まず試合の記事を書く前に、最初に申し上げて置かなければいけないのはテレビ中継のやり方である。二日目の日テレの生放送をワクワクして見始めた私の目に映し出された映像は、何とも言いようのない、まるで「意図が解せない映像」だったのだ!。初日にコースレコードの8アンダーを出して独走中の山下美夢有は全く興味ないかのように画面に映ってなくて、109位で予選カット濃厚の「どんじり」で必死に気力を振り絞っている「哀れな西郷真央」をずーっと映し出すというのは、どういうつもりなんだろうか?。
ゴルフに限らず他のスポーツ全般にも言えることだが、競技の面白さというのは「どの種目」でも殆ど変らない。視聴者が注目するかどうかは、「どれだけ選手を覚えるか」に掛かっているのである(これ、スポーツ中継の必須事項だと私は思う)。選手の名前とプレー振りを覚えれば覚えるほど、人々は親近感を覚えて「その競技も好き」になるのだ。この理屈が分かってない放送局はだらだらと同じ選手の組に付いて回り、「試合の機微」などというオタク的な見方を押し付ける独善的な放送をしてしまいがちだ。
今回の予選には選手が120人も出ているのだから、もっといろんな選手を紹介して、ゴルフを見ようというゴルフ初心者の「視聴者の関心」を引くようにするのがセオリーではないのか。そうすることによって、ゴルフという競技を好きになる人がもっともっと増えるだろうし、自分もやってみようかなという若い人も、今以上に多く出てくる筈である。それにはまず、予選ラウンドでは試合がどうこう言う前に、「個々の選手の魅力」をまず伝えることに集中し、大々的にアピールすることだ。テレビ放送の使命は、それに尽きるのではないだろうか。
ゴルフというのはスイングだけ見ても百人いたら百様の違いが有り、常人の遙か上を行く筋力でブンブン振り回すアスリート系もいれば、バレーのプリマドンナのように華麗に美しく舞うように打つ選手もいる。勿論、女子ゴルフだけの魅力というべき、華やかで可愛いファッションも大いに注目である。この個性たっぷりな選手たちを前にして、なんで放送局側が「素晴らしいですねぇ」などと取り上げて話題にしないのか、私には全く理解できないのだ。たまには選手のウェアを取り上げて、ファッションの専門家やデザイナーなどのコメントを挟みながら、楽しくティーショットを映していく、という手法があってもいいと思うが如何に。
観客はぼんやりと全体を見ている内に、自然と「自分はこの選手を応援しよう」という選手が必ず見つかるものである。それが女子ゴルフの魅力の一つなのだ。そしてまたゴルフをより深く知っていくとコースの変化にも目が行くようになる。自然の起伏に富んだ戦略的コースもあれば、平坦で林にセパレートされた瀟洒な美しいコースもあるから、今度は「コースごとの個性」を覚えてくる。またバンカーや池や樹木のハザードが待ち受ける「まさに戦いを挑んでくるような難コース」があるかと思えば、フェアウェイの広々とした「さあどうぞ、思いっきり飛ばして下さい!」というような、距離の長いアスリート向きの豪快なコースもあるというわけだ。そういういろいろな魅力を伝えていくのが放送局の仕事じゃないだろうか。
それを事もあろうにたった5、6人のプレーヤーにべったり付いて、しかもスコアが予選落ち確実の「ズタボロ」の選手の映像を延々と流し続ける日テレのプロデューサーは、私が会長だったら「絶対、即クビ!」にしてる大馬鹿者である。憤懣やる方ない私は、さっさとテレビを消して「ゴルフ練習場」に出掛けた(それでかどうか分からないが、最近になく良いドライバーショットが打てたので、私的には大満足である)。
で、昨日3日目の放送を見たら、今度は一転して「スタート順に全選手を映していた」から、方針を変えたのだろう(もしかすると当初からの方針かも知れないが)。これでようやく一安心、私もじっくりと腰を据えて見ることが出来た。これを何で最初からやらないか、返す返すも残念至極である。まあ、愚痴はこの辺にしておいて、早速試合のレポートを始めよう。
1、予選ラウンドの各選手、プレーとウェアに一言
① 堀琴音
白地にドット柄のパンツというのは初めて見たが、「女らしい可愛いさ満点」のファッションで、流石お洒落な彼女ならではのスタイルで「観客の目」を楽しませていた。一方プレーはどうかというと、実はウェアに目が行っていて「プレーの方は覚えていない」のだ。女子ゴルフあるある、である。
② 稲見萌寧
彼女は少しアゴがしゃくれているのがどうにも反抗的で、不満タラタラの風に見えるのはちょと可哀想である。実績は文句の付け所がない実力者なのだが、人気がイマイチなのはその辺りに原因があるのかも。さらには何というか、腰回りが太り気味で重そうなのは「うら若き女子」には余りよろしくない。よく見ると相当ウェスト周りが出ていて、太り方が気になるのは私だけだろうか。腰が悪いのも「さぞや」とうなずける。去年はオリンピックから賞金女王まで各賞を総ナメにした絶対王者に君臨していたが、どちらにしてもヒロインじゃなく「敵役」だったと言える。友人のSN氏は「強すぎると嫌われるんだよ」と言っていたが、どうもそれだけではないようである。ことしは「楽しく」がモットーだそうで、ここらでイメチェンするのもいいだろう。
③ 西村優菜
