八柏龍紀の「歴史と哲学」茶論~歴史は思考する!  

歴史や哲学、世の中のささやかな風景をすくい上げ、暖かい眼差しで眺める。そんなトポス(場)の「茶論」でありたい。

☆☆「京都学講座」と「新人会講座」とお芝居のご案内です!☆☆

2024-04-29 12:20:45 | 〝哲学〟茶論
 明治のはじめのころの地方紙などを見ていくと、地方の篤農家や知識人などのなかには、私財をなげうって、その地域の教育に尽くした人物が少なくないのに気づかされます。

 ほとんど中央では知られていないそうした人びとは、学力のある子どもたちに学費と生活費を援助して上級学校に進学させたり、また当時の国民の大多数を占める農民の教育こそが大事だとして、資金を投じて村の小学校の整備を行ったり、貧困のために厳しい労働を余儀なくされ学校へ通えなくなった子どもたちがいたら、まずは親に子どもを学校に通わせるように説得して、そのうえで生活費や学用品の援助をしたり、さらに村に図書館を建て、いつでもだれでもさまざまな本を読めるようにしてやったり、ときには自らそうした子どもたちを集めて、自宅に住まわせ生活のめんどうを見るとともに学校に通わせ、その一方で子どもたちに読み書きや算数を教えたり、学問を説いたり・・・。

 その後、現在のように学校制度が整うと、むしろそうした意欲は減少していく傾向にあるのですが、いずれにせよそれらの行為は、明治初期の人びとにとって「学び」がいかにかけがえのないことだと考えられていたのか、そんなことを感じさせて事柄のように思います。
 
 もちろんそこでの「学び」とは、多くは生活の糧を稼ぐための「読み書き算盤」といった傾向がまさったものだったと言っていいでしょう。しかし、そうしたことを通じて、未知なることに触れ、自らの不足を知り、また努力する意欲を養い、技能だけではなく、技能を身につけるために必要な物事に対する真摯な態度や優れた先達や先輩への敬意もまた学ぶ。
 その意味で、そこでの「学び」とは多様でありもし、また奥深いものだったと言えます・・・。
 
 と、そんなこんなを思いつつ、2024年もあっというまに4月を越え、5月にさしかかってきました。そこで、こんな前振りをしたあとで恐縮ですが、この5月から初夏までの講座などのお知らせをします。
 5月11日には、京都商工会議所と京都新聞社主催の「京都学」の講座を単発で行います。今回のテーマは、「歌舞伎」を中心に京都の南座についてのお話しです。タイトルには「江戸から明治まで」と銘打っていますが、ちなみに京都の南座が南座と名のるようになったのは明治以降ですので、そうしたタイトルにしました。ですが、今回はおもに、
「出雲阿国」からの京都の歌舞伎
のありようをお話しします。場所は西巣鴨の大正大学で行います。
 ご興味ありましたら、京都商工会議所075-341-9764 までお問い合わせください。下記はレジュメの一部です。
 

 つぎは新人会講座です。これは毎年夏と秋の二回にわたって行っている市民講座ですが、2024年夏学季講座は、
「現在という
  〝不機嫌な時代〟を考える!」
というテーマで全4講座を行います。
 平成という時代から現在までの約30年を、もう一度しっかり記憶に留めておこうという試みです。
 こちらのほうはメール
 npo.shinjinkai1989@gmail.com
までお申し込みください。
 初講日は5月6日(代休の来週月曜日)ですので、期日が迫っています。会場は、「としま市民センター」ですが、zoomでも、アーカイブ版での後日の受講も可能です。

 つぎはお芝居のご案内です。知人の主催する「演劇バンド」のお芝居で、残念ながら、わたしは出演しません。以前、この方々の芝居を観させていただきましたが、じつに面白かったもので、紹介させていただきます。
 公演期間が2日しかありませんので、ご都合を合わせて観劇ください。お問い合わせは、下記のflyerのなかにもありますが、
e-mail:engekiband@gmail.com
    090-7638-5093 です。 






 

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☆☆〝新しい春〟が来たことと、2024年夏学季講座のお知らせ☆☆

2024-04-06 14:27:13 | 〝哲学〟茶論
 やっとのブログ更新です。
 ながいこと、手抜きしていて、
 すみませんでした。
 あと1、2ヶ月で
 新たに立ち上げた出版社
「季林書房」のホームページも
 お披露目となりますが、
 わたしのこのblogは、
 「季林書房HP」からもアクセスできるようにして、
 続けようと思っています。
 それを含め、よろしくお願いいたします。

 <2024年3月 韓国仁川・旧第一銀行仁川支店内
   仁川日本人租界のジオラマ>

さてさて、2024年も〝新しい春〟がきました。
新年早々、能登の地震といい、
昨今の台湾・花蓮の地震といい、
天変地異に見舞われ、
いっぽうでウクライナの戦場では、
極寒のなか兵士が塹壕に張り付き、
イスラエルによるガザ侵略と虐殺は止む気配はなく、
ミャンマー国軍の民衆への暴力など、
世界は混沌の時代の真っ只中にあります。
さらに〝最後の帝国〟とも言うべき
ロシアや中国の武断政治のありようなど、
大戦争やテロ勃発の危機は、
なかなか去るすべを知らないようです。

