◆アルジェリア人質事件
アルジェリア政府と中国人民解放軍との関係
なぜアルジェリア政府は多くの人質の犠牲者がでるような強行な作戦を用いたのか、それには中国がアルジェリアと同じイスラム教の民族であるウイグル人を度々虐殺し、アルジェリアの過激派はその報復宣言を中国に対して行っていたことを抜きにしては考えられない。
そしてそれに対抗して現在中国政府と人民解放軍はアルジェリア過激派を殲滅しようと武器と軍隊をアルジェリアへ送り込んでいる。
日本のメディアはアルジェリア過激派が中国政府のウイグル虐殺に怒って報復宣言を出していた事を一切報道していない。
ウイグル問題を巡って中国と敵対するアルカイダ、そして北アフリカを開発してあらゆる面で事業パートナーとなっているアルジェリア国家と中国の関係、それが人質を見殺しにし、テロ組織への攻撃を重視する救出劇と大きく関係している。
多くの被害者がでたアルジェリア人質事件。
背後に中国の人民解放軍がいたというのは間違いない。
今回の一連の騒動は、アルジェリア政府と中国vsアルジェリアのアルカイダ組織とそれを影で援助するアメリカCIAという構図の可能性が高い。
中国によるウイグル人の虐殺について、同じイスラム圏であるアルジェリアのアルカイダ系組織は報復宣言をしている。
またそれ以前にもアフガンのアルカイダ組織が度々ウイグル人の弾圧に抗議するために中国へとテロを仕掛けている。
今回のウイグル問題を巡って中国と敵対するアルカイダ、そして北アフリカを開発してあらゆる面で事業パートナーとなっているアルジェリア国家と中国の関係、それが人質を見殺しにし、テロ組織への攻撃重視する救出劇と大きく関係しているようである。
中国の北アフリカ進出は、新彊地区から出たウイグル族イスラム過激派の動向と活動を追跡することに関連した、安全保障問題につながってくる。
中国の肩を持つアルジェリアはアルカイダテロ組織(CIA)への攻撃を重視し、中国もまたテロ組織だけでなく、人質になっている日本人やその他のウイグル救済側に立つ国の人質に関して、「テロ組織への攻撃重視、言い換えれば、ウイグルの肩を持つ日本などの国への遠まわしな攻撃・威嚇」をすることを目的とした。
◆中国の北アフリカ進出
中国の北アフリカ進出は、新彊地区から出たウイグル族イスラム過激派の動向と活動を追跡することに関連した、安全保障上の顧慮とリンクしていたのである。
アルジェリアやニジェールのような国では、国際テロリズム、より正確には、その地域で活動し中国のウイグル分子と共同していると考えられているサラフィスト分子と闘うための安全保障協定が締結された。
中国海軍の戦艦を使用するために港湾の使用を確保することは、その地域に対する中国の経済的外交的攻勢のもうひとつの構成要素であった。 これらにはアルジェリア、エジプト、チュニジアの港湾使用が含まれている。
http://www.ide.go.jp/Japanese/Data/Africa_file/Manualreport/cia07.html
中国がアフリカで電気通信産業戦略を展開する幾つかの拠点を選び出したと伝えている。それらにはエジプト、アルジェリア、チュニジア、ケニア、ナイジェリア、南アフリカなどが含まれる。
そのグループを引率しているのは、中国人民解放軍と中国諜報機関と関係をもつ華為技術(Huawei Technologies)や中興通迅(Zhongxing Telecom Ltd 略称:ZTE)の2社、中国電信(China Telecom) やアルカテル上海ベル(Alcatel Shanghai Bell 略称:ASB)など中国の主要企業である。
中国企業にとってアフリカにおける通信事業の最上位クラスのマーケットは、アルジェリア、エジプト、チュニジア、モロッコ、南アフリカで、中国のアフリカにおける通信事業総資産の60%を占めている。 それ以外の国ではナイジェリアとアンゴラが群を抜いている。
