闇株新聞
2013年04月26日
いよいよカジノ解禁 その前に肝に銘じておくこと
政府が6月に取りまとめる新成長戦略の目玉として、いよいよカジノ解禁に踏み切るようです。
4月24日カジノ合法化と観光産業の誘致を議論する超党派の「国際観光産業振興議員連盟(通称・カジノ議連)」が自民党政権復帰後初めての総会を開き、今秋の臨時国会でカジノ合法化法案を議員立法で提出し、早期の成立を目指すことで合意しました。
安倍政権の経済政策の3本目の矢である「新たな分野での経済活動の活性化」と位置付け、収益金の一部を東日本大震災の復興資金の一部として還元するなど、いろいろな理屈をつけて「一気呵成に押し込んでしまおう」ということのようです。
カジノ議連は超党派で140人もの国会議員がいるのですが、議連会長に自民党の細田博之幹事長代行、最高顧問に安倍総裁と麻生副総裁のほかに石原慎太郎・日本維新の会共同代表、小沢一郎・生活の党代表と、「大物がキラ星のごとく」並びました。
こうなるのは「おそらく日本で最後の巨大利権」であり、海外のカジノ家運営会社、国内のゲーム機製造会社、ゼネコン・ホテル、それに反対勢力と言われるパチンコ・警察などが、「それぞれの思惑」をもって群がってきているからです。
カジノ産業の売り上げは、ホテル・ショッピングなどすべてひっくるめると、現在ではマカオ(澳門)が年間2兆円、ラスベガスが6000億円と言われていますが、正確なところはわかりません。
カジノの解禁には、もちろん総論としては大賛成です。
しかし最重要(つまり最も収益性の高い)のカジノ運営は、日本人のノウハウではとても太刀打ちできないもので、また既に世界の大手カジノ運営会社の寡占状態となっています。
また日本国内でも「それぞれの思惑」が群がってくるため、全体としての交通整理がなかなかできず、気がついたら収益の大半が海外に消え、日本の経済発展と日本人の資産形成になんら貢献しないことも考えられます。
パチンコで日本人の資産が形成されていないことと同じです。
カジノはパチンコの比ではない成熟し寡占化した「怖い」産業なのです。
「怖い」というのはマフィアが出てくるからではありません。実は全く逆で、世界のカジノを牛耳っている「胴元」は米国政府と中国政府であり、実働部隊はそこから「営業ライセンスを得ている」大手のカジノ運営会社です。
これだけだと「何を言っている?」となるので、出来るだけ分かりやすく説明します。
世界最大のカジノであるマカオ(澳門)の「胴元」は中国政府です。「胴元」である中国政府から「営業ライセンスを得ている」カジノ運営会社は、マカオのカジノ王・スタンレー・ホー(92才)率いる澳門旅遊娯楽、香港のギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽集団)、それに米国資本でウクライナ系のシェルドン・アデルソン率いるサンズ、ステーブ・ウィン率いるウィン・リゾーツ、カーク・カーコリアン(95才)率いるMGMの5社です。
この5社が、そのまま世界のカジノ運営会社の大手5社です。たとえばマカオでほかの会社がカジノ付ホテルを建設したとしても、そのカジノの運営(つまり最も収益性の高いところ)は、この5社のどこかに委託しなければなりません。
日本のユニバーサルエンターテインメントが、フィリピン政府からカジノ施設建設と運営を許可されていたのですが、出資していた米国大手のウィン・リゾーツとは別に単独でフィリピン政府に働きかけて許可されたものでした。
それを快く思わなかったウィンが、ユニバーサルエンターテインメントが3000万ドルの裏金を当時のフィリピン当局に提供していたと「難癖」を付けたのですが、何と米国政府機関でカジノライセンスを司るGCB(ゲーミング・コントロール・ボード)やFBIがあっという間に調査に乗り出し、計画そのものが宙に浮いてしまいました。
「胴元」である米国政府としては、人口も多くカジノの有望市場であるフィリピンに、米国のカジノ運営会社を差し置いて日本企業が単独で進出するなど「あってはならない話」だったのです。
ほんの一例ですが、そんな「怖い」巨大産業であることを忘れてはならないのです。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-750.html
◆日本の自衛隊の使用する主力戦闘機はF16等、米国製で占められている。
