明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

ありえない話

2017-07-10 23:00:00 | スポーツ・ゴルフ
今日はいつものゴルフ練習場で、アイアンを集中的に練習した。課題は、クラブを右から左に振るのではなく、上から下に振ること。それで特に習得したい技術を3つに絞って練習した。

まず1つ目は「バックスイングの収まりどころと、形」である。トップでクラブがあるべき場所をきちんと決めて、その場所にクラブが上がったことを「感じてから」振り下ろすこと。なるべく左手を伸ばして、左手がいっぱいいっぱいにならないようにリラックスしつつ、左肩と顎の位置関係で同じ場所に上がるように記憶すること。上げる場所はインパクトの入り具合で決めるので、何度か試しながら決めていく。注意点は、上がり切った最後に「左手の小指をキュッと握って」からダウンスイングに入ること。

次の2つ目は、ダウンスイングに入るタイミングを独立して行うのではなく、ゆっくり左腰に体重を移しながら左のお尻を後ろに引く動きと連動して始めること。この時上半身と左手・左肩の位置は左に流れやすいので、注意して右に向いたままクラブを置いてくる感じで、ハーフウェイダウンの所まで「脱力状態を保つ」。

そして3つ目は、ハーフウェイダウンの位置まで降りてきたクラブの「位置が一定の場所にある」ことを確認してからインパクトすること、つまり真横ではなく「クラブをやや後ろに引いた位置」に収まっていることである。ここまでのスイング中は、脱力をキープしておく。なお、左脇を締めることを忘れないこと。私はインパクト時に左手のヒラが目標方向に向いてフェースが開いてしまい、ロフトが多くなって当たりが薄くなり飛距離が出ないクセがある。これは左肩がダウンスイングで浮上ってしまうせいである。

これが出るとスイング全てが台無しになる。これを気をつけながら両肩を水平か右肩がやや高い位置に置き、インパクト後に右肩を縦回転し顎の下に入れて、右腕を伸ばす。ここまで出来たら頭を回して上げていく。インパクトが一番大事だが、まずバックスイングからトップ、そしてハーフウェイダウンまでの形が重要である。ここを何回も繰り返し練習した。最後の方はやや満足いくインパクト音が聞けて、約150球の練習を終えた。余りにも暑いので自動販売機でロイヤルミルクティーを買い、心地よい満足感を味わいながら席にすわって冷たい喉越しを楽しんでいた。

ゆっくり他の打席を眺めていたら、2つ前の打席で黙々と打っている80過ぎ位の老人がいる。高いウエストのタック入りズボンにTシャツの裾を入れてテーラーメイドのキャップを被った、年寄りっぽい痩せた小柄の人だ。時々この練習場で見かける常連である。当たりはそれなりなので上手い方だったと思うが、何せ年取っているために「非力で飛ばない」のが残念だ。私も同じだなと思いながら目を他の打席に移し、最後の紅茶をグイっと飲んだ瞬間に突然「ドスっ」と大きな音がした。

音がした方を見ると、さっきの老人がドライバーを地面に叩きつけた音だった。よく練習場でミスショットをすると「クソっ、いつもはもっと上手いのにミスちゃったぜ」という感じで「周囲で見ている人にアピール」している人がいるが、まさにその通りの偉そーな態度である。自分では上手いと思っているのに、良い球が打てなくて「周りから下手だな」と思われるのが我慢ならない「目立ちたがり屋」の典型なのだ。大体が仲間内でリーダー役であり、ヤクザっぽい性格の頭が悪い連中に多い行動である。見るからにダサイ服装で、下品な感じの「昔ながらのゴルファーに良くいるタイプ」だ。「今日はダメだな」と呟きながら、そのオヤジはクラブをしまって帰っていった。ザマーみろ。

私は「いつもその腕前なんだろ?」と小声で呟き返した。まったく気分が悪いぜ。私はいつもよりテンションが低くなって練習場を出た。「ああいう奴がいるから、ゴルフってイマイチ人気が出ないんだよな」と嘆息混じりに駐車場を抜けていった時、停めてあったポルシェ911カレラGTSが目に入った。「かっこいいよな、ポルシェって」。真っ赤なカラーに低いスタイリング、こんな柏のチンけなゴルフ練習場には、余りにも似合わない超ゴージャスな高級車である。一体どんな人が乗っているんだろう。私は渋いファッションのやや中年の、ローハンデのゴルファーを想像した。「俺もいつかはポルシェに乗ってみたいなぁ」。私はそう思って軽く微笑みながら駐車場を出ようとしてふと振り返った時、「ポルシェのダッシュボードに置かれているテーラーメイドのキャップが」目に入った。???。

「嘘だぁーっ、ありえないぃー絶対に!!」. . . 駐車場に私の悲鳴がこだました。

ホントにあのダサい下品オヤジがポルシェのオーナーなのかどうかは、私は確認していない。というか、確認したくない。世の中は理不尽で不愉快な世界だ。何があってもおかしくはないが、あの下品なオヤジだけには乗って欲しくない、絶対に!!

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