ここで重要な点は、中国のアフリカにおける通信事業開発は、主要航路、および、軍事専門用語で「通信シーレーン(SLOG)」と呼ばれる戦略要所をつなぐ沿岸諸国から始まったという点である。
海運の動きを追跡することは、とくに戦時においては重要である。
これは、中国の通信事業の世界的性質を考えるならば、中国のアフリカにおける通信事業への投資が中国共産党の世界戦略構想に密接に関係していることを示唆している。
アルジェリアは中国にとって、アフリカの石油開発、テロ対策、ウイグル問題など、主要な戦略パートナー国である。今回、人質を無視するかのような作戦を取ったのも、中国が強く押すテロ組織壊滅を重視した結果だと思われる。日本人が多く殺された理由もそのあたりにあるのかもしれない。人質にされた日本人は、過激派とアルジェリア政府の両方から狙われた。
日本には諜報・情報機関が確立していないこと、中東や北アフリカ特にイスラム諸国の日本大使館は独自では情報収集能力を持っていないこと、日本のメディアが中国の動きを全く正確に伝えないことが、日本の国民や国家に今後も大きな被害をもたらすことになる。
◆ アメリカが韓国を捨てる日 稲川会に経済制裁
米財務省は23日、日本の指定暴力団稲川会と辛炳圭(通称清田次郎)会長、内堀和雄理事長を経済制裁の対象に追加指定した。同省はこれまでに山口組と住吉会に経済制裁を科しており、これで指定暴力団の主要3団体すべてが制裁対象となった。
幹部らの米国内の資産を凍結し、米国の個人、企業に取引を禁じる。オバマ政権は2011年7月に日本の暴力団「Yakuza(ヤクザ)」を国際的に活動する犯罪組織と認定、対策を強化してきた。
財務省は暴力団について「世界最大の犯罪組織」であり、7万人を超える構成員の7割以上を3団体が占めると指摘。武器密輸や人身売買、薬物取引、マネーロンダリング(資金洗浄)に関与しているとし、コーエン財務次官(テロ・金融犯罪担当)は「米国を守るため彼らの犯罪行為を暴き、制裁対象を広げていく」と強調した。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130124/amr13012409110002-n1.htm
オバマ政権は昨年の山口組、住吉会に続いて稲川会も経済制裁の対象とした。
これはアメリカは朝鮮から手を引く準備である、表向きはテロとの戦いであるとしているようだが、いわば在日朝鮮暴力団壊滅作戦が実行された。
●稲川会に金融制裁=指定暴力団では3例目-米財務省
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013012400065
国際的に活動する犯罪組織、と聞くとたかが暴力団が?と思うかもしれないが、アメリカマフィアほど派手に「麻薬戦争」や「銃の密造」などやっていないだけで、行政組織への浸透度はかなり大きい。
表向きは「テロとの戦い」を掲げているが、実際には在韓米軍の引き上げである2015年までにある程度、朝鮮勢力を切り、韓国・朝鮮半島からの経済、軍事前面の引き上げを考えているという意見に賛成である。
言い換えれば2015年以降に朝鮮戦争が再び始まると予想される。
また、辛炳圭(通称清田次郎)会長とあるように暴力団・右翼団体のほとんどは朝鮮勢力である。
右翼団体「松魂塾」(豊島区)松魂塾最高顧問:松山眞一こと曹圭化
右翼団体「松葉会」(台東区) 松葉会会長:牧野国泰こと李春星
右翼団体「九州誠道会」(福岡)九州誠道会会長、村神長二郎こと朴植晩二代目九州誠道会、浪川政浩こと朴政浩
山口組系「天野組組長」 …金政基
山口組幹部(最高顧問)…朴泰俊
山口組系「極心連合会組長」 …姜弘文
指定暴力団山口組系幹部…金政厚