こうした状況に対し、三菱等を中心に、かねてから日本独自の戦闘機を生産しようと言う動きがある。
日本のハイテク技術を生かせば、米国製より質の良い戦闘機が作れるとする、日本の航空機メーカーの自負もあり、
また専守防衛の日本の自衛隊には、長距離を飛行できる米国製戦闘機は必要が無い。
F16より燃料タンクが小さく機体の軽量化を計りながら、そこに金属を使わず、日本のカーボン技術を使った超軽量の機体を組み合わせ、機動性=戦闘能力を高め、軽量化した重量分のミサイルをF16より多く積むといった新しいプランが、日本には豊富に存在した。
しかし、この日本の独自戦闘機プランに対し、アメリカ政府は、日本が「米国離れし、独自の軍事路線を歩む」として、
技術大国日本がアメリカの敵国になる「端序」となるとして、猛烈な反対があり、過去、実現されて来なかった。
アメリカの本音は、「アメリカの高価な戦闘機を多数、購入してくれる日本が居なくなれば、収入が激減し軍事産業が困る」と言うものであった。
この「日本・独自産業」叩き潰しに動いた、対日強硬派が、現在の、バイデン副大統領と、アル・ゴアであった。
しかし現在日本は、無人飛行機や国産ジェット機の開発が盛んに行われている。
◆2012年10月7日付朝日新聞社説
「中国の日系企業は2万2千社を超す。ユーロ危機や人件費の上昇で欧米勢が対中投資を減らすなか、日本は中国への積極的な投資を続けてきた。
これが中国経済の鈍化を和らげ、ひいては日本の成長にも寄与する。そんな期待がかかる矢先の尖閣問題だった」
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対外直接投資の利益は日本人とは無関係である。雇用が生まれるのは投資先の外国であって、日本で雇用は生まれない。むしろ、空洞化が進み、日本での雇用は減っていく。
さらに日本企業について言えば、「中国企業が国内利益を海外に再投資する一方、大半の日本企業は中国での利益を再投資しており、中国経済に役立っている」 というのがげんじつである。
日本企業がいくら中国で投資を増やしても、日本経済にはまったく関係がないどころか、日本における投資機会が失われていくだけである。
日本国の国益を重視するなら、「尖閣国有化で暴動を起こしたのは中国だけ。アジアでもチャイナリスクは突出している。日本企業を含むグローバル企業は、安全で勤勉な日本国にどんどん投資してください」と主張するべきだろう。
最近は「官民一体」などと銘打って、貴重な税金を使ってグローバル化した日本企業による対外直接投資を支援する動きが活発だが、これも日本人に対する裏切りと言える(同時に自由経済も損なう)。そうではなく、地道に規制改革や税制改革、教育改革を進め、対日直接投資を増やし、雇用を創出していくことこそが、日本政府の役割であり、日本のマスメディアの使命のはずだ。
◆外資ばかりが儲ける日本市場 その環境を整えたのは金融当局
NEWSポストセブン 2013.04.02 07:00
野田佳彦前首相が解散宣言をした昨年の11月14日から始まった日本市場の上昇相場。その11月第2週から外国人投資家は買い越しに転じている。それから一度も売り越しになることなく、徹底して買い越し続け、3月中旬までの累計買越額はおよそ6兆円に達した。
莫大な利益を上げた彼らは、すでにいかに売り逃げるかの出口戦略を練り始めているという。そうなれば、これからまだ株は上がると信じて買い始めた国内の投資家は痛手を負うことになる。
なぜ日本の証券市場なのに外資ばかりが儲けて、国内投資家は損をしなければならないのか。実は、そうした環境を整えているのは日本の金融当局なのだから開いた口がふさがらない。
金融庁は3月7日、株の空売り規制の緩和を今年11月をめどに行なうと発表した。その目玉は全面禁止していた市場価格以下の値段での空売り注文を緩和し、米国と同様に一部、市場価格より低い値でも空売りができるようにすることだ。
それによって空売りしやすくなるのはもちろん、株価急落時には下落に拍車がかかることになった。
「その規制緩和は外資マネーを呼び込んで好景気を演出したい安倍政権の方針だ。欧米金融当局の要請ともいわれているが、どちらかというと日本がすり寄っていったという見方のほうが正しい。何としても株価を上げたい黒田東彦・新日銀総裁の就任祝いでもある」(金融庁OB)
また、今年の1月から個人投資家の信用取引の証拠金規制が緩和され、実質的に無制限で取引できるようになった。それによって個人投資家の取引量は劇的に増えたが、その緩和も空売りを助長するものだ。
