米国ノースロップ・グラマン社によって開発された無人航空機「RQ-4グローバルホーク (RQ-4 Global Hawk)」
米海軍の次世代無人攻撃機「x-47b」
米軍や米諜報機関では、パキスタンやアフガニスタン、イエメン、ソマリアなどで無人武装偵察機を出撃させ、テロリストや反政府勢力の幹部暗殺を敢行している。無人機の進化に終わりは無いようだ。
■世界最大の偵察機
米空軍が開発したブルー・デビルは世界最大の偵察機となった。何しろ、全長107メートル/容積3万7000立方メートルの“巨艦”。「第二次世界大戦以後に建造される最大の飛行船」と認定された。この広大なスペースにスーパー・コンピューターを積載することで、アフガン交戦地域上空などから地上を広範囲にわたって監視する。
投入機材は盗聴機器や昼夜兼用監視用ビデオカメラ、地上部隊への送受信機など。
この他、広域空中監視(WAAS)システムを使い、最大4キロ四方の地上を、10台ものカメラで撮影する。
一連の装備は在来型偵察機と比べ、新味に欠けるように見える。しかし、将来は飛躍的に性能が高くなる。
米軍では既に、複数の航空機により上空から監視対象を撮影、特にアフガンでは携帯電話や無線を徹底的に傍受している。ところが、複数の航空機による監視・傍受の場合、各機に指示を与えて、情報を集約・管理するため相当の時間を要する。ブルー・デビルはこうした各種情報を一元管理し、使い易い形にアレンジして、地上部隊に15秒以内で伝達することを目標に掲げている。その中核となるのがスパコンだ。
軍高官によれば、在来型WAASシステムを搭載した通常の無人偵察機1機が収集する画像分析には、2000人もの人員が必要になる。これに対し、次世代WAASシステムは、96台ものカメラで撮影された毎時274テラバイトのデータを引き受ける。これだけのデータは、保存するだけで2000枚前後のハードディスクが必要。しかも、通常のコンピューターではデータ処理仕切れない。分析要員数も在来型の比ではない。この点、スパコンを駆使すれば、毎時300テラバイトも処理する。
斯(か)くして、地上部隊は飛行船内のサーバーに照会後、膨大な情報の中から知りたい映像・情報だけを提供される。
さらに、大量の燃料とヘリウムを貯蔵することで、1回の飛行時間は1週間、しかも6キロという通常の飛行船の7倍もの高度での滞空を実現する。有人飛行も可能だ。
■「瞬きをしない目」
米陸軍も長期耐久性マルチインテリジェンス無人飛行船(LEMV)3機を建造。LEMVは高度6キロで3~4週間も滞空し、各種センサーを駆使して地上のあらゆる対象を偵察する。いわば「瞬きをしない目」。映像やレーダー情報の他、通信情報を地上部隊に送信する。通信中継局や20トンの貨物を運搬する輸送機としても活用できる。
LEMVと同レベルの任務をこなすには、最新型無人偵察機12機が必要となる。もっとも、最新型といえども、滞空時間は14~28時間に過ぎない。
米軍ではこの他、太陽電池を搭載した無人偵察機を成層圏上空に数週間~数カ年滞空させる構想まで持っている。
一方、米国務省でも、プラモデルの飛行機ほどの非武装超小型無人偵察機保有を検討中だ。危険地域での外交施設や外交官の安全確保が目的。危険地域の具体的な名は明らかになっていないが、アフガンやイラクといったテロや宗教抗争の続く国家を指しているものと思われる。
米国務省公表の報告書によれば、超小型機の飛行実験は2010年に成功。米国防総省や他の政府機関と協力して、低空・長時間飛行ができる無人偵察機も視野に入れている。
■北朝鮮も実戦配備進める
きな臭さが漂う朝鮮半島でも、南朝鮮軍が全天候型無人戦術飛行船(全長39メートル)を導入する。飛行船は海上監視能力に優れた最先端レーダーを装備。1.5キロ上空と地上基地をケーブルつなぎ、気象が悪化しても、映像・レーダー情報を安定して送信できる点が強み。10キロ~数十キロ離れた北朝鮮軍の動向を24時間監視するためだ。
これに対し、北朝鮮軍も偵察飛行船ではないが、自爆攻撃用無人攻撃機を配備しつつある。
無人攻撃機は、地対空ミサイル演習などの際、標的として使われる米国製高速無人標的機(全長5.5メートル/翼幅3メートル/時速925キロ/最高高度12.2キロ)をシリアから密輸入。改造中と観測されている。
改造後は小型爆弾を装填、250キロ離れた目標に自爆攻撃を加えられるようになるだろう。完成すれば延坪(ヨンピョン)島砲撃(2010年)の担任部隊・第4軍団への配備が危惧されている。
