詩集 海の紙片 | |
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おかげさまで先月もぽつりぽつりと詩集を買っていただきました。
毎月すこしずつではありますが、ぼくの詩集が売れていて本当にありがたいことです。
詩集がうれるたびにプロ詩人(?)としての自覚も育っていきます。売れるって、ホント大事だわ~!
詩集なんてニッチな文学ですが、それを楽しんでくれる人たちに心から感謝!
印税はまだまだ、夢の先である。
下の詩について。
小学3年のときにおやじの転勤で白老町社台という漁村(町?ええ?)に引っ越したが、まず着いてから感じたことは、臭っせえ村だった。
浜のほうへいくほど臭いんだが、やがてその匂いの原因がわかって。あちこちにすてられていたカニの殻の匂いだったんだな。
そのころは毛ガニなんて、ぜんぜんめずらしいものではなく、よく漁師がバケツいっぱいに生きた毛ガニをもってきてくれたものだった。それくらいあたりまえに豊富にとれた。
食べた後の殻は畑にまいて肥料にしたり。
しかし臭かったなー。
昔のハナシ。
「雪のように曖昧なもの」:
波のうねり。冬タイヤに取り替える。
土産物売りの店。
汚れた雪山があちこちに。
眠りの足りない目で見る世界は、
すべてがデジャ・ヴのようだ。
湿った毛布をかぶっている。
碁会所。村の小学校。カニの殻の匂い。
少しだけうれしかった。
雪のように曖昧なものも、積もることで。