八柏龍紀の「歴史と哲学」茶論~歴史は思考する!  

歴史や哲学、世の中のささやかな風景をすくい上げ、暖かい眼差しで眺める。そんなトポス(場)の「茶論」でありたい。

2017年の講座について

2017-04-24 20:37:38 | お知らせです!

  私事ですが、これまで市民講座を、17年近く続けてきました。
受講されるかたは、大学や大学自治会などのときは学生諸君。2008年に東大駒場自治会のゼミ「特攻の罪責」の講座には戦争体験をお持ちの方々がたくさんいらっしゃいました。
なかにはB29に特攻機が体当たりしたのを直接見たというかたもいらっしゃいました。

その後、京都商工会議所や週間金曜日の主催のもの、わたしがおこした私塾-宏究学舎のゼミ、そして今回のNPO新人会の講座など。その時々のテーマ、そして時代の関心事に、人は集まり、語りあって、また去っていく。 

 そんな時代の流れの中で、また今年も新たな「場トポス」を作れたらいいなと思っているしだいです。

 5月下旬から7月上旬までの木曜「夜ゼミ」と土曜「昼ゼミ」の二講座。文化芸術史と近代現代の政治と天皇、そして教育勅語の意味したもの。これらはともに一見無関係のように思われでしょうが、わたしが見るに、日本人の精神史といった文脈では、不可分な流れがあるように考えています。
ちょうど近年没した加藤周一の仕事は、そうした視座からのものだったように思います。
 まずは講座にご参加を願えれば幸いです。

 以下、もう一度、案内文を貼っておきます。


 5月25日(木曜)開講の〝
夜ゼミ〟<岡倉天心『茶の本』精読>講座(19時30分~21時)
  第1講(5月25日):序論ー「茶の精神」とは何か?~文明開化と岡倉天心『茶の本』
  第2講(6月8日):「無常」という文化~鴨長明と西行ーその〝無常〟の在処
  第3講(6月15日):〝踊念仏〟と〝猿楽能〟~一遍と世阿弥-〝混沌と舞踏〟
  第4講(6月29日):〝飛花落葉〟と流浪の精神~心敬そして宗祇ー〝漂泊の旅〟
  第5講(7月6日):〝きれい寂び〟と〝しほり〟~俵屋宗達と松尾芭蕉の美意識
  第6講(7月13日):結語-〝黒白と静寂〟~与謝蕪村の風景と『茶の本』の現実

   *なおこの講座では、岡倉天心『茶の本』(岩波文庫)をテクストにしますので、受講生の皆さんは、事前に購入をお願いします。

 5月27日(土曜)開講の〝ゼミ〟<明治維新から150年!~日本の〝かたち〟を考える!>(12時30分~14時)
                 天皇と政治そして教育勅語
  第1講(5月27日):〝幸徳秋水〟と〝吉野作造〟~政治の理想をどこに置くのか?
  第2講(6月3日):〝西園寺公望〟と〝昭和天皇〟~国家の理想をどこに置くか?
  第3講(6月15日):〝踊念仏〟と〝猿楽能〟~一遍と世阿弥-〝混沌と舞踏〟
  第4講(6月29日):〝飛花落葉〟と流浪の精神~心敬そして宗祇ー〝漂泊の旅〟
  第5講(7月6日):〝きれい寂び〟と〝しほり〟~俵屋宗達と松尾芭蕉の美意識
  第6講(7月13日):結語-〝黒白と静寂〟~与謝蕪村の風景と『茶の本』の現実

 会場はJR池袋南口下車徒歩4分:としま産業振興プラザ http://www.toshima-plaza.jp 


 


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NPO新人会夏講座<岡倉天心『茶の本』精読>の訂正です。

2017-04-24 10:27:03 | お知らせです!

 NPO新人会夏講座<岡倉天心『茶の本』精読>の訂正です。

 日程のうち、第2講の日付が6月6日となっていましたが、
正しくは6月8日(木)です。ここに訂正いたします。

 申し訳ありませんでした。

 申し込みをお待ちしております。

 


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2017年NPO新人会<夏学期>講座

2017-04-23 21:29:06 | お知らせです!

 数日前にもお知らせしましたが、NPO新人会・宏究学舎2017年<夏学期>講座を開講します。すでに5月27日(土曜)を初講とする『明治維新から150年!』講座については、みなさまにお知らせしてありますが、そのなかで時間と会場の変更がありますので、それをまずお伝えします。

 会場はこのたび新装リホームとなった豊島区立「としま産業プラザ」http://www.toshima-plaza.jpに変更になりました。池袋南口から徒歩4分、池袋消防署の隣の建物です。
そのため開講時間を11時30分と皆さんにはお伝えしていましたが、豊島区の区分で午前と午後に事件が区切っての貸し出しのため、講座開始時間を1時間遅らせて12時30分からとさせていただきます。
よろしくお願いいたします。

