仕事と生活の授業(続き)

前に作ったホームページは、あまり読まれないようなのでブログで再挑戦です。

10. 『秒速5センチメートル』 その4 初めの感想

2015年03月04日 | 映画の感想文
 10. 『秒速5センチメートル』 その4 初めの感想


 【この映画を観て直ぐの新鮮な感想をツイッターに書いてあります。
  これだけ読んでもどんな映画かさっぱり分からないので、
  このブログには、後で書いた感想を先にアップしてきました。
  それでも、この映画への素直な感想はここにあげた文章に現れていると思うので、
  ちょっと我慢してお付き合いください。
  主人公の貴樹くんにおもいっきり感情移入して、なぜか自分のことを書いている文章です。】


 夜の匂い。

 深夜の匂いとは違う、

 たぶんどこかの林から流れてきた木々の匂い。

 落ち着いた気持ちにさせてくれる。

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 題名の放つ魅力に抗(あらが)えず、映画を見ました。

 『秒速5センチメートル』。


 夜の景色を見る視点が同じだな、

 と何気なく見ているうちに

 作品の世界から抜け出せなくなってしまいました。


 そして、小説版も...。

 ここにも、夜の匂いが分かる人がいる、

 と嬉しくなりました。

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 昔読んだ女優さんが書いた文章です。


 朝の匂いは、子供にしか分からない。

 子役のころ、

 恐い監督さんと話をしていて気がついた。

 朝の匂いを分かっている。

 この人は信用できる。


 女優さんの名前は忘れてしまいました。

 高校生のころに読んだのかな。


 『秒速5センチメートル』という作品は、

 成長と共に失った「時の匂い」を取り戻すお話です。


 って、何のことか分からないと思うので作品を見てください。


 素晴らしい映像と、

 素晴らしい言葉、

 声、

 歌

 そして「時の匂い」を感じられる作品です。


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 秒速5センチメートルは、

 桜の花びらが落ちていく速度です。


 13歳の自分は、

 善いことも悪いことも、

 いろいろなことを考えてた。

 その後の人生で思い付くようなことは、

 すべて考えつくしていたような気がする。

 頭の中は、今も13歳から成長してないと思う。


 13歳の自分に足りなかったもの。


 経済的な自由。


 それと


 自分に何ができて、

 何ができないかの

 客観的な認識。


 世界中の人々を幸せにする方法を

 真剣に悩んでた。

 将来一人の女性を幸せにすることすら

 おぼつかないくせに。


 時が経つと共に、

 自分がスーパーマンではないこと、

 それどころか何一つ人の幸せに繋がることなど

 できないことを

 痛いほど見せつけられ続ける。


 これはできる、と確信し、

 一時的な高揚感に浸ることもある。

 けれども、

 それは次の挫折の種にすぎない。


 永遠に続くように思える挫折の中で、

 誠実であれば自分を傷つけ、

 誠実さに疲れたら、

 自分をごまかす。

 そしてまた、

 ごまかす自分を責め続ける。


 価値あることなんか、

 何もできない。


 挫折の底にいながら、

 それでも時間は流れていく。


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 足元を見ながら前に進めるようになったのは、

 いつからだろう。



 いつからだろう。

 できるはずのことができない自分を責めるのではなく、

 何もできない自分が

 何かできることを喜べるようになったのは。


 そして、


 「夜の匂い」を思い出せるようになったのは。


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 以上が『秒速5センチメートル』の感想文です。

 なかなかこの世界から抜け出せません。

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 【感想文の続きです。

  高樹くんと明里さんの2人について書いています】


 手紙のやりとりを続けられなかったことが、

 きっと心の傷になっているんだと思います。


 しかたのないことだと分かっていても。


 大切なものを守り切れなかった。

 きっとこれからも大切なものは

 手に入らないのかもしれない。


 手紙を出せなかった自分、

 出さなかった自分、

 どちらも含めて、今の自分の一部と言えるまでは、

 まだ少し時間が掛かるんだと思います。

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 【以下は映画と関係ない話。

  ある日の日記です。

  :全くの蛇足です】

 今日は息子と二人で実家に帰って、

 近所の草取りをしました。

 実家は空気が美味しくて大好きです。

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 なんと、母校の中学校が統合でなくなってしまうそうです。

 団地高齢化が止まらない...。


 中学校の思い出。

 すぐには出てこなくなってしまった。

 切ない初恋は中学校の時だったな...。

 その大人びた女の子がサッカー部の人気者と交換日記をしていて、

 みんなにからかわれてる場に居合わせてしまった。

 その時まで二人が付き合っていることすら知らなかったので、

 ものすごくショックだったのに、

 からかいの輪の隅で、

 どうしたら良いか分からず、

 とりあえず笑っていた情けない自分がいた。


 そのあと、

 学級委員長になった時、

 彼女が副委員長になり、

 ほんとはとてもうれしいのに、

 悲しい片思いとどう向き合って良いか分からず、

 過剰に接触を避けてた。


 普通に接していれば、

 たくさん思い出が作れたのに...、

 ほとんど会話した記憶がない。

 (学級委員の仕事はどうしてたんだっけ?)

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 そう言えば、

 体罰が大きな社会問題だった時、

 テレビのワイドショーで母校が

 大々的に取り上げられたりしてた。


 殴るのは良くないと思うけど、

 ストーブで粘土を熱して、

 それを人の首筋に付けてしまう生徒を

 被害者扱いするマスコミに

 とても違和感を感じてた。


 体罰は体罰で問題で、

 別の生徒に対する理不尽な体罰は、

 思い出すと今でも悲しくなる。


 どんどん思い出してきた。

 中学校の思い出。


 何か言いたそうな女の子いたけど、

 恥ずかしいから避けちゃった(もったいない)。


 背中に座らせて腕立て伏せした居酒屋さんちの女の子は、

 転校して行った後も夢にでてきたから好きだったのかな?


 頭の中と胸の中、

 自分の気持ちとみんなの気持ち、

 全部ちぐはぐ。

 歯車、合いっこない。

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 今から思うと、

 もどかしい時代を過ごした、

 懐かしい中学校は、

 さよならです。





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