ネット証券大手などは、個人投資家から保有する株式を預かって、貸株料を支払うサービスを行なっている。そして、その預かった株は外資系金融機関などにまた貸しされる。外資が借りる大きな目的の1つは、空売りを仕掛けるためだ。
「寄り付き前に外資系証券から貸株の打診があった際、結果的に暴落銘柄の空売りに利用されたことが後でわかるケースが多い」(大手ネット証券関係者)
だが、ちょっと待ってほしい。空売りをしやすい制度にして、喜ぶのは一体誰なのか。「金融」とは本来、成長を目指す企業に資金を提供したり、家を買うまとまったお金のない国民に購入資金を貸したりして、社会全体が豊かになるためにカネを回す仕組みである。その目的において空売りなど不要だ。必要としているのは、金融という仕組み自体で儲けている人たちだけではないか。
経済ジャーナリストの小泉深氏が怒る。
「空売り規制を緩和するなら、せめて利益確定の際の税率を引き上げるなどの策も合わせて講じないと、金融マフィアだけを儲けさせることになる。そして、結局は中小型銘柄である成長企業には資金は回っていかず、実体経済の上昇には結びつかない。
安倍政権は外資系金融に利益を根こそぎ持っていかれることがわかっているのに、目の前の好景気を演出したいがために規制緩和しているとしか見えない。一体、誰のための緩和なのかと強くいいたい」
※週刊ポスト2013年4月12日号
http://www.news-postseven.com/archives/20130402_179904.html
『利』の為には国の誇りも信用も、国民の幸せすら踏みにじる支那共産党。
中華民国が戦勝国として「サンフランシスコ講和条約」にサインした。
吉田茂は米国から中国共産党を承認するなという要請を受けて、それを誓約した上で講和条約を締結している。
それをいつの間にか、米国と中国共産党が結託してすり替えてしまった。
しかも、今、支那がその時の条約を無視してアジアの覇権を主張し侵略しているのに、米国は各国の主権を認めず勝手にやれと逃げている。
問題を複雑にしているのは特亜だけが原因ではない。米国こそがその一端を担う当事者である。
米国も支那共産党と同様に、己の『利』のみでしか動かない。
◆『米国は尖閣諸島の潜在主権を認めていない。』
【佐藤優の地球を斬る】尖閣主権 米国に承認させる努力を
1月18日(日本時間19日)に、ワシントンで岸田文雄外相とヒラリー・クリントン米国務長官が会談した。19日のMSN産経ニュースは、<クリントン長官は沖縄県・尖閣諸島をめぐって、中国が公船や軍用機による領海侵犯など挑発行為を活発化させていることについて、「日本の安全を脅かすいかなる一方的な行為にも反対する」との考えを表明し、岸田外相は米国の姿勢を評価した。
(中略)クリントン長官は、「日本の施政権下にある尖閣諸島が、米国による日本防衛義務を定めた日米安保条約の適用対象である」と重ねて強調。米政府として、中国の挑発行為に反対する姿勢を初めて明確に示した>と報じた。
外務省は、クリントン長官発言を最大限に活用して、尖閣問題に関し、米国が一歩踏み込んで日本寄りの姿勢を示したという印象を世論に焼き付けようと腐心している。しかし、「尖閣諸島に対する日本の施政権を維持する」という内容が、「レッドライン」になることは日本にとって不利だ。日本にとって重要なのは、尖閣諸島の主権が日本に帰属することを国際社会に承認させることだ。
■中立的立場を取る現状
復帰前の沖縄は米国施政権下に置かれていた。沖縄では米ドルが流通し、裁判権も米軍政府が握っていた。しかし、沖縄が米国領になったわけではない。潜在主権は日本に属していた。
図式的に整理すると完全な主権は、潜在主権と施政権によって構成される。米国が尖閣諸島に対する日本の施政権をどれだけ強く支持しても、肝心の主権(もしくは潜在主権)について中立的立場を取っているという現状は、今回の日米外相会談によっても小指の先程も変化していない。
外務省が日米同盟を本気で深化させようと考えているならば「尖閣諸島の主権は日本に属する」というわが国の立場を米国に明示的に認めさせる外交努力をするべきだ。
日本の施政権に手をつけないことが米国の「レッドライン」であるとの認識を中国が抱くと、今後、面倒なことが起きる。
尖閣諸島の帰属に関し、米国が日本の施政権しか明示的に承認していない現状では、中国の宣伝に付け入る隙を与えてしまう。
