて(鉄線花・初夏)2024/5/18
663街薄暑無音のシャドーボクシング(薄暑・初夏)2024/5/19
664雨脚が立ちて崩るる六月よ(六月・仲夏)2024/6/1
665青嵐お猪口の底の多重円(青嵐・三夏)2024/6/8
666梅雨曇りして白銀の搾乳缶(梅雨・仲夏)2024/6/15
667短夜や雨の近くに越して来て(短夜・三夏)2024/6/22
668a遠雷や雷魚の魚信手に残る(遠雷・三夏)2024/6/26
668b虹色になるまで地球儀を廻す(虹・三夏)2024/6/29
669a半分は汝の白さや半夏生(半夏生・仲夏)2024/7/1
669b綫香の先端赫き小暑かな(小暑・晩夏)2024/7/6
670a横長の映画サイズの雲の峰(雲の峰・三夏)2024/7/8
670b炎昼の鉄路の昏さ跨ぎけり(炎昼・晩夏)2024/7/13
671a虹色の蜥蜴に瑠璃の色一閃(蜥蜴・三夏)2024/7/16
671b黒板の端から入る背泳で(背泳・晩夏)2024/7/20
672a独言のやうに家事する大暑の日(大暑の日・晩夏)2024/7/22
672b遠蟬に眩みてゐたるリネン室(遠蟬・晩夏)2024/7/27
673a思ひ出すことしか知らず日日草(日日草・三夏)2024/7/29
673b産土の地より湧き出す蛇花火(蛇花火・晩夏)2024/8/3
674a竿燈の風得て撓り極れり(竿燈・初秋)2024/8/5
675aひとりからふたりへ還る初盆会(初盆会・初秋)2024/8/13
675bふたりからひとりに戻る魂送り(魂送り・初秋)2024/8/16
676a花木槿カーテン襞を揺らす風(花木槿・初秋)2024/8/18
676b留守電に聲遺りたる処暑の夜(処暑・初秋)2024/8/22
677a母の忌のわれもわれもと吾亦紅(吾亦紅・仲秋)2024/8/29
677b鳳仙花三百余日香を焚く(鳳仙花・初秋)2024/8/30
678a稲妻へ歩まぬ靴を祀りけり(稲妻・三秋)2024/9/2
678b夫婦茶碗片方欠けし白露かな(白露・仲秋)2024/9/7
679a比良坂へ迎へに行くや秋の蝶(秋の蝶・三秋)2024/9/11
679b秋光の届かず地階純喫茶(秋光・三秋)2024/9/14
680b秋扇彼岸の人へ誕生日(秋扇・三秋)2024/9/21
681b巻舌の少女の怨歌燕去る(燕去る・仲秋)2024/9/25
682a吸飲を如雨露代りに供花の菊(菊・三秋)2024/9/30(一周忌・稲穂忌)
682b新しき周回へ乗る秋稲星(秋稲星・三秋)2024/10/1
683a秋のへび蛇行の記憶置き去りに(秋のへび・仲秋)2024/10/6
683b木犀の花唇零れて雨多し(木犀・晩秋)2024/10/12
684a青墨の印氣の滲む十三夜(十三夜・晩秋)2024/10/15
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