とは言うものの、
少しずつ感じつつあるのは、
世の中の不正や不正義が、
つぎつぎに人びとの目に曝され
なにが問題となっているのか、
闇に隠されていた悪事が白日の下に、
暴露されてきているんじゃないか・・・。
そんな思いがしないこともない・・・。
権力者とその取り巻きの愚かさに比して、
人びとはけっして怯んではいない。
そんな気もします。

そんななかですが、今年も講座を開講します。
この「時代に杭を打つ!」の講座も、
今回で11回目、約7年ちかく行っています。
池袋に会場を借りての講座は、それ以前にもはじめていましたので、
すでに20年近く、
こうした自主講座をやり続けていることになります。
その間、いろいろな方々、年齢も経歴もさまざまな方々とお会いでき、またお話しを聞かせていただき、深く感謝を申し上げます。

そこで今回のテーマですが、「この国」の直近30年の時代を、つまり平成・令和の時代を考えるというものです。
よく〝失われた30年〟と言いますが、それ以上に、わたしが見るところ、じっさいは「忘れ去られた30年」ではなかったのか。
つまり、目先のことばかりにとらわれ、この30年にどんな事件が起き、いかなる問題が存在したのか、そしてそれらの問題はいまどうなっているのか、多くの人々は、それらを忘れさせられているのではないか。そのなかで、ただ不機嫌なままに時代を過ごしているのではないか。
言い換えれば、〝失われた〟のは、
30年の時間ではなく、
人びと自分自身のありかたのことではなかったか。
そんな問題提起をしてみたいというわけです。

講座の詳細は、下記にflyerを添付しますが、
お申し込みは、
いつものことで、お手数をおかけしますが、
NPO新人会講座担当にe-mailでお願いいたします。
npo.shinjinkai1989@gmail.com
なお、勝手ながら、
お申込期日は、初講日が5月6日ですので、
今月の末、4月30日(火曜日)までとさせていただきます。
その後に、
参加のお申し込みをいただいた方に、
講座料振込口座の案内を差し上げます。

また、各講座(全4講)の前々日か前日までに、
参加の方のメールアドレスへ、
講座レジュメをPDFで送付いたします。
なお、会場参加の方には、
講座当日もレジュメはご用意させていただきます。

講座は、zoomで受講可能ですし、またお時間の合わない方には、アーカイブでも受講できるようにしております。
参加ご希望の際には、会場参加、zoom参加、アーカイブ希望などお知らせください。

     <春満開の桜>   
       
NPO新人会2024年「歴史と哲学」
  夏学季講座
◆時代に杭を打つ!Ⅺ◆
〝現在〟という
 「不機嫌な時代」を考える!
    ~「この国」のこの30年~

◇期間:<全4講>
 2024年5月6日~7月15日
◇日時:各月日曜or代休月曜<午後14~16時>
 *全講zoom・アーカイブで受講可能
◇会場:としま区民センター403会議室
 (JR池袋駅東口下車・徒歩5分)
◇受講料:全講受講6000円<4回分>  
◇附記:各講毎、事前にPDFでレジュメを送付。
    それに沿って講座は展開されます。
【講座内容】
 
いったい「現在(いま)」という時代はどんな時代なのでしょうか。〝失われた30年〟と呼ばれていますが、失われたものは、経済的富だけなのか。それとも各時代がそれぞれ「気風」として保っていた〝精神〟といったものなのでしょうか。
 自分が存在していた時代を、人びとはどこまで記憶しているのか。〝失われた〟30年は、むしろ〝忘れ去られた〟30年ではなかったか。 「postバブル」の1990年代の世紀末から、21世紀初頭のこの30年余り、この国の人びとは、恐怖に追いかけられ、誘われるように不安をふくらませ、いつしか心を病み、生きる意味もぼんやりとしていったのでは・・・。
 必要なのは、この「現在(いま)」を見つめ直し、生きる意味を自らの手で握りしめることではないのか。
 「平成・令和」の出来事をひとつひとつ検証して、私たちの生きている「現在(いま)」が何であるのか知る、考える。みなさまの講座への参加をお待ちしております。
【日程とテーマ】
・第1講(5月6日):
  バブル崩壊と地下鉄サリン事件
   (1990年代)~危機の時代~
・第2講(6月9日):
  小泉劇場と「新自由主義」の跳梁
   (2000年代)~気分の時代~
・第3講(6月30日):
  〝1%〟の富裕と〝99%〟の貧困
   (2010年代)~分断の時代~
・第4講・最終講(7月15日):
  〝パンデミック〟と「地球」の悲鳴
   (現在まで)~不機嫌な時代~
☆☆講外講:2024年7月21日(日):
 東京湾・横須賀「猿島」要塞跡見学☆☆




 

 

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