中国は尖閣諸島をめぐる歴史解釈を装った宣伝攻勢を一層強める。そして、「『釣魚島及其附属島嶼』(尖閣諸島に対する中国側の呼称)は、日本の施政権下に置かれているが、潜在主権は中国にある。米国も中国の立場に十分配慮している」という論理で、国際世論を説得しようとする。
■強まる中国の宣伝攻勢
どうも河相周夫外務事務次官の指導下にある外務省は、尖閣諸島に対する日本の立場を米国に認めさせることを初めからあきらめてしまっているようだ。
外務省は極めて政治的な役所だ。民主党政権時代に、当時の権力者にすり寄ることで登用された一部の外務省幹部が、自公政権になって日米同盟が深化しているという「政策広報」、よりはっきり言うならば「情報操作」を行うことで、自らの生き残りを画策している。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/625606/
郵政宿舎跡地、港区南麻布4丁目5-28、7の土地5677㎡(約1700坪)を中国大使館へ売却した文字通りの売国奴国家公務員共済組合連合会(KKR)の天下り役員
理事長 尾原榮夫 (財務省)
専務理事 日野康臣 (財務省)
常務理事 小林誠一 (防衛庁)
常務理事 丸田和夫 (厚生労働省)
◆医療崩壊
日本医師会も農協と同じで、既得権を死守しようとする集団であり、国のかたちを変革し時代に適応しようとするムーブメントに逆行する存在として筆者はつねに批判的に書いてきたが、下手をすれば世界に誇る国民皆保険制度が崩壊するのではないかという危惧においては、同感である。
そもそも昨今の「医療崩壊」といわれる状況をつくり出した元凶は、小泉政権の米国追随、新自由主義的政策による医療制度改革といっていいだろう。
小泉政権は2003年からサラリーマンの医療費自己負担率を2割から3割に引き上げ、算定方式も月収ベースから賞与込みの年収ベースに変更した。そして、06年には高額療養費の自己負担限度額を引き上げた。
その一方で、小泉政権は病院や開業医に対する診療報酬を大幅に引き下げたため、地方の病院を中心に経営が急速に悪化、閉院が相次いだ。同時に断行された臨床医研修制度改革により、従来は大学の医局によって配属先の病院を決められていた研修医が自由に病院を選択できるようになった。
結果として、大都市圏の先端医療設備を有する病院に若手医師が集中し、地方の大学病院や公立病院では医師不足が社会問題化した。
その影響で医療現場は過酷さを極め、医療訴訟の増加で産科、小児科、脳外科医の医師たちが現場から立ち去るケースが目立ち始めた。
医師の偏在により、大都市と地方の医療格差が広がり、エスカレートする人手不足によってますます医療ミスが起きやすくなるという悪循環を招いている。
このうえに、米国が要求する株式会社の医療参入、混合診療の解禁を認めたら、国民がほぼ同水準の医療の恩恵に浴し、かろうじて保ってきた社会の安定はそれこそ一気に崩れ落ちる危険性がある。
小泉ー竹中改革が、米国から毎年突きつけられる年次改革要望書に沿って行われ、その代表例が郵政民営化であったことは今や多くの国民が知るところとなった。
郵政民営化で特に狙われたのが簡保であり、米政府、議会の背後で強力なロビー活動をしていたのが米保険業界であった。
高齢者を中心に患者の治療費自己負担率を引き上げることに力点が置かれた小泉医療改革において、もっともその実現を渇望していたのが米保険業界だったことは明らかだ。
小泉首相直属の規制改革・民間開放推進会議の理論構築を担っていた八代尚宏は著書「規制改革」のなかで、「患者の自己負担率が高まれば…自己負担分をカバーするための民間保険が登場する」と書いている。
米国の病院ビジネスから見ると、高所得者の多い日本は魅力的な市場だが、いまの制度のままでは儲からない。
そこで当然、米国は株式会社の参入とともに、日本で禁止されている混合診療の解禁を求めてくることは疑いようがない。
混合診療とは、保険の適用範囲分は健康保険で賄い、範囲外の分を患者自身が支払うシステムだ。
日本の現行の制度では、保険適用の一般的な診療か、適用外の自由診療かの、どちらかしかない。もし、患者から保険適用外の費用を徴収する場合は、初診にさかのぼり全てを自由診療として、全額患者負担としなければならない。
