月曜日朝のメディヒール選手権最終日は、笹生が単独2位で渋野が8位と好成績だった。笹生はようやく実力を発揮したと思えばさして驚かないが、渋野日向子は最近も予選落ちを繰り返していたので嬉しい誤算である。渋野は良い時と悪い時の差が激しいのでプレーしてみないと成績が読めないのだが、段々と調子が上がっているようなので来年には優勝争いに絡んでくれると期待してもよさそうだ。
畑岡奈紗はお休み。連戦連戦で予定通りの休養である。古江彩佳は残念ながら52位に終わった。しかし、今回は最後の2ホールをバーディで締めたからか、ホールアウト後のインタビューでは「にこやか」に答えていたのが印象的である。いくらプロ意識の塊の古江彩佳でも、余りに不甲斐ない成績に終わった週はインタビューも塩対応になってもしょうがないだろう。その代わり何か収穫とか気付きとか明るい材料があった週は、それほど成績が出ていなくても気分は上がってると言える。
他の選手でも言えることだが調子が悪くて成績が出ず、思わぬ予選落ちを食らったような時はインタビューを断ってもいいんじゃないか。以前、テニスの大坂なおみがインタビューをパスして世界中で大きな話題になった。インタビューは選手にとって仕事の一部であり、どんな状態でもインタビューは受けるべきという人もいる。しかし調子が最悪でインタビューどころじゃない選手にとって、その上「上手く出来なかった原因」をメディアに向かって言わされるというのは耐えられない屈辱だと思う。今日はインタビューいは出たくないと本人が思ったら、インタビューはやめて温かく見守るだけにし、成績が出た時には「晴れて」楽しいインタビューを行なうことにしたらどうだろう?。そうすれば選手も観客も双方試合を楽しめて、ツアーも盛り上がると思うのだが。
まあこれは、スボーツ選手と観客の関係を見直すと同時に、それを伝える「メディア」の役割を、もっと専門的なものにすることも必要だろう。殆ど素人のような決まり切った事しか聞かないインタビューアーでは、選手の本当の気持ちは伝えられないと思う。メディアは猛省すべし。なお、笹生も最近は多少はインタビュー対応も改善されているようで、少しはマシな受け答えをするようになってきた。但し、本人お気に入りかどうか分からないが、必ず使う「楽しんで」というワードは、余り視聴者にはピンとは来ないので考え直した方が良いだろうと思っている。これは男子ゴルフの松山にも言えることだが、人によっては「自分を上手く表現できないタイプ」の人もいる、と考えた方が良いのかも。とにかく、視聴者の喜ぶコメントを選手に強制するのはいい事ではないだろう。選手にはインタビューが上手い人も下手な人もいるだから、下手な人は本業の「プレーで魅せる」ことで我慢してもらうしかない。まあ岸田首相じゃないけれど、当たり障りない「丁寧な対応」というのが一番いいのかも。
ところで、古江彩佳は初優勝したスコットランドからエビアンあたりは絶好調だったのに、ここ2戦は何故か本来の調子を落としている。いつも大体20位以内には入っているのだが、今回の最終日はフェアウェイキープ率100%にも拘らず、肝心な「パーオン率」が60%ぐらいと低いのはどうしたことだろうか。フェアウェイキープ率はどちらかと言うと飛距離の出ない選手の方が高い傾向にある。一方パーオン率は、当然だが飛距離が出て、二打目を短いクラブで打てる選手の方が高いというのは常識である。それを考えるとアップダウンが多く、打ち上げでグリーン面が見えないホールが多かったというのは、古江にしてみれば距離感が出しにくかったのかも知れない。これと反対にツアー屈指の飛ばし屋の笹生が、ようやく調子を上げてきて今回2位に入ったのは朗報である。一方で、渋野はその波が「日替わり」でやっで来る感じだから、今回良かったからと言って安心は出来ない。私などは良くも悪くもいつも100以上叩いてしまうエンジョイゴルファーであるが、プロは実力が比べものがない位「ハイレベル」なだけに、ちょっとのことで調子が上がったり下がったりしてしまうのはやむを得ないところもあるだろう。
でもプロであるからには常に好調はキープしたい。これは誰しもが願っていることじゃないだろうか。国内ツアーの西郷真央なんかもしばらく低迷していたがようやく今年春頃の調子に戻って来たし、一方西村や山下などは一時の勢いから下降気味に入った感があるので心配だ。今、絶好調なのは吉田優利だが、この好調だっていつまで続くか分からない。だから「調子の良いうちに勝っておく」というのが、本当に強い選手の証なのかも。そういう流れで行けば今度の「富士通レディース」は菅沼の悲願の優勝!、という筋書きになるのだろうが豈はからんや、ここで何と「古江彩佳」がアメリカから凱旋帰国して出場するというではないか、あじゃぱー!(こりゃあ古いねぇ~。知ってる人は少ないんじゃないの?)
というわけで古江彩佳には、ここは本場のツアーで揉まれた「ショット力の差」を存分に見せつけて、堂々2位以下をぶっちぎって優勝してもらいたいと願っています。まあ、余りプレッシャーを掛けるのはマイナスなのでやめておくとして、母国日本の芝の感触を味わいつつ、気持ちよくプレーしてくれたらそれが「何よりのファンサービス」ではないでしょうか。
とにかく、古江彩佳選手を真近に見られるのはめったにないチャンスなので、まずは地上波でその華麗なスイングを「たっぷりとオンエアー」されることを期待しましょう!
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