この子は何着てもパッとしないが、まあ背がちょっとないので、これはしょうがないかも。センスがどうこう言う前に体型が原因。大里桃子のようなスタイリッシュなスラッとしたモデル体型の女子とは、そもそも北欧人と東南アジア人くらい人種が違うように見える。恨むなら「親を恨め」、という話か。その代わりといってはなんなんだが、頭が「凄く良さそう」なのはインタヴューを見てても視聴者に伝わってくる。まあ、パターが上手いということは頭が良いということ(私の考えです)。ドライバーで力任せに飛ばす筋肉バカの連中とは、マネジメントからして違うのかもね。それにしても今週は調子が上がらない。
④ 三ヶ島かな
契約ブランドの JUN &ROPE が素敵だ。唯一、首の背中側に垂れたリボンは「みっともなくて」いただけないが、白のトリミングの効いた黒のソックスとミニスカートの組み合わせは、実にスッキリと足長に見えてドンピシャに決まっている。彼女が最近「人気急上昇中」なのも当然じゃない?という感じである。黒のミニは彼女らしくセクシー過ぎず、やや控えめで見かけは「名家のお嬢さま」的雰囲気を余裕に出してるが、実はこれで「まだ25歳」とピチピチなギャルなんである。参ったねぇ。同じく黒のショートパンツとソックスの、臼井麗華の「ヤンキー感丸出しファッション」とは全然違うのだ(それでも大分改善されているが)。ただウェストを絞らずに外にダランと出した着こなしは、お腹がちょっぴり「出ているから」と思っている。やっぱりシャツは、中に入れたほうが「絶対カッコいい」と思うけど、まあスタイルにもよるだろうから仕方ないかな。どちらにしても話題の西郷と同組だったので、ばっちりテレビに映っていたのはファンの私にとっては最高だった。
⑤ 西郷真央
ウェアについては記憶なし、である。どういうわけか、彼女のファッションというのは全く頭に残ってない。まあ、スカートを履いていないせいもあろうかと思うが、彼女自身「ゴルフウェア」というものに興味がないのだろう。女子ゴルフはファッションも大事な要素なんだがねぇ。とにかく今週のプレーは最悪である。好事魔多しとは彼女のためにある言葉かっていうくらい酷いスコアで、最後まで復活しなかった。一体全体どうしちゃったんだろう?。突然の不調の原因はこれから練習して「どこが悪かったか」突き止めなきゃならないが、やっぱりジャンボに解明して貰わなければ駄目か。来週になったら「やっぱり元通りの強い西郷に戻っている!」なんてことを期待しよう。
⑥ 申ジエ
ツアー屈指のテクニシャンも、とうとうテーラーメイドの「トラスパター」を使うのか!、と衝撃が走った。今や猫も杓子も「トラス、トラス、トラス」である。なんで日本だけ大人気なのか分からないが、他のパターを使っていると「おおっ」と驚くぐらい、凄まじい使用っぷりだ。勿論プロが使うのだから「性能がダントツ」以外に理由が見当たらないのだが、じゃあなんで男子プロやアメリカ・ヨーロッパのツアーでは、使用者がいないんだろう?。謎である。私の仲間でも使ってみようという話は聞こえてこない。あれって本当に、性能良いんかなぁ。誰かキチンとした分析をしてほしいんだけど、誰もやってくれないのだ。ここはレジェンド岡本綾子あたりに登場してもらって、ズバッと本音を聞きたいものである。
2、決勝ラウンドはゴルフの醍醐味を堪能した
3日目の試合はメジャーらしくスコアが伸びなくて、各選手苦労する展開が続く。そんな中で、「青木瀬令奈」の4番ホールのパットは見ごたえ充分だった。青木は飛距離が215ヤードくらいしか飛ばず、アイアンも8番からしか入っていないという「飛距離弱者」である。なのにしっかりシードを取っていて、今週のメジャーの難しいセッティングの茨城ゴルフ倶楽部で、トップテンに入って頑張っている。その秘訣は何かと言えば、類まれなショートゲームの技術と「アイアン以上に正確なウッド」が素晴らしいからに他ならない(私もウッドを多用する年代に入ったが、これが当たらないんだよねぇ)。ゴルフは飛ばしだけじゃないとは言うけれど、ゴルフの技術という「見せ場」を持っている稀有のプレイヤーであることは間違いないだろう。私もファンの一人である。
その青木が、難しい4番グリーンの「スネークライン」を慎重に時間を掛けてじっくりと読み切って、最後のひと転がりでカップインさせたシーンは見事という他は無い。まあ、これが入らなかったらまた話は違っていて、ラインを読むのも「時間のかけ過ぎだろう」と批判されるシチュエーションだったのは確かだったと思う。しかし、トロトロと転がって、最後に「コトっ」とカップに落ちた瞬間にグリーンを取り巻く観客から「どよめき」と称賛の拍手が沸き起こった。こういうシーンを見ると、やっぱりゴルフは奥深くて楽しいスポーツだと思う。
今週は色々と放送に文句をつけたが、一方で「ゴルフの楽しさ」を満喫させてくれた。青木のゴルフはアスリート全盛のツアーにあって、「考えるゴルフ」というものをもう一度思い起こさせる素晴らしいものである。私もそろそろ「人生の黄昏」に入ってきた。体力が衰えて昔のように飛ばなくなってきた今日この頃だが、私は青木瀬令奈に「ゴルフの真骨頂」を見た気がする。
試合は山下美夢有の独走で最終日を迎えるが、今週は何とか青木瀬令奈に勝たしたいねえ。
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