もともと小泉規制改革で持ち上がった混合診療には、保険外診療の枠を広げる、すなわち患者の自己負担を拡大して、国の負担を大幅に減らそうという魂胆があった。しかし、それは日本の財政問題であると同時に、米国の医療、保険業界の狙いとも一致していた。
株式会社が病院を経営するというだけなら、形式的に非営利というだけの医療法人の場合と、儲けの度合いにおいてはさしたる変わりはない。
問題は混合診療であり、それが認められてこそ、高所得者向けの医療に特化することができる。米国の思惑はそこにある。
逆に、金持ちを除く日本国民からみれば、混合診療の解禁により、政府が財政難を理由に、保険給付範囲の線引きを見直すのではないかという不安がある。
今は健康保険で賄っている医療費までも、「保険外」となるかもしれず、おカネのない人は、ある人に比べて受けられる医療が著しく制限される可能性がある。
従来から米国は日本政府に次のような要求をしてきている。
「病院経営に対する株式会社の参入拡大が必要だ。構造改革特区制度で株式会社の参入が可能となっているが、その範囲は非常に限定的であり、実施の条件を緩和し、日本の構造改革特区制度を一層拡大するよう提言する」「混合診療の解禁、ドラッグラグの縮小などを求める」…。
混合診療、株式会社の参入、ドラッグラグの縮小。これらの要求から、米国の医療、保険、製薬業界などから米議会、政府を通して働きかけられる強い対日圧力が伝わってくる。
さてここで米側要求に頻繁に出てくる「構造改革特区」について説明するために、もう一人の重要人物に登場願わなければならない。橋本内閣から小泉内閣にかけ約10年間にわたりこの国の規制改革の推進役を担ってきたオリックスの総帥、宮内義彦だ。
04年10月、小泉政権が構造改革の一環として成立させた改正構造改革特区法が施行され、神奈川県は05年5月に株式会社が病院を開設できるよう特区を申請した。
そして誕生したのが高度美容医療を専門とする「セルポートクリニック横浜」という病院で、それを経営する(株)バイオマスターという医療ベンチャーには、オリックスや三菱UFJ、日本生命の投資会社が主要株主として名を連ねている。
ただし、混合診療は特区でも認められておらず、このクリニックの業務は、先端技術を駆使した乳房再生やシワ取りなど自由診療分野に限定されている。
その意味では、宮内にとって十分満足できるほどではなかったにせよ、株式会社医療機関が開業できる特区の設置は、一歩前進ではあっただろう。
同時に、オリックス生命という保険会社を持ち、高額医療機器のリースなどを手がける宮内が、利害関係者でありながら国の規制緩和を推進する旗頭としての役割を同時に担っていたというのは、国民からみて胡散臭さが漂っていたことも確かである。
ところで、宮内がオリックス(前身はオリエントリース)を単なるリース会社から総合金融企業グループに成長させた原動力、M&Aはいうまでもなく米国仕込みの手法である。大が小を食ってより大きくなってゆく、マネー競争社会を絵に描いたような巨大化のプロセスは、オリックスの歩みそのものでもあった。
そういえば、「医療の質も金次第」と米国医療を評していた医師がいる。岩田健太郎。現在、神戸大教授だが、かつて米国で働いていたころに見聞した米国医療の実態を「悪魔の味方ー米国医療の現場からー」という一冊にまとめている。
米国は、公的医療保険が高齢者と貧困層にしか適用されず、それがカバーできる範囲も制限だらけである。その他の人々は民間保険に加入することになるが、おカネがなくて無保険状態の人が約4600万人に達しているのが現実だ。
◆ 外交とは戦争の一手段、命がけの使命感が必要である
日本の外務省はなぜかくも劣化してしまったのか
杉原誠四郎『外務省の罪を問う』(自由社)
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外務省を「害務省」と揶揄する向きが多い。
評者に言わしめれば、外務省は国益を追求する交渉ごとよりも省益丸出しで行動する「エリートもどき」の集まり。だから省改革は、外務省の全員を一度、防衛省へ出向させ、すくなくとも半年、軍事訓練を受けない限り高級職にはあたらせないとすれば良い。防衛の現場を体得すれば、多少は国益というものが分かるだろうというのが持論である。
外務省は英語でミニストリー・オブ・フォーリン・アフェアーズ(Ministry offoreign affairs)だが、これはミニストリー・オブ・フォーリン・あほヤーズと変えた方が良いのではないか?
