この話、
以前にも書いたけど、
大地一人、
昔、無料で占いをしていたことがあった。
そのときは無料だったので、
気が向いたときだけ、
占っていたんだ。
自分の能力が未熟ということもあったし、
仕事が忙しいということもあった。
そして、
ある女性から頼まれた。
しかし、その女性のことは
気が向かなかったし、
仕事も忙しかったんで、
断ったんだ。
でも、「どうしても」と言われ、
人間関係を損なうのもイヤだと思った。
それで、仕方ないから、
その女性がブログに書いてある『自分の性格』を、
そのまま書いて送ったんだ(笑)。
その女性は、
何事も、ストレートで、
気ままに振舞う女性だったので、
そう書いて、送ったんだ。
「あなたは、物怖じしない性格の女性だ」ってさ。
これなら、100%間違いがないと思ったし、
彼女との人間関係も、
崩れることはないと思ったんだ。
ところが、その女性から、
返事が来て、
「あなたの占いは、
私の性格と全然違う」
と書いてあった。
彼女は書いてきた。
「私は、物怖じしない性格じゃなくて、
控えめで、物事を気にする人間ですよ」
って。
大地一人、大笑いした。
そのとき、考えたんだ。
占いが当たるって、何だろう?・・・って。
まず思ったことは・・・
人間って、
他人から、「あなたは**です」と言われるのは、
好きじゃない。
褒められるのはいいが、
欠点だと、
100%当たっていても、否定したくなる。
次に思ったことは、
人間って、
大胆な人でも、
恥ずかしい気持ちは、少しはある・・ってこと。
テレビや舞台で、
堂々としているタレントや政治家でも、
内心は、
緊張しているだろう。
おおらかな明石家さんまも、
「テレビの俺は、実際の俺とは違う」
と明言している。
つまり、さっきの女性は、
「あなたの占いは当たっていません」
ということ自体が、
すでに彼女が「物怖じしない性格だ」ってことを
はっきりと表しているんだと思った。
でも彼女は、
そういうことを言うとき、
「言うべきかどうか」
は考えているはずで、
そういう意味で、
「自分は物事を気にする人間です」
というのも、
あながち、間違いでもない。
でもさ、
無料で、占ってもらって、
「あなたの占いは、全然違う」
と言われたのは、
初めてだし、
占いとは、難しいと思ったんだ。
つまり、この職業、
100%当たっていても、
本人が、「当たってない」と言えば、
他人は、「あの占い師は、当たらない」
ということになるんだから、
面白いものだと思った。
そして、そういう非難に、
ずっと耐えなくちゃならない職業だ。
象に「君は大きいね」と言っても、
象は「太平洋よりずっと小さいよ」
と答えることもできる。
世の中には、
ゴッホやピカソの絵を、
小学生以下の絵だ・・・と言う人もいる。
また、
モーツァルトやシューベルトの音楽を、
退屈な音楽だ・・・と言う人もいる。
名画「モナリザ」の微笑を、
長嶋茂雄は、
「気持ちの悪い絵だよね」と言った・・・という。
何を言うのも自由だ。
最後は、その人が責任を取ればいい。
ただし大地一人の占い、
100%当たる・・・なんてつもりはない。
俺はそんな優秀な占い師じゃない。