北はロシアから輸入したプロペラ式無人偵察機の攻撃機への換装を進めている他、支那製無人機をベースにした無人偵察機は、既に実戦配備についているといわれる。
ところで、日本は広大な領海・EEZ(排他的経済水域)を有し、おびただしい数の島が浮かぶ。自衛隊や海上保安庁の航空機・艦艇の現数が「飛躍的に拡充」されなければ、主権侵犯監視と、それへの対抗には限界がある。「飛躍的拡充」を進める一方で、無人機の本格導入は不可避な時代に入った。
(九州総局長 野口裕之/SANKEI EXPRESS)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/546367/
■これからは無人戦闘機の時代
米国議会調査部(CRS)の報告によると、2005年には軍用機のうち無人機は5%しかなかった。それがわずか7年後の現在、米軍には7,494機の無人機がある。旧来型の有人機の総数は10,767機だ。
7,500機近くある無人機のうち有名なのは、パキスタンやイエメンなど広範囲で用いられた無人攻撃機『RQ-1 プレデター』と、プレデターを大型化して装備も強化した『MQ-9リーバー』だ[米国にある空軍基地から、衛星経由で中東への攻撃が可能]。米軍はこれらを161機所有している。
米国防総省の調達予算では、有人飛行機が92%を占めている。とはいえ議会の報告によれば、米軍は2001年以降に260億ドルを無人航空機に投じている。
無人機は、これまでより安全になってきている(操作する側にとってであり、地上にいる標的にとっては違うが)。イラクとアフガニスタンでは、プレデターとリーパーがこれまでに38機墜落している。また最近では、ステルス性能を備えた先進的な『RQ-170センチネル』をイランが入手したようだ。しかしながら議会の報告によると、プレデターは飛行時間10万時間あたり7.5回しか事故を起こしていない。2005年の20回から減少し、事故率は有人航空機『F-16』と同等になっている。
一方米国防総省による最新鋭ステルス戦闘機F35の調達を一部先送りするとした決定が、同盟国に波紋を広げている。調達先送りに伴い購入価格の高騰が不可避なためだ。オーストラリアは調達計画の見直しを行う方針だ。
豪州のスミス国防相は1月30日の記者会見で、調達計画を見直す考えを示した。豪空軍は調達予定の14機のうち2機の契約を締結、2014年に納入予定だ。15年から3年かけて調達する残る12機については、購入価格が高騰する恐れがあるため見直す方針だ。価格は当初の6500万ドル(約49億円)から「2~3倍になる」(関係者)との見方まである。
一方、日本政府は16年度に4機、17年度に国内で最終組み立てした4機を導入するとしており、「F35の日本への配備時期に一切変更はない」(田中直紀防衛相)と調達計画の見直しは行わない考えだ。
だが、田中氏は米側の決定後、神風英男防衛政務官を派遣し米側に詳しい事情を聴く予定だったにもかかわらず、「日程調整がつかない」(日米関係筋)と訪米を白紙に戻すなど混乱は隠しきれない。
米軍のF35の運用開始は当初予定の17年から19年にずれ込む可能性がある。仮に期限内に納入しても、米軍の運用開始前は米国内条項が適用され、不具合が生じた場合でも部品交換すらできない危険性がある。
防衛省はユーロファイターという選択肢は、実ははじめからなかった。
理由はF-15の改修型と同じだ。理由は防衛省が2030年ぐらいに正規空母の導入を目論んでいるからだ。そのためには艦載機としても使える機体の運用実績が欲しい。
だからF35かスーパーホーネットという選択肢が本命だったのだが欲張って、どうせ買うなら最新型をといったらこのザマなのだ。
たぶん、日本がF35の完全配備をしたときは、有人戦闘機の時代は終わっている。米国がラプターの調達を終了したのは、何もその価格の高さだけが原因ではない。
それに米国が開発中の航空機搭載型レーザー砲システムが実用化されたら、戦闘機の出番なんて完全になくなる。ロックオンされたら回避不能。遠距離から光の速度でやってくる砲弾にジュだから。その時にはロシアも支那も同様にレーザー砲の開発に着手している。
日本はアメリカの言いなりに成っているばかりで、独自の将来的な展望や予測ができない。国民だけでなく、国を挙げて情報弱者と化している。
だが民間企業は着々と将来を見据えた開発を行っている。
http://www.heinkel.jp/yspack/ysf_tacom.html
しかし政府にその利用価値がどれほど重要な物であるか、理解できる者が居ないのが致命傷だ。