子どもの入院時の付き添い環境の改善を求める意見書(案)
昨年11~12月、病児とその家族を支援するNPO法人 キープ・ママ・スマイリングが全国の3643人から、853病院に関して得た調査回答によると、子どもの入院時、病院から付き添いの要請があったと答えた人は全体の約8割にのぼった。
付き添い入院は、厚生労働省の通知「子どもまたは知的障害のある患者の場合は、医師の許可を得て家族らが付き添うことは差し支えない」を根拠とするものが大多数であるが、制度上、付き添いは任意で、入院中の世話は本来、看護師らが担うものである。
また、看護師の不足や子どもの精神面に鑑み、病院が保護者に要請している実態もあり、そのため、親の希望にもとづいて、医師の許可を得たというかたちで、付き添い願い書を提出する事例も散見されている。
1988年5月合意のEACH(European Association for Children in Hospital)の病院のこども憲章においては、「親に付き添ってもらうことは、病気の子どもの権利であり、親に宿泊設備を提供することや付き添いのために経済的損失を被るべきではない」との明記があり、国際基準からみても、日本は環境整備が立ち遅れていると較量する。
よって、子どもの入院時の付き添い環境の改善に関わって、下記のとおり、強く要望する。
記
1.医療機関・行政・企業・NPO団体等が緊密に連携・協力し、子どもの入院時の付き添い環境の改善に向けた取り組みを多方面から推進すること。
2.小児医療関係者と緊密に連携し、医療機関における子どもの入院時の付き添いの実態把握を行ったうえで、医療現場での業務負担が増えている状況などもふまえ、次回の診療報酬改定にあわせて、看護師の業務をサポートする人材の配置などを検討していくこと。
3.子どもの入院時の付き添い環境の改善に向けた検討会を立ちあげること。また、検討にあたっては、小児患者・家族の意見をとりまとめて、代弁できる複数の当事者団体や子の権利・親の人権の観点から、意見を述べる第三者的な専門家を委員として参加させること。
令和5年 月 日
京都府京丹波町議会
提出先
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣
【追記】
9月議会中の教育福祉委員会で説明を行いましたが、継続審査となりました。事実上の棚上げにならないことを願います。