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家電を叩く話

2014-03-06 00:01:00 | むだ話




ここに越してきた20数年前、当時としては大型だった24型のテレビを買った。

居間にデーンと鎮座して、家族を楽しんませてくれた。

それから10数年して、スイッチを押しても、点かなくなった。


昭和の時代、大概の電化製品は調子が悪くなると、引っ叩いたものだ。

昭和の人間である僕も女房も、何のためらいも無く、ドスン、バシンと頭を叩いた。

叩かれたテレビは間違いなくスイッチが入った。

学校で生徒を叩くのは体罰だけど、家庭でテレビを叩くのは躾である。

だけど、躾が過ぎると非行に走る子供の様に、「ドスン、バシン」が1年も続くと、

テレビはだんだんと言う事を聞かなくなって来た。

毎朝、「この~!ドスン このっ、この~!バシン、バッシン」という、

女房がテレビを虐待する音で、目が覚めるようになった。

そして、とうとうテレビは「もうイヤだっ」と言う感じで、完全に沈黙してしまった。

苦い経験である。


さて、平成の現代。

家電は、どんどんスマートに、どんどん繊細になって来る。

昭和の家電のような、鈍重さと図太さを持たない。

叩けばそれだけで壊れてしまいそうである。

ましてや、スキャナーのようなデジタル製品はなお更である。

だけど、このスキャナー。過去に2度故障して、年末にまた調子が悪くなった。

何度作業を進めても、「ガガガガッガッガッ!」と、工事現場のドリルの音しか出さない。

甘やかし過ぎたのかもしれない。

「高い修理代を2度も払わせておいて、いい加減にしろー」と、バーンと叩いた。 平手で。

するとどうでしょう!

あれだけ愚図っていた子が「スウィ~~~~ン」と、素直に動き出したではありませんか

以来、愚図り始めると「バーン!」とやっています。

デジタルな子にも、アナログな躾は通用するようです。

まっ!虐待にならないように仲良く付き合っていきましょう




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