昨日の卓球大会での昼食休憩時間のこと、かつての卓球仲間であるAくんが「八百政さん、お久しぶりです」と声をかけてくれました。Aくんはボクよりも20歳近く年下の後輩です。高校時代はインターハイにも出場経験のある名プレイヤーです。当たり障りのない世間話やこの日の卓球談義などをしながら、家族や年齢の話になりました。
八百政:子どもさんも大きくなったでしょう?
Aくん:中1と小3ですよ、早いものです。
八百政:Aくんはいくつになったんだっけ?
Aくん:今年4回目の年男、48です。
八百政:そうか、早いね。ちょうどボクもその年齢の頃に大きな病気をしたから、健康には気をつけろよ。
Aくん:えっ?そうなんですか?八百政さん、なんの病気に?
八百政:うん。人間ドックで悪いものが見つかってね。臓器を1つ取ったんだよ。
Aくん:そうだったんですか。実は家の妻も乳がんのステージ2が見つかったことがありましてね。
八百政:そりゃぁ大変だ。奥さんの病状はその後どうなの?
Aくん:三回忌も無事に済みまして、ようやく少し落ち着きました。
八百政:そりゃぁ大変だったね。お悔やみ申し上げます。知らずに失礼しました。
なんと!Aくんの奥さんが逝去されていたなんて、ちっとも知りませんでした。そう言えばここ数年、卓球大会でAくんの姿をあまり見なかったなぁ…と気づきました。それにしても若くして奥さんを亡くされ、父親として2人の子どもを育てているAくん。大変だろうなぁ…と思います。本人は「子どもが2人とも男の子なんで助かりましたよ」「女の子の性のこととか俺には無理ですもんね」なんて笑いながら言っていましたが、Aくんの寂しさや大変さはボクの想像以上だと思います。
ボクはなんと声をかけてよいのかも判断できず、とりあえずこんな言葉を発してしまいました。
八百政:そうか、大変だな。子どもさんたちも頑張っているんだろうね。Aくんも頑張れよ!
Aくん:八百政さんももう年なんだから健康には気をつけてくださいね。
そんなことでボクらの世間話は終了したのですが、ボクは時間が経つにしたがってこの時のことを大いに反省し続けています。あぁ、ボクはAくんになんて言葉を言ってしまったのでしょう。Aくんは奥さんを亡くし、子育てや家事に頑張って頑張って頑張り抜いているはず。そんなAくんに「頑張れよ!」と声を掛けてしまうとは。
「既に頑張っている人に『頑張れよ』と声をかけるのはNG」ってことを、現役時代に何度も学んできているのに、今回ポロッと自分の口をついて出てしまった「頑張れよ」の言葉。今は自分が発してしまった言葉を大いに恥じています。「頑張りすぎるなよ」「たまには息抜きしろよ」「誰かに助けてもらえよ」そんなニュアンスの言葉をかけるべきでした。今ならできるのに。
結局、ボクの思考回路が「頑張れ!頑張れ!」「頑張るのが正義で頑張らないのは悪」っていう価値観で凝り固まっているから、無意識に「頑張れよ」の言葉が出てしまったのでしょう。思考回路がアップデートされてないな。昭和だな。反省しきりです。まだまだ未熟な自分自身の姿をしっかり自覚し、これからも成長させていかなければならないと思いました。Aくん、ゴメンね。無理しすぎるなよ。また一緒に楽しく