山口組系「新川組組長」…辛相萬
日本の暴力団に対して経済制裁、そして北朝鮮へ流れる金を止めて朝鮮戦争。
在韓米軍が韓国から引き上げ、アメリカが韓国を捨てるのは、もう時間の問題である。
そうすれば韓国は反日教育をやめて日本に寄り添うか、過去の歴史に舞い戻り中国の属国となるかの二者択一であり、経済破綻ギリギリで日本のために朝鮮半島に位置してくれている、ただそれだけの存在である韓国に自分たちが自立し国家などを運営していく力すらないことを多くの日本人はわかっている。
●韓国を捨てるアメリカ 日本と中国の二者択一を迫る
米国で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたブレジンスキー氏は「韓国が米国との同盟を強く望んだとしても、米国が韓半島から手を引く時代は少しずつ近づいている」と指摘する。
韓国には「中国による東アジアの覇権を受け入れ、中国とさらに接近する」道と、(反日行為をやめて) 「歴史的な反感にも関わらず、日本との関係をさらに強化する」という二つの道が選択肢として提示されていると明言した。
「中国に頼る」ということは、中国の付属品のように屈従して延命を図り、その下で生き延びるという意味だ。
「日本と手を結ぶ」ことについては、説明する必要もないだろう。
与党も野党も、あるいは右も左も関係なく、韓国のあらゆる政治勢力は、5000万の国民をどちらの方向に導くか、決断を下さなければならない。
★「覇権国が交代し、世界の秩序が変化する影響を最初に、そして直接的に受ける国」として、まず旧ソ連に属していた人口460万人の小国グルジアと台湾を挙げ、その次に韓国を名指しした。
ブレジンスキー氏は「韓国の将来に決定的な影響をもたらす国際情勢の変化の時期」について「中国が経済面と軍事面の双方で米国を追い越すとみられる、およそ20年後」と予想した。
近い将来、確実に中国とインドが勢力を伸ばしてくるだろう。
日本と中国との戦争が近いと騒いでいる人たちはツイッターで去年からいたけれど、日本と中国が全面的な形の「戦争」をすることはない、なぜなら日本があっという間に勝利をおさめるからだ。
中国という国はアメリカが背後にいる日本に対してそんな馬鹿な方法を使わずとも、日本を侵食し日本の利益を手に入れる方法はすでにわかっており実行している。
中国人のやり方は相手に対して「無理難題」を吹っかけ、そしてとことんまで相手を追い込み、相手が譲歩すればしめたもの、また相手が抵抗して来たならば「その中間点で折り合おうではないか」という手法を使ってくる。
それが現在の尖閣諸島への侵略行為。
いつも国防動員法を、怖い!と危惧して騒ぐのは無職のネットユーザーで、彼らは世間一般的な知識はなくネットに「転がっている恐怖をそそるようなもの」に対して過剰反応しているだけである。それらの人達は去年から「戦争が始まる」と叫んでいる。
世界地図を中国側からみればよくわかる。日本列島は中国の太平洋進出を防ぐ砦のように、縦長く伸びて蓋をしている状態である。
朝鮮戦争にアメリカが突入したのも、共産主義から日本を守る(アメリカの国防)ためであり、米兵5万5千人が朝鮮戦争で命をかけたのは事実である。
朝鮮半島は常にアジアの火薬庫なのは、この防波堤である日本列島に乗り込む足がかりとなる場所に位置しているからである。
地理的に中国やロシアと国境を接しているために、紛争が耐えない。過去の日韓合併した経緯には、日本は中国、そしてソ連の脅威から韓国を守るために合併したのではなく、半島がどちらかの国に奪われれば、日本が脅威にさらされる。それを避けるために合併し糞尿だからけの未開の地であった朝鮮半島を近代国家へと急速に作り上げる必要があった。
朝鮮半島を発展させること=中国・ソ連の盾になること、という国防の意味合いが強い。
