タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

テミスの休息

2023年12月24日 | 読みました!見ました!

藤岡陽子さんの小説「テミスの休息(祥伝社)」を読了しました。藤岡さんの小説を読むのは、ボクにとって初めての経験でした。

「テミス」というのは、ギリシア神話で秩序や正義をつかさどる女神のこと。よくテレビドラマや映画に登場する「正義の女神:テミス像」は、右手に剣を持ち、左手には天秤を持っています。「剣」は力の象徴。裁判の力、法律の力ですね。「天秤」は正邪を測る正義の象徴。弁護士バッジにもついています(真ん中に天秤、周りにヒマワリの花)。公平の象徴です。

そうなんです。「テミス」っていうこの小説の題名にあるワードは、この小説の登場人物が弁護士や裁判官であることを示し、弁護士事務所や裁判所が小説の舞台になっていることを表します。


舞台は横浜市にある弁護士一人、事務員一人の小さな法律事務所。持ち込まれた案件に向き合う法律事務所の二人の奮闘、そして直面する問題を乗り越えようとする人々を描いた感動作。沢井涼子は一人息子の良平を引き取り、横浜・鶴見に居を構えて八年。離婚した夏、雑居ビルに楽しげに荷物を運び込む青年を見かけ、なぜか話してみたいと思った。それが弁護士・芳川有仁との出会いだった。開設された事務所に採用されて以来、誠実に最善を尽くす芳川のために頑張っている。今日もまた、苦しみを抱えた新たな依頼人が…。


まぁ、こんな感じの小説です。6つの短編小説の集合体でその1編1編は独立していますが、すべて芳川弁護士と沢井事務員のコンビが登場し、温かな雰囲気の中で事件や裁判に関与していきます。なんか「テレビドラマになりそうだな…」「キャストはこの俳優がいいな…」なんて思いながら読み進めました。

弁護士の芳川先生とバツイチ事務員の涼子さん二人で営む弁護士事務所。1つ1つはサクッと読める短編だけれど、全編を通して流れる温かさと切なさに引き込まれます。特に全編通じて出てくる労災認定裁判の行は、涙なしには語れません。小説に出てくる裁判は、すっきりしない裁判もあれば、身につまされるような裁判もあります。いろいろ考えさせられました。それに、二人の仲がこれからどうなるのかも気になるところです。ぜひ続編を読みたい小説です。

「おれはまだ走れるでしょうか」「走らない奴に誰もパスは出しませんよ」 という登場人物の言葉が、特にボクの心に残りました。そうだよね。


さてさて。今日は全国的にXmasイブでした。今日の午後はバイトだったのですが、夕方帰ってきたらクリスマスの料理が食卓に並んでいました。まぁジジとババのクリスマスに華はありませんが、それもまた人生です。Merry Xmas!

コメント (2)
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