河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑175 / 朗らか

2024年08月26日 | 菜園日誌

朝の5時半ごろに畑に着いた。
ちょうど日の出。
山の端の東雲(しののめ)の空が、ほがらほがらと明けてゆく。
猛暑続きだが、この時間帯は、さすがに涼しい。
「春はあけぼの」だが、夏のあけぼのも捨てたものではない。
どっかりと椅子に座って、しばしは夏の曙を楽しむ。

日の出は、その日のスタートだが、平安時代の女性にとっては、切ない時間帯でもあった。
 しののめのほがらほがらと明けゆけばおのが後朝 (きぬぎぬ) なるぞ悲しき /古今集・恋三
平安時代の貴族は「通い婚」。
夫婦は同居せずに、男が女の実家に通う。
一夜を共にする前に、互いの下着(襦袢・じゅばん)を重ねてコトに入る。
コトが終わった明け方、男は出勤するために帰るのだが、昨夜に重ねていた下着(衣・きぬ)を交換して帰る。
女にとっては、男が次も 私の所へ来てくれるだろうかと、悩ましい「衣衣の別れ」だ。
楽しかった夜が「ほからほがら=ほのぼのと明るい」と明けてゆく一方で、男と別れなければならない女には、切なさがつのっていく。
果たして、あの君は、今度は何時に来て下さるのでしょうか……?

さて、なんとも悩ましい台風が近づいているので、今日は、ビニールトンネルのビニールを撤去を予定していた。
ところが、朝の台風情報を見ると、かなり西寄りにコースが変わっている。
おいおい、いつ来るねん!
そこで、予定を変えて、台風で倒れそうなトマトとスイカの撤去。
ほんでもって、ビニールの除去は夕方にしよう。
ところが、夕方、畑へ行こうとするが、台風の影響で20分後に雨の予報なので中止。
しかし、雨は降らずに、きれいに晴れている。

なんとも、不愉快で、悩ましく、切ない台風!おいおい、どないなってるねん!

古語の「朗ら=ほのぼのと夜が明ける」から派生したのが「朗らか」という語。
本来は、気象を表す語だったのが、明るいイメージから、物事の状態にも遣われ、人の性質を表す「朗らか」になった。
「ほがらか」という言葉は、自然と一心同体に生きて来た日本人の気持ちが込められた美しい言葉なのだ。
はるか南方から、艱難辛苦の末にたどりついた台風10号よ!
朗らかに過ぎ去れ!

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畑174 / リフレッシュ

2024年08月20日 | 菜園日誌

朝、目覚めると、ガレージのトタン屋根を打つ雨音。
もう少し眠ろう……。
ほぼ一ヶ月ぶりだろうか。
朝方に、まとまった雨が降った。
小止みの雨の中、畑へ行くと、久々に土は真っ黒。
ゲリラ豪雨は困りものだが、これっくらいの雨なら、毎日でもいいから降って欲しい。
オモダカに留まっているシオカラに吹くのは秋の風。
今日は、のんびり過ごすとするか。

23日は旧の地蔵盆。
「そろそろ、大根でも植えようか」
地蔵盆が過ぎると秋の農事の始り。
今年は、待ちきれなくて、育苗に30日かかるキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーだけ、種を蒔いた。
16日の一粒万倍日に蒔種して、ぼちぼち芽が出だした。
夏場の育苗は、ここからがたいへん。
双葉の間に陽をよく当ててやらないと、ひょろひょろと茎が伸びてしまう。
太陽の様子をみながら、半日陰から出したり入れたりしなければならない。

なんやかやしているうちに、ネットで注文した種ニンニクが届いた。
自家採種したニンニクを五年ほど繰り返し使っていたが、病気になるのが増えてきたので、久々に更新することにした。
野菜もたまにはリフレッシュする必要がある。
味の濃い嘉定種のホワイト系が70個。
一個に8片あるとして560片、その中の大きい400片を植える計算でいる。
暑い日が続いているが、頭の中は秋。
それまでは、しばしリフレッシュして、朝日にしっかり当たるとしよう。

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畑173 / 盆からさ~きゃ2

2024年08月13日 | 菜園日誌

アライグマの撃退法をネットで調べていたら、トウガラシ液があった。
強い刺激臭が苦手らしい。
イノシシやヌートリアなどの害獣にも効果があるという。
そういえば、五年ほど前に農薬替わりにしようと思って、トウガラシ液を作ったことがある。
農小屋の中を探してみると、有った有った!
完全に熟成した五年モノのトウガラシ液(左の黄色の蓋)。