◆アメリカが朝鮮戦争に参加したのは日本を守るためだった
1950年に勃発した朝鮮戦争は、米ソ冷戦構造の時代に起こった「熱戦」の一つである。朝鮮半島という局所的な戦争がなぜ世界を巻き込む「限定戦争」に拡大していったのか?先だって機密解除された米軍の機密文書には、「米軍が朝鮮戦争に参戦したのは決して韓国のためではなく、共産主義から日本を守るためだった」と書かれている。
◇「韓国が負けるのは傍観視できるが、日本だけは死守しなければならない」
この度、機密解除された文書は米国務省より公開されたものである。それによると、「もし北朝鮮軍が韓国軍に勝つことにでもなれば、共産主義はドミノ倒しのように日本に襲いかかるだろう。韓国が負けるのを米国は傍観できるが、日本を失うことは絶対にあってはならない」となっている。
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2012-05/28/content_25492495.htm
半島からのアメリカ勢力の撤退、再開される朝鮮戦争。
日本が気をつけなければならないのは、地下鉄サリン事件のような半島のテロである。
オウムは日本でテロを行ったが、単なるテロではなく在日米軍への威嚇の意味合いも大きかった。常に米軍を意識した発言はあの組織が北朝鮮そのものだからである。
日本でテロを発動し米軍や自衛隊の目を日本国内へ向けさせて南進を開始する可能性も高く、そういう意味で朝鮮戦争が始まれば日本は巻き添えを食うだろう。
韓国は朝鮮半島での戦争、それがある意味ショックとなり、反日教育をやめて別の形の国家にかわる起爆剤となる可能性も高い。
◆露も危機感、日本に秋波
いま日本に秋波を送ってきている国がある。ロシアだ。
元外務省主任分析官でロシアが専門の佐藤優氏は、昨年8月の李明博韓国大統領の竹島上陸の後、クレムリン(大統領府)にアクセスを持つ人物の来訪を受け、こう言われたという。
「ロシアは尖閣、竹島で好意的中立だ。そのことを日本はわかっているのか」
佐藤氏はこの発言を次のように読む。
「尖閣で発言することは、結果として中国を利することになるので避けている。東アジアで中国の影響力が拡大することを阻止したいからだ」
実際、プーチン大統領は昨年12月26日の安倍晋三首相誕生に際し、直ちに祝電を送り、アジア太平洋地域の安定と安全保障のために日露関係を発展させていく意向を示した。28日には電話会談も行った。
●天然ガスの供給先
ロシアの対日アプローチの要因となっているのが天然ガスだ。NIC報告書は、米国がシェールガスの生産により輸出国になる可能性を指摘している。天然ガス輸出国のロシアも大きく影響を受ける。
「米国が海外から手を引くのか。ロシアも読めない。そこで安定的なエネルギーの供給先として日本を考えている。対中牽制(けんせい)にもなる」と佐藤氏は分析する。
報告書は、30年の潮流として「資源需要の拡大」を例示しているが、茅原郁生拓殖大名誉教授は「とりわけ中国にとっては死活問題だ」と指摘する。
中国近海での乱獲により漁業資源はすでに枯渇ぎみで、石油需要の急増に伴いエネルギーの確保にも血眼になる。
そこで手を伸ばそうとするのが沖縄県・尖閣諸島であり東シナ海の離島だ。島を奪い、それを基点に排他的経済水域(EEZ)も広げ、漁業・海底資源をわが物顔であさる。
それを担保するのが軍事力による海洋支配で、「戦略国境」と名づける中国ならではの概念を体現することになる。その概念とは、「力」を持つものが押し出していけば、そこまで支配権が及ぶ-。
【用語解説】米国家情報会議(NIC)
