来春の「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)への不参加をいったんは決議しながら、方針を転換した日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(阪神)は4日、兵庫県西宮市の甲子園球場で記者会見しし、硬い表情で参加に傾いた経緯を語った。一問一答は以下の通り。
「まずは、(選手会)臨時大会において選手会がWBC不参加という決議をした上で、ファンの皆様には大変な心配をおかけしたことをおわびするとともに、この問題に選手会が真剣に向き合ったことを理解した上で応援してくれた、たくさんの方々にお礼をしたい。今日の午前中も各(球団の)選手会長と話し、12球団の選手とも連係を密に持ち、臨時大会で決議したWBC不参加を撤回させていただくことを、選手全員できょう決めたことを報告させていただきます。(参加に傾いた)大きな要点は2つあります。選手会が当初から主張していたスポンサー権、ライセンス権などを、日本でライセンスする仕組みをおおむねNPB(日本野球機構)が認めてくれたこと。それを受け、NPBがライセンスを管理し、ビジネス構築の態勢をしっかりすると約束してくれた、主にこの2点が撤回する理由になります」
--新井会長の現在の思いは
「選手会が当初から主張したことは、おおむね実現した。これからがスタート。NPBがライセンスをしっかり管理し、ビジネス構築することが大事。これからが大事になる」
--これからについては
「選手会というより、そもそもNPBが先頭に立って交渉しなければいけない問題。これからはそれを期待したい」
--どのような意見があったのか
「ファンの方も日本代表の試合を見たいし、選手も日本代表のユニホームを着たいのも事実。さまざまな問題を抱えた上で、これからの野球界を考えて、どのような態度を取ればいいかを考えた」
--ファンには出てほしいという声が多かったが、影響はあったのか
「もちろん、影響しました。また、僕たちが当初想像していた以上に(選手会が)やっていることを理解してくれて、僕たちを応援、支援してくれたファンの方々が半数以上いたと、僕の耳に入っている。ファンの人は日本代表の試合がみたいにも関わらず、(不参加の方針を)理解してくれたことに感動した」
--いったん不参加を決議したことは意義があったのか
「うーん、そうですね。やはり、選手たちも本当にいろいろ大変なこともあったと思うが、全会一致で未来のことを考えて決議してくれた選手たちを誇りに思う。これからの野球界のことを考えれば間違いなかったと思っている」
--1カ月半前に不参加を決議したが、この1カ月半のNPBの動きはどう捉えるか
「NPBの方で、真剣に取り組んで行動していただいた方もいることは事実。根本的に、この問題は選手会が先頭に立ってやるべき問題ではないというのも、思いにはある」
「最後になりますが、WBC不参加の件について、選手もすごく真剣に受け止めて、理解した上でMLB(大リーグ)に対して、しっかりと日本の野球の今後を考えて行動しました。一連の中で、加藤(良三)コミッショナーの発言は非常に残念でありません」
--このタイミングになった理由は
「試合の日程が発表されるというのもあった」
--WBCインク(WBCI)の運営について、NPBにも声を上げてほしいということか
「そうです。この問題はNPBがやるべき問題。加藤コミッショナーに残念な思いがあるといったのも、本来はトップが、加藤コミッショナーがイニシアチブを取って、MLBに対して交渉してほしかったということ。『震災もあったし出るべきだ』というような発言をしてもらっては、まったくの筋違い。そういう意味で残念と(いった)」
--第3回目となるWBCへの思いは
「出るからにはいい大会になるようにしたいと思う」
※ 引用しました。