腰椎椎間板ヘルニアは脊椎疾患の中で最も多く罹患する疾患で、坐骨神経痛の最も多い原因です。
多くは椎間板の中にある髄核というものが神経の方に飛び出してきて、神経を圧迫し、痛みを出します。
症状は多くの場合、片方の下肢痛やしびれが出現します。腰痛はない場合もあります。
また、下肢の筋力が落ちたりして、つまずき易くなったりすることがあります。
最近になり、椎間板内の髄核を酵素で分解してヘルニアを縮小させる薬剤、ヘルニコアが登場しました。
今まで、内服で効果が無かった患者さんに、新たな選択肢が増えました。手術を回避できる可能性があります。
効果としては、投与後13週で50%以上症状が改善する確率は72%(投与していない人では50%)です。
椎間板に針を刺して、薬剤を注入する治療ですので、日帰りでの治療です。
治療後、約30分間の安静の後に帰宅できます。
残念ながら、症状が取れない場合でも、わきだ整形外科では内視鏡下ヘルニア摘出術を行って症状を改善することができます。
注意点としては、ヘルニコアでの治療は全ての腰椎椎間板ヘルニアに行えるものでは、ありません。
正確な診断と判断が必要です。
腰椎椎間板ヘルニアでお悩みの患者さんは、まずは、わきだ整形外科に受診をしてみてください。
症例
30歳男性
腰椎椎間板ヘルニアによる左下肢痛で歩行困難となり、来院。
通常の痛み止めでは症状は全く改善せず。かなり強い痛み止めを使用しても、VAS 7の痛みであった。
(VAS 10はこれ以上の痛みは考えられないほどの痛み。VAS 0は痛くない)
ヘルニコアを使用して、1週間後にはVAS 2に改善が見られた。