米国と世界の将来像を戦略的に分析して政策立案に生かすために、米大統領に対して15~20年にわたる世界情勢の予測を報告する。中央情報局(CIA)など米政府の情報機関によって組織され、報告書作成には諜報機関だけでなく大学教授やシンクタンク研究員なども参加している。世界的な金融危機の最中の2008年には「世界の潮流2025」を公表、米国の相対的な国力低下と多極化の時代到来を打ち出し注目を集めた。情勢判断を総合的に記述した機密文書「国家情報評価(NIE)」の作成にも当たっている。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/619400/
★アメリカのダレスの日本への恫喝
沖縄返還時の際にアメリカのダレスが北方領土を「2島づつ分ける妥協案をロシアと結ぶのであれば我々は沖縄を返さない」と第二次世界大戦中に外務大臣を務めた重光葵を恫喝した話は有名である。
日本はそのために強固に実現不可能な「四島返還」を口にし、ロシアは二島返還を提案する。
アメリカもロシアが4島返還することは絶対にないことをわかっており、現実問題として既にロシア人が住んでいる島4つを日本に返すことは不可能であろう。
このように北方領土問題は日本とロシアの間に永遠に横たわる「領土問題」として残り続けるわけであり、茶番を繰り返しているだけである。
ロシアはそうやって日本の出方、日米同盟の確認をしている。
もしロシアが四島返還と言い出したら最も困るのは日本だろう。
みんなで考えようこの国の未来 なぜ彼らは日本を「捨てた」のか海外に移住した日本の若者たち
2013年01月23日(水) 週刊現代
経済の死角
「あたし、ちょっと海外に行ってくる」
「いいねぇ。で、いつ帰ってくるの?」
「分かんない。とりあえず、3年かな」
海外に生活の拠点を移す日本の若者が急増している。なぜいま日本脱出なのか。
■この国に希望はあるのか
『ご報告 このたび、私は日本を離れ、オーストラリアに移り住むことにしました。ついては、携帯を解約しますので、以後のご連絡先は・・・・・・』
これは30歳の本誌記者の携帯電話に、高校時代の同級生から突然、送られてきたメールだ。
日本が、少子高齢化の時代に入ったと言われて久しい。若者の人口は減少の一途を辿り、経済を支える労働力も減っている。働いて稼ぐ人間が減れば、ものを買って消費する人間も減る。構造的な不況のなかで、景気が根本的に回復していく見込みは立っていない。
ところがいま、日本の若者たちは次々と海外に生活の場を移し、現地の外国企業に就職しているという。
外務省の海外在留邦人数調査統計(平成24年速報版・平成23年10月1日現在)によると、海外に生活の本拠を移した日本人(永住者)数は前年調査から約1万5000人増の39万9907人。
また、3ヵ月以上海外に長期滞在する日本人の総数は78万2650人で、1年間で2万3862人増加している。平成23年の調査では前年からわずか540人増だったのと比較すれば、海外に出る日本人が急増していることが分かるだろう。
何を隠そう、本誌記者の中学・高校の同窓生だけでも、すでに5人が、この2年間に日本を離れ、生活の拠点を海外に移している。
そのひとり、冒頭のメールの送り主である30歳独身女性は、福島第一原発事故後の'11年4月、単身オーストラリアに移住した。
そろばんの有段者で、十数桁の掛け算も暗算でこなす天才肌の彼女は、名門私立大学の法学部を卒業後、社会人生活を経て、ロースクール(法科大学院)に進学。'10年に卒業したばかりだった。
法曹界入りを目前にしたエリートが、なぜすべてを捨てて移住を選んだのか。メールで理由を問うた。
『法律を勉強してきたのは国民の生命や財産を守る仕事につきたいと思ったから。でも原発事故への対応を見ていると、そもそもこの国は、それらを大切にしていない。全部、虚しくなった』
両親や兄弟にも海外に出ようと呼びかけたが、反応は鈍かったという。『それなら仕方ない。あの人たちが選んだ道だから』
『日本を捨てていくのかと非難する人もいるけど、それも仕方ない。私はもう日本を信じられない』
