八柏龍紀の「歴史と哲学」茶論~歴史は思考する!  

歴史や哲学、世の中のささやかな風景をすくい上げ、暖かい眼差しで眺める。そんなトポス(場)の「茶論」でありたい。

5月27日(土)の〝昼ゼミ〟のご案内!

2017-05-20 16:46:22 | お知らせです!

 5月27日(土)を初講日とする『明治維新から150年!<天皇と国家、教育勅語>』の講座のお知らせが「週刊金曜日」に掲載されました。

この講座は、比較的大きめの教室を借りることができましたので、まだ余裕があります。

 講座の内容は日本という国の近現代の国家のかたちです。
国っていったいなにか? その中で近代の天皇と国家の関わりなどをあぶり出せればと考えています。

 昨日、共謀罪が衆院の委員会で強行採決で通過しました。なぜ安倍政権は、この法律の成立を急ぐのか?
それとなぜ安倍政権は憲法を変えたがるのか?

 そんなことを皆さんとともに考えていければ、日本の近現代のおおよそがつかめることだと思います。

 

ご参加いただければ幸いです。

お申し込みは、運営学生唐澤くん <s.k.asbb.may16@z3.keio.jp>か
yagashiwa@hotmail.com(八柏)にお願いします。


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5月25日(木)開講の<クール・ジャパンを問い直す!>講座のお知らせ

2017-05-12 12:11:02 | お知らせです!

 5月25日(木曜日)から開講の〝夜ゼミ〟『文芸から見る!日本「精神史」再考』の講座案内が『週刊金曜日』の<掲示板>に掲載されました。

 この講座は、いま2020年東京オリンピックを前にして、「日本人はすごい!日本の技術や文化は素晴らしい!」 なんか恥ずかしくなるくらいの〝ニッポンブンカ〟礼賛の声が上がっていることにたいして、では「日本文化」って何だろう? ということを考えてみようという講座です。

 この講座で中心に据える岡倉天心の『茶の本』には、
 He was wont to regard Japan as barbarous while she indulged in the gentle arts of peace:he calls her civilised since she began to commit whole-sale slaughter on Manchrian battlefields・・・Fain would we remain barbarians,if our claim to civilisation were to be baced on the gruesome glory of war.

 「he」つまり西洋人は、日本が平和な文芸にふけっていた間は、野蛮国と見なしていたものである。しかし満州の戦場で大々的に殺戮をおこない始めてから文明国と呼んでいる。・・・もしわれわれが文明国になるために血なまぐさい戦争の名誉に依らなければならないとするならば、むしろいつまでも野蛮国に甘んじよう。

 とあります。

 そもそも、文明とは普遍性をもつものであり、文化とはその固有の風土や民族の習俗や情趣を意味するものです。岡倉天心は、〝大東亜共栄圏〟が呼号されるなかで、国粋主義・軍国主義にうまく利用された人物でした。ただし、天心にとって日本の文化のありようとは、けっして文明といった普遍性、つまり戦時中、愚かな軍事権力がはしゃぎまくって〝Japanization〟といった意識を盛りに盛った狂騒とは、まさに一線を画すものと見ていたと言えます。

 また、日本の文化に浮かび上がる〝侘び〟〝寂び〟〝幽玄〟といったものとは、そもそも篤く「死を観ずる」ことに意味をなすものです。〝文化の飾り〟としてあるのではなく、深い精神性を宿したものです。

 この講座では、軽薄な〝ニッポン!チャチャチャ!〟ではなく、日本という島嶼国が、これまで折に触れ大切にしてきた〝文化〟の多様な意味を、受講生の皆さんと考えていきたいと思っています。


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