いよいよ夏休み、昆虫採取は死語に近くなったが、虫に興味を持つ子も多い
自然のかくし絵—昆虫の保護色と擬態—矢島稔著 偕成社 1983年
紹介に「野外観察50年の著者が、レンズを『鳥の眼』として撮った不思議さいっぱいの写真絵本。」とある。
古い本でありながら版を重ねているのはわけがある。
一つは小学校3年の国語の説明文に載っている。5ページにコノハチョウ、トノサマバッタ、ゴマダラチョウの保護色の巧みさに感動する教材として掲載されている。
子どもたちに、バッタ色について緑の葉っぱの多い広場では94%が緑、枯草の多いところでは95%が褐色のバッタだった。 モンシロチョウについても100個のたまごのうち、成虫になるのは2個だけだとか、子どもたちに話をした話題が載っていた
筆者の視点が昆虫を知りたい子どものハートをつかむ。教科書から原本を読みたくなるだろう。3年生は昆虫の勉強をするので、国語と理科とで、昆虫を総合的に学習できるようになって興味をもつ仕組みになっている。
教科書から興味をもち、昆虫の本を読んでまた昆虫にいっそう昆虫博士になるのだろう。
作者の昆虫の観察力は「『いる』のに『いない』と主張する昆虫たち」に詳細にかかれている。
昆虫のおもしろさを十分伝わる名作である。
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