彼女のなかにあるのは、日本社会への激しい不信感だ。だが取材を進めると、若者が日本を離れる理由には、さまざまなものがあることが分かってきた。
長期滞在する邦人数が世界第1位(24万1910人)の米国。'11年秋、高野ゆきさん(30歳・仮名)は夫(30歳)とともに、自動車産業で知られる都市・デトロイトに近いミシガン州の大学町に移り住んだ。
白百合女子大学在学中に知り合った夫は東京大学を卒業、大手証券会社に就職。ゆきさん自身も大手銀行に入行、25歳での結婚後も仕事を続けた。1年後には5000万円台のマンションを夫のローンで購入。人並み以上の幸せに、生活への不満は何ひとつなかった。
「でも、子供はどうしようかなどと将来設計を夫と考えるようになって気がついたんです。『どうもこの先、日本にいても人生で起こることは見えているね』と」
エリートのレールに乗った瞬間、夫は会社での出世競争、妻には家事・子育てという日本的な将来像が現実味を持って迫ってきた。老後の暮らしまで想像できてしまう社会の無味乾燥さに、脱力したという。
「なんてつまらない国なんだろう。私たちはもっといろんな経験をしたいし、将来、生まれる子供にも自由に生きてほしいと思った」
夫は米国への社費留学に応募。F-1と呼ばれる学生ビザを取得し、MBAの資格取得を目指して大学のビジネス・スクールに通うこととなった。卒業後は1年間の実地訓練(プラクティカル・トレーニング)での滞在を申請でき、その間に現地企業に転職して就労ビザ(H‐1B)の取得を目指すことができる。だがこの計画はもちろん、夫婦だけの秘密だ。
明確に成功への野心を持って海外進出する若者もいる。長期滞在邦人数が世界第2位(13万8829人)の中国。その首都・北京で7年前、わずか26歳で起業したのが、北京ログラス有限公司総経理(CEO)の山本達郎氏(32歳)だ。
●永住する覚悟はない
「慶応大学に入学した頃は弁護士になりたいと思っていました。しかしバイトで勤めた学習塾が、授業料は高いのにバイト代が安かった。これなら自分で経営したほうがいいと思い、友人たちと塾を開いた。それが想像以上にうまくいった」
ビジネスへの興味をかき立てられた山本氏は、ベンチャーを研究する勉強会などに参加。仲間たちとアジアや中国各地を訪問し、ビジネス環境を見て回った。語学と経営の勉強のため、米国と中国にも留学した。
「ビジネスをやるからには成長する市場で成長する分野の事業をやりたかった。それで、中国でインターネット関連の事業を起こそうと考えたんです」
外国人が中国で起業するのは手続きが煩雑な上、当時は開業時に約100万元(約1500万円)を用意しなければならなかった。
そこで留学時代の中国の友人名義で会社を設立してもらった。手続きが簡素で、準備する資金も半額(約750万円)で済んだからだ。これには学生時代に経営していた塾の経営権を売却した資金と、家族や友人からの出資金を当てた。
中国に渡ることに、両親はさして反対しなかった。
「弁護士からベンチャーに進路を変えるときのほうが抵抗は大きかったですね」
日本語・中国語・英語に対応できる企業は'06年の起業当時は少なく、無印良品やキューピーなど大手企業のホームページ作成などを受注。ネット広告やネットショップの開設・運営支援などにも進出して業績を伸ばし、若手企業家として中国のビジネス誌やテレビ番組でコメントするまでになっている。
「でも、このまま中国に骨をうずめる覚悟、という感じではありませんね。結婚もこれからですが、ご縁があれば中国人でも日本人でもこだわりはありません。世界のどこにいてもボーダーレスというか、国の違いはあまり関係ないかなというのが正直なところです」
一方、日本でやりたい仕事を定められずにいるうち、いつの間にか中国に辿り着いた若者もいる。昨年末、北京に渡った鈴木友樹さん(仮名・32歳)はこう話す。