蓋を開けると強烈な匂い。
なるほど、こりゃ効きそうだ。
焼酎にトウガラシを入れて漬け込むだけ。
お好みで酢やニンニクをトッピングする。
二週間ほど熟成させると完成。
ろ過して二百倍ほどに薄めて使う。
無害だし自然に優しい。
それに、農薬は一日で使い切らなければならないけど、こいつは作り置きが可能だ。
ただし、風向きを考えて散布しないと、目に入ったらたいへんなことになる。
使わずに五年も放ったらかしにしていたのは、そのたいへんな目に遭ったためだ。

去年のトウガラシがたくさんあるので、新しいのを作った。
一日しか経っていないが、うまそうな赤色をしている。
殺虫ではなく、害獣除けだから、ジョウロで畑の周りに蒔く。
果たして害獣がいなくなるか?
♪盆からさ~きゃ おーらんど♪ の楽しみだ!

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畑172 / 盆からさ~きゃ

2024年08月12日 | 菜園日誌

明日からお盆。
だからといって、分家なので、殊更になにもない。
でも、お盆が過ぎると秋野菜の作付けスタート。
さあ、なに植えようか?
まずは、余っている種を確認して、自作の「栽培暦」とにらめっこ。

植える野菜が決まると、次は場所割り。
さあ、どこに植えようか?
連作障害を防ぐために、エクセルで「輪作表」を作り、畝ごとに何を植えたのか記録している。
黒い部分は休耕中。
年々、黒が増えていくのは歳のせいで仕様がない。

考えているうちに、去年のことを思い出した。
苗を作ったものの、九月になっても猛暑が続き、定植できなかった。
おそらく、いや、きっと、今年も暑いにちがいない。
寒冷紗で遮光して、保護してやる必要がある。
ならばというので、去年に少しだけやった「多種類混合植え」をすることにした。
アブラナ科の野菜8種類を一つの畝に植えるのだ。
長目の寒冷紗一つだけなので管理が楽だ。
それも、一度にたくさん植えずに、何度かに分けて植える。
まずは、栽培期間が短い水菜、しろ菜、蕪を20株ずつ。
次に、ハクサイ、キャベツ、野沢菜、かつお菜を5株ずつ。
これを九月の上・下旬にニ回繰り返す。
そして、早く収穫して空いた所には、キク科のレタスや菊菜を植えていく。
おお、いいではないか!
名付けて「一畝多種類混合分割植え」。
盆から先の楽しみができた。

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畑171 / ピントが合わない!

2024年08月10日 | 菜園日誌

カラスの襲撃が一段落ついたと思ったら、今度はアライグマが落花生にちょっかいを出してきた。
囲ってある網に4、5センチでも隙間があると、そこから手を突っ込んで土をほじくる。
インターネットでで退治法を調べると、アライグマは嗅覚が鋭く、強いニオイを嫌う……とある。
そんなら……というので、ペットボトルに庇(ひさし)を二カ所開けて、100均で買って来た野良犬猫の忌避剤とナフタリンを入れて仕掛けた。
ニ、三日経過したが、どうやら効果があったのか、やって来なくなった。

その代わりに珍しいのが現れた。
夕方の5時ころ、まだ暑いが、雲が出てきたので畑へ。
すると、里芋の通路に動くもの。
足の長い茶色い鳥が歩いている。
今までの記憶から判断してケリ!?
ケリという変わった名をした凶暴な鳥で、巣に近づくと、親がキーキーと大きな声で鳴きながら突っ込んで来る。
恐くて、バイクのヘルメットをかぶって畑を耕したことがある。

なぁ~んや……と見ていると、一匹、二匹、三匹。
そして、その後ろから茶色いのと青色した親鳥が二匹!
ケリではない!
キジ!
四、五年前にツガイがいたが、雄がいなくなって、美しい色した雌だけになっていた。
それが、今年になって雌雄で見かけるようになった。
そして、今日、三匹の子を連れて、親子で、我が畑に散歩に来ていたのだ。
慌てて写真を撮ろうとすると、親子は慌てることなく、稲田の方へ行く。
はい、ピース。パチリ!

ピントが合わないうちに、向こうへ行ってしまった。
それでも、なんとなくうれしくなる。
キジは、ツルやトキをおさえて堂々たる日本の国鳥なのである。
雄は勇敢で雌は母性愛が強い。
そして、日本固有種で、外国に渡らず、いつも日本で生息しているというのが最大の理由だ。
だが、しかしである。
国鳥だからといって、勲章ぶらさげて、特別に保護されているわけではない。
カラスやアライグマ同様に、鳥獣保護管理法で保護されているにすぎない。
どうも釈然としない!
どっか、ピントが合っていない。
※下はピントの合ったキジの子の写真です。

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