本書はそういうアホヤーズが過去にどれほど国益を損ない、むしろ外国に奉仕し、自らの失敗を省内でかばいあい、誤魔化し、マスコミの追求をはぐらかし、ほかに責任をなすりつけてきたかを抉った力作評論である。
日本を駄目にした元凶は、この役所でもあったのだ。
杉原氏は吉田茂を糾弾するところから本編を始めるが、真珠湾攻撃の最後通告翻訳を職務怠慢で遅らせて届けるという大失態を演じ、結果的に日本がだまし討ちをしたという印象を世界に与えた「国賊」たちが、戦後、責任をまったく追及されなかった経過を検証することにより、この隠蔽体質、無責任体制は、その後の省をあげてのODAの本質隠蔽に繋がったと言う。
ペルー大使公邸における人質事件はフジモリ大統領の決断で武装強盗ゲリラ集団を退治したが、あのときペルー大使の青木某は、橋本首相の写真をもって記者会見に臨んだ。バカ丸出しである。
特命全権大使とは天皇陛下の名代であって首相の代理ではないという認識がないのだ。しかし、この青木某は処分されるわけでもなく、そのごアフリカの某国大使として赴任した。
真珠湾だましうちの元凶となった当時の駐米大使は「わたしはなぜ自殺しなければならないのか。私は外交官である」という迷言を残した。
直接の責任者だった奥村一等書記官は、その後、吉田茂によって外務次官に任命され、勲一等を授与された。
その後も外務省からは加藤紘一、天木直人、孫崎亮などといったバカを量産した。
こうした例を杉原氏は克明に網羅し、本書は外務省がいかに国益を守らない国賊どもの集まりであるかを、痛快に、しかし深刻にえぐり出した。
http://melma.com/backnumber_45206_5771424/
◆経済をおかしくした根幹は自虐主義者の経済学者、メディア
経済の出鱈目を鼓吹してきた人々は多いが、保守の人々も経済の素養が不足するからだろうが、まんまと騙されてきた。
「自虐経済論者」とは、藤井裕久、竹中平蔵、白川芳明、藻谷浩介、米倉弘昌、長谷川慶太郎、辛坊治郎、藤巻健史の各氏で、かねてから彼らの主張は胡散臭いと多くが指摘してきたが、メディアが取り上げて批判することは滅多になかった。
かれらが言いつのってきたのは「財政が破綻する」「政府はデフォルトをやる(日本国債が債務不履行)」「国の借金で破綻する」「通貨の信任が崩壊する「国際的信用を失う」「土木事業はばらまき」「公共事業は悪」といった類いのもので、科学的実証からは遠く、データは揃わないか恣意的な、一方的なデータを作為的にならべての情報操作である。
そしてアベノミクスへの誹謗中傷となると「日本経済は破綻する」『右翼ナショナリスト』『危険きわまりない』『ハイパーインフレになる』などと根拠が希薄な言辞をならべ、過激な語彙を駆使して国民の心理を脅かしてきたのである。
その根幹にあるのは自虐思想、つまり歴史に自虐史観があるように、敗戦根性の染みこんだ発想から、とぼしき論理をつみあげて、日本が駄目になると繰り返すだけなのである。
いったい、真実は奈辺にあるか?
過去の日本の経済評論家の多くがソース主義、データ主義を取らず、印象論的な『日本経済破綻』の物語が日本社会に伝播していったため」、「破綻したくないならば、構造改革で抜本的に経済モデルを変えるしかないのです。さらには、緊縮財政である。消費税は30%にあげなければなりません」などと、ひたすら出鱈目を繰り返す。
しかし、我が国の国債は円建てである。つまり政府の借金は「子会社の日本銀行に借用証書(国債)を買い取らせることができる日本政府が、いかにして財政破綻などという状況に陥るのか」と基本の疑問に答えない。
グローバル、国際化、構造改革はバカの一つ覚えであり、ナショナル・アイデンティティを喪失することになると、日本から愛国心が消え、よろこぶのは米・中、欧州そして韓国であり、彼らの主張は基本的に国益に反する。
グローバル化けの象徴がTPPであり、これを推進する論客も政治家も財界人も、いつのまにか自虐思想の経済論客、評論観に洗脳されてしまったのである。
しかし国民の多くは騙されなかった。安倍政権の誕生を後押しした。
それは「国民主権国家である日本国においては、経団連や新古典派経済学者たちがどれだけ、暗躍し、くだらないレポートで情報操作を計ろうとも、最終的に『決断』を下すのは有権者たる国民であった。
三橋貴明『経済の自虐主義を排す』(小学館101新書)より