「あの、私はどうも、日本の企業文化というか社会の堅苦しい感じがしっくりこなかったんですね。国内でも何回か転職しているんですが、内定をいただいても本当にそこが自分に合うのか、考えてしまったりして・・・・・・。悩んでいたとき、転職サイトで中国で働くという中国企業の募集を見つけまして、なるほど、そういう方法もあるのか、と」
●世界で就職活動する
東洋大学国際地域学部を卒業していたが、在学中とくに海外ビジネスを勉強していたわけではない。英語も人並み、中国語はまったくできない状態だったが、「日本語だけできればいい」という募集条件だったため、応募。業務内容は世界で展開する中国系旅行代理店の、日本人顧客からの問い合わせに応対するコールセンター勤務だった。
「まだ研修期間なので、取得しやすい30日間の観光ビザで入っています。あとで会社が就労ビザを取ってくれるはずです。ただ就労ビザを取れるまでの滞在延長に銀行の残高証明がいるんですね。2万元、日本円で30万円弱ですが、会社から事前のアナウンスがなく困りました。こちらで家を借りると、敷金はすべて現金払い。それで手持ちの現金がなくなって。たまたま中国に来る用事のあった知人に頼んで用立ててもらいました」
日本には、お互い結婚も意識している20代の恋人がおり、彼女も中国に来ることを考えているという。結婚し、配偶者としてビザを申請するのかと問うと、
「うーん、まだそこまではっきりしていないので。語学留学のような形になるのかなあと・・・・・・」
ゾウやキリンが闊歩する広大なアフリカの大地。ケニアの首都ナイロビで現地の旅行会社に勤める31歳の女性は、都内の有名私立大学卒業後、日本でOL生活をしていたという。
「日本には会社員があんなに多いんだから、会社員というのはやはり面白いのに違いない。そう思って就職したんです。それなりに毎日楽しかったんですが、別にこの生活がずっと続いてほしいとは思えなかった」
何となく会社を辞め、乳牛の牧場で働くなど気の向くまま職を転々としながら、子供の頃、親の仕事の都合で3年間住んだケニアにたびたび旅行するようになった。当初、働くつもりはなかったが、知人から現在の仕事のオファーを受け、そのまま居ついてしまった。
「治安も悪いし、役所や銀行もいい加減。でも日本がしっかりしているということは逆に自分もピシッとしていなければならない。働く分にはここは楽ですね」
ビザの面で有利になるので、ケニア人との結婚も考えた。だが戸籍制度のないケニアでは、庶民は法律上の結婚など滅多にしない。法的な手続きをすること自体が面倒らしく、なかなか相手は見つからなかった。
しかも、ケニアでは男の浮気は当たり前。収入が多い日本人は結婚に際して、相手の一族や浮気相手、浮気相手の子供など100人の面倒を見る覚悟が必要だと知って断念した。
「日本を捨てたつもりはないんですよ。この先どうなるかとか、あまり考えはありません。日本にもケニアにも友人がいるので、どちらかを選ばなければならないとしたら悲しいですね」
日本に絶望するエリート、野心的な企業家、そして日本社会に馴染めなかった若者たち。具体的な理由はバラバラでも、彼らに共通するのは、日本の現状への強い違和感と言えるだろう。
この状況を識者たちはどう考えているのだろうか。
教育評論家で法政大学教授の尾木直樹氏は、この1~2年、海外での就職を目指す学生が急増していると肌で感じているという。
「世界で就職活動をする、『セカ就』が当たり前になってきています。30~40代の先輩たちが、大卒でも非正規雇用で、周囲の空気を読みながら生活していることも大きな要因ですが、目の前にある就職戦線の状況が最大の原因でしょう」
尾木氏は'11年度にパナソニックが新規採用の80%を外国、主にアジアからの若者にする方針を採ったことが象徴的だという。
