山が沈む。
日が暮れる前に
ヒグマの聴覚は
山が沈むことを
鋭く捉える・・・
・・・焚き火のまわりに
霊達が集まり
押し黙ったまま
ぼくの一挙一動を
見守っている。
霊の傍らにソッと座る。
静寂の中
渓流で拾った小枝が、
時おり火の中ではじける。
木の幹に刻まれた爪跡を
霊は無言で指し示す。
「神を信じるためには
神に出会わないことだ」
日が暮れる前に
ヒグマの聴覚は
山が沈むことを
鋭く捉える・・・
・・・焚き火のまわりに
霊達が集まり
押し黙ったまま
ぼくの一挙一動を
見守っている。
霊の傍らにソッと座る。
静寂の中
渓流で拾った小枝が、
時おり火の中ではじける。
木の幹に刻まれた爪跡を
霊は無言で指し示す。
「神を信じるためには
神に出会わないことだ」