 また当プラザで木曜日の夜間も会場を使用できるようになりました。
 そこで、<岡倉天心『茶の本』精読~クール・ジャパンを問い直す!>という講座も開講することになりました。
 2020年の東京オリンピック開催に向けて、まさに官民一体の「クール・ジャパン」のかけ声が日に日に過激化している印象ですが、日本文化の深淵は、こうしたかけ声が高まる一方で、衰退してきて、山本某大臣による「学芸員はクビ」発言に見られるように、観光第一、商売第一、文化はそのもとに隷属せよ。つまりは先の戦時中に、すべて軍事優先、絵画も芸能もすべてが国家のために奉仕しろという強圧がなされましたが、どうも昨今の状況を見ていると、まさに文化そのものの価値や意味より、「サーヴィス」第一「おもてなし」の強圧といった状況になっている印象です。
 そこで、岡倉天心『茶の本』を精読しながら、日本の文化のありようを皆さんとともに、もう一度深く考えてみたいという講座です。

 こちらの方は、木曜日の夜(19時30分~21時)の時間で設定しました。
 興味関心のある方、日本の文化って何だろうと思う方には、是非ご参加ください。ただし、この講座は会場の関係で15人の定員とさせていただきます。お早くお申し込みいただければ幸いです。

 以下、それぞれのチラシを添付しておきます。

なお、お問い合わせ申し込みについては、講座名を記して、下記にご連絡ください。


NPO新人会学生代表 唐澤俊介:e-mail s.k.asbb.may16@z3.keio.jp
       講師 八柏龍紀:e-mail yagashiwa@hotmail.com

  



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「明治維新から150年!」日本近現代講座の訂正

2017-04-12 11:19:18 | お知らせです!

 「明治維新から150年!」日本近現代講座の告知に誤りがありました。

連絡先の部分で、NPO新人会代表の唐沢君のメールアドレスが、間違っていました。

以下が正しいアドレスです。すでに唐沢君へ申し込みをおこなったみなさんには
たいへんお手数ですが、訂正されたアドレス、またはわたしのアドレスに再送していただければ幸いです。

訂正とお詫びを申し上げます。


八柏龍紀

 

***お問い合わせ・お申し込み***
NPO新人会代表:唐沢俊介 E-mail s.k.asbb.may16@z3.keio.jp 
                       *八柏龍紀 E-mail yagashiwa@hotmail.com

☆なお、お申し込みは教室の関係もあり、5月9日(火)までに、上記のメールあてに、「参加希望」とお書きになり、ご芳名・メールアドレス等をご記載の上、ご一報ください。

 


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2017年夏学期講座『明治維新から150年! 日本近現代史講座』のお知らせ

2017-04-07 15:22:27 | エッセイ

 2016年度まで3年にわたって開講してきた淑徳大エクステンションセンター講座が大学側の意向で全講座が閉講になってしまいました。そこで自主的に講座設定ができないかと模索してきましたが、2017年度はNPO新人会とわたしがかつて開講していた私塾「宏究学舎」を統合して「新講座」を創設することにしました。
 これまで淑徳大では『日本精神史』という根幹をテーマに、日本の文化芸術、さらに近現代の国家観や社会の変遷についてお話しを続けてきました。そこで、この夏学期では、さしあたってみなさんから好評だった「日本近現代の政治思想史」をテーマに、日本人がもつ精神性や思想性について、みなさんとともに考えていきたいと思っています。

 講義内容および概要は下記の通りですが、今回の講座では、わたしがいま追いかけている1930年代から戦時期に至るまでの「テロと芸術」に関連して、軍国主義に席巻されながら、池袋を中心に貧しい中にも、そのみずみずしい感性と美意識を滾らせていた若い芸術家の足跡を訪ねてみたいと考えております。自由参加ということになりますが、みなさんとともに詩人小熊秀雄が名付けたといわれる「池袋モンパルナス」界隈を中心に、佐伯祐三、松本竣介などのお話しをしながら探訪をしてみたいと考えております。これも含めて講座にご参加いただければと存じます。

***NPO新人会・宏究学舎主催 日本近現代史講座***

◆◇人物から見る!日本「精神史」を考える!◇◆
明治維新から150年! 近現代の日本のプロフィール

*期 間:2017年5月27日~7月15日(全6講)
*曜日・時間:毎週土曜日<午前11時30分~13時>
*定員・受講料:30名程度 9000円(全6回分)
*会 場:東京セミナー学院(JR池袋西口下車徒歩5分)
豊島区西池袋5-4-6東京三協信用金庫ビル内 

【講座内容】*本講は2016年度まで開催した淑徳大講座「国家論」のPartⅢにあたります。
 明治維新から150年。日本の近代・現代の歴史は、西欧列強の「近代国家」「国民国家」を急速に受容するものでした。夏目漱石が見抜いたように〝内発的〟な形成ではなく〝上滑り〟の歴史でした。そのなかで極東の小国日本は、日清・日露の両戦で勝利し、第一次世界大戦を踏み台に世界の五大国とされましたが、そのとたん方向を見失い、国内の経済矛盾と相まってアジア太平洋戦争で敗れ、戦後もその経済が失速するや、また大きな混迷に陥った観があります。そこで本講座は、政治世界の中で明滅した人物に焦点を当て、日本の近現代史がいかなる光芒を放つのか。おもに昭和史に光をあてながら考察します。