「世界展開するような大企業はグローバル化を掲げている。そうした企業の'13年の採用では75%が外国の若者になる可能性があるといいます。東大、京大のようなブランド大学の学生でも必死です。まして中堅以下の大学にいる学生には状況は非常に過酷です」
企業側が海外からの雇用に傾く以上、若者が海外に働き口を求めることは必然だと尾木氏は言う。
「そもそも、日本は先進国のなかでも突出して、外国企業に就職する若者が少なかった国なのです。グローバル化と情報化のなかにあって、島国的状況というか、20年前から世界の孤児だった。いいも悪いもなく、これから日本の若者は海外に出ざるを得ないのです」
淑徳大学非常勤講師で、海外で働く日本人女性の姿を紹介するサイト『なでしこVoice』を運営する濱田真里氏はこう話す。
「海外で活躍する若い女性のなかには、学生時代やOL時代に旅行したアジアなどの途上国の熱気に憧れたという人が多いですね。
さらに、現地に行ってみると、日本人コミュニティでの助け合いがしっかりしている。いま、日本本国では失われたコミュニティの結びつきがあって、却って人の温かさを感じる。
日本を捨てるのかと言う人もいるでしょうが、海外にいる日本人のほうが日本の現状には真剣な危機感を抱いていますね。先行きも見えないのに、ただただ毎日深夜まで働いて、体を壊して・・・・・・。そんな社会で大丈夫なのか、と感じている人が多いと思います」
一方、思想家の内田樹氏は、若者たちが本当に海外で実力を発揮できるかには疑問が残る、と指摘する。
「若者たちの海外就業は、企業のグローバル化と、若年労働者の雇用環境が底なしの劣化を続けている現状に対する、ひとつの適応のかたちだと思います。その限りでは合理的な判断だと言えるでしょう」
ただし、海外進出は年齢や学歴がかなり限定された一部の集団内での徴候で、若者全体に拡がることはないのではと感じるという。
●日本で頑張るという選択
「国内にも、条件は悪くともやりがいのある職業がまだ探せばいくらでもあります。それに、労働者のパフォーマンスは、帰属する社会に対する忠誠心を大きな駆動力にするのです。
私たちはしばしば『日本の未来のために』といった集団的な目標を持つときに『火事場の馬鹿力』を発揮します。海外の職場でも、現地での集団的な目標が駆動力になりえますが、はたして現地社会にどこまで強い帰属感情を持ち続けられるか。海外に出る決断をする前に、それを吟味しておいたほうがいい」(内田氏)
では若者が海外に出て行ってしまう日本に未来はあるのか。政治や経済を多角的に論じる哲学者で、フランス生活の経験もある津田塾大学国際関係学科准教授の萱野稔人氏はこう語る。
「若者の雇用を考えるフォーラムなどに出ると、必ず『財政破綻の恐れもあるし年金も払い損になりそう。もう日本を捨てて海外に出たらどうでしょうか』という質問を受けるんです。
しかし、海外で日本人が就ける仕事は日系企業の現地採用や日本人観光客相手の商売などが大半。日常生活でも日本人の仲間とつるんでいく。結局は日本との間で循環するお金で生活し、精神的にも言語的にも日本文化に頼って暮らしていくのです。本当に日本と縁を切って生きていくことなど、まずできない。
そう考えれば、若者の海外進出で日本という国の形が解けて崩壊してしまうとは思いません。日本経済へのダメージも少ないでしょう。
海外がいろいろと魅力的なことは確かですが、私は先ほどのような質問に対して、『結局は日本経済と一蓮托生なのだから、海外で頑張るくらいなら、日本で頑張ってみたら』と答えていますよ」
若者たちの行動は、日本をいかに変えていくのか。変化の波は確実に、足元まで迫っている。
「週刊現代」2013年2月2日号より
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34644