山形Q85回定期のリハーサルも、残すところ3回となりました。今回もフルートの小松崎さんが入って「魔笛」を中心に。それなりに仕上がってきました。弾くたびに、曲の良さを再確認します。
さて「魔笛」の面白さは、なんと言っても登場人物のキャラクターと、それを引き立てる音楽です。夜の女王は暗く激しく、ザラストロは荘重で、パパゲーノは軽快。どれも性格分けがはっきりしていながらも、音楽単体でも充分に聞き応えがある。この完成度に、モーツァルトの「気合い」が感じられます。
それもそのはずです。この物語は「寓話」なので、それぞれのキャラクターは象徴するものがはっきりとしています。
ザラストロは「法と叡智」、夜の女王は「迷信」、パパゲーノは「原始的な状態の人間」、タミーノは「人民」、夜の女王の3人の侍女は「宗教」(キリスト教・ユダヤ教・イスラム教)、モノスタトスは「利己的個人」…なるほど!と感心させられますね。
宗教を「迷信の手下ども」とぶった斬るあたりは、当時としては確かに危険思想かも知れません。
ちなみに「叡智さん」ザラストロには、ボルンという実在のモデルがいたようです。彼はオーストリアのフリーメイソンの主導的な立場の鉱物学者でした。錬金術などに走ろうとする一部のメンバー排除して、人権擁護活動をしたりした人格者です。モーツァルトも彼に心酔していたようです。ザラストロの「全能」感は、ここから来ているのでしょう。
こういうモーツァルトの「思い入れ」が、作品に力を与えています。…映画「アマデウス」の軽薄な才子のイメージとずいぶん違いますね。
聴けば聴くほど、知れば知るほどに、「魔笛」がモーツァルトの「渾身の作」だということが、本当によくわかります。
本番まであと10日ほど。ラストスパートです。
チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。
ただいま19箇所及び山形市内公民館
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