不用額について、改めて確認します。
不用という言葉からは、不要、すなわち、要らないという言葉を連想しがちですが、不用額とは、歳出予算の経費の金額のうち、結果として、使用する必要がなくなった額で、当該年度の歳出予算現額から支出済歳出額及び翌年度への繰越額を控除した残額のことを言います。
2023年度(令和5年度)決算では、一般会計で3億3557万1169円の不用額が発生し、その不用額が支出済歳出額(114億8849万6831円)に占める割合(不用率)は 2.92%となっています。
不用額が生じた背景や原因には、①予算の経済的、効率的な執行や経費の節約によるもの、②予算作成後の予見し難い事情の変更等によるもの、③予算上の見積りや想定が実情と合っていなかったものなどがあります。予算作成段階での予測困難性はあるにせよ、厳しい財政状況のなか、予算の見積りが可能な限り、精緻に行われ、適切に執行されていく必要があることは言うまでもありません。
決算審査では、不用額の多寡はもとより、毎年度、一定の割合で不用額が発生していることに着目し、その不用額が発生した状況や理由を的確に把握した上で分析し、問題点や改善すべき点をあぶり出していくことが求められており、それらを将来の予算編成や適正な予算執行に生かしていくことが重要です。
※ 予算は1000円単位、決算は1円単位なので、そういった面では、そもそも不用額は必然的に生じます。