第1講(5月27日):〝幸徳秋水〟と〝吉野作造〟
            ~政治の理想をどこに置くのか?
第2講(6月3日):〝西園寺公望〟と〝昭和天皇〟
            
~国家の理想をどこに置くか?
*「講外講」(6月10日・自由参加)
    <1930~40年の政治と芸術を考える!>
 池袋モンパルナス・小熊秀雄・熊谷守一・佐伯祐三・松本竣介・林芙美子などの事跡を探訪する!
第3講(6月17日):〝広田弘毅〟と〝幣原喜重郎〟
            
~外交が国家を規定する!
第4講(6月24日):〝鳩山一郎〟と〝岸信介〟
            ~〝ポピュリズム〟か統制主義か?
第5講(7月1日):〝石橋湛山〟と〝池田勇人〟
            ~〝経世済民〟と国家とは?
第6講(7月15日):〝佐藤栄作〟と〝田中角栄〟
            ~経済成長か〝金権政治〟か?

【講師プロフィール】八柏龍紀(やがしわ たつのり)
慶應義塾大学法学部・文学部卒。高等学校教員を経て社会哲学・日本思想精神史に軸足をおき執筆・評論活動を行う。東京大学全学自由ゼミ講師、『週刊金曜日』書評委員、淑徳大エクステンションセンター講師などを歴任し現在京都商工会議所「京都学」講師。著書には『セピアの時代』(大和書房)『戦後史を歩く』(情況出版)『「感動」禁 止!』(ベスト新書)『日本人が知らない「天皇と生前退位」』(双葉社)等がある。

***お問い合わせ・お申し込み***
NPO新人会代表:唐沢俊介 E-mail s.k.asbb.may16@z3.keio.jp 
                       *八柏龍紀 E-mail yagashiwa@hotmail.com

☆なお、お申し込みは教室の関係もあり、5月9日(火)までに、上記のメールあてに、「参加希望」とお書きになり、ご芳名・メールアドレス等をご記載の上、ご一報ください。

 

 


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春からの新講座のお知らせ!

2017-04-07 12:21:36 | お知らせです!

 ながらくBlogを更新しないままできました。申し訳ありません。
現代は、facebookでもtwitterでもとにかく過剰なまでの〝自己露呈?〟の時代になった印象で、
講義を受けている学生の中には、講義中、途切れることなくtwitterなどへの書き込みをしている学生もいたりするそうで、
どうしてそんなにせわしないのか、考えるということを極端に嫌って、とにかく時間を殺すことに狂奔している印象がします。
滅びの序曲はこんな風にして大きな渦をつくっていくのかも知れません。


 そんなこともあってか、あるいは親の躾なのか、親には出しゃばること、旗振りになること、こんなことはみっともないことだと言われ続け、
そのくせどうしようもなく、何かをしたい動きたいといった欲求はある。そんな矛盾のなかで、Blogの更新もためらいがちになってしまったのかもしれません。

 ところでそれはそうと、みなさんには、この四月からの〝春の講座〟についてお伝えしておかねばなりません。

 じつは急なことで申し訳ないのですが、明日4月8日(土)15時30分からJR市ヶ谷駅にあるTKP市ヶ谷カンファレンスセンターで、
京都商工会議所主催の「京都講座」が開講されます。
 今回の講座は、2016年度から開講されています『〝心をつなぐ教え〟名僧の思想とその時代を考える!』のPartⅡの講座です。
第一講の今回は「空海と〝密教世界〟」をテーマにお話しをいたします。

 2016年度は日本の歴史の中で光彩を放った6人の僧についてお話しいたしましたが、PartⅡは5人の僧。第一講は空海、つづいての第二講は道元、第三講は日蓮、そしてあまりご存じではないかと思いますが、第四講では寂室元光から一絲文守までを貫く〝清冽〟について、第五講は良寛についてお話ししていきます。
 こんな時代だからこそ、人びとの魂の救済を祈り続けた僧の姿に触れ、わたしたちの心の再生を期す必要があるのではないか。そんなことを深くそして意味あるものとして、みなさんと共有できればと考えています。

 お申し込みお問い合わせは、京都商工会議所会員部京都検定講座係 TEL075-212-6416 e-mail school@kyo.or.jpです。

 明日当日も直接会場においでいただければ、手続きおよび受講は可能です。
 ぜひおいでください。

 

 ところで、もう一つ昨年度まで淑徳大学で講座を行っていましたが、それに代わってこの5月の第4週土曜日(27日)午前11時から13時にかけて、NPO新人会・宏究学舎主催の【明治維新から150年! 日本近代の国家観】についての講座を7月までの6回(すべて土曜日)開講いたします。会場も押さえていますので、明日の今日講座の会場では案内文を配布できると思います。このBlogでの告知は、もう少しお待ちください。近々にお知らせいたします。

 春になって、さまざまなものが動き始める昨今ですが、時代の中でみなさんと共有できる「場Pothos」づくりを今年度も営々とつくっていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。

 


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