私もこの空気感に浸りたくて図書館に予約して借りてきました。
文中に静かな空気が流れる。
内面に秘めた激情も、私欲を捨てて覚悟を決める、
貧しくも凛とした、
そんな庄左衛門の生き方。
相手の心情を推し量り、おのれの行動を律するという
かつての日本人の美しさがそこにある。
私利私欲にまみれた世の中に、
こういうお話は、心が洗われる。
胸に響いた言葉はいろいろあったが、
「選んだ以外の生き方があった、とは思わぬことだ」
「・・・だれかのせいなどというものは、ござりませぬ」
「人などと申すは、しょせん生きているだけで誰かのさまたげとなるもの。されど、ときには助けとなることもできましょう‥‥均して平らなら、それで上等」
それでいいんだ。
武家言葉と回りくどい掛け合いがちょっと疲れた。