のり巻き のりのり

飾り巻き寿司や料理、己書、読書など日々のあれこれを書いています



美容院

2016年01月12日 | つれづれ日記
一度信頼関係ができた美容師のところへはよほどのことがない限り通い続ける。

私に限らず、ほとんどの女性のメンタリティーではないでしょうか。

35年以上通っていた美容院は実家の隣。そこは実家と地続きで叔父(父の弟)がオーナーで、美容院を貸店舗にしていました。

「美容院に行く」とは「実家に行く」と同義語だったのです。

しかし母が亡くなり、妹が亡くなり(別のところに住んでいましたが)、2年前に父が亡くなり、実家は空き家になってしまいました。

自然足が遠のき、別の美容院へ行くようになりました。世話になった美容師さんの技術は素晴らしく、人柄を慕って大勢のお客さんが来ていました。

朝早くから深夜まで仕事一筋にやってみえた姿を目の当たりにしていたので、そんな姿勢は仕事こそ違え、尊敬に値するものでした。

いわく「この仕事が好きだから」

ところが、今日久しぶりに行ってみると、もうその美容院はやっていません。店じまいをしたのです。

オーナーの叔父が昨年亡くなったこと、ご自分の事情等あるでしょうが、長年地域に寄与してきただけに残念でなりません。

結果、叔父の家(貸店舗兼住宅ビル)と私の実家ともに空き家になってしまいました。

近くに行くたびに、寂しい気持ちでいっぱいです。残念ながら私は相続をしません。相続をする人が何とか建物を有効に使って欲しいものだと願わずにいられません。

初めて美容院でおしゃれ染めをしてもらった30年以上前。変身した自分を見て、鏡の前で浮き立つ気持ちを抑えきれず、くるくるとスカートを回しながら踊ったのは、実家の庭にチューリップが咲いていた春の日でした。

わくわく、どきどきの気持ちを長年作ってくれた美容師さん、感謝です。

今、実家の庭は枯葉が舞い落ちています。風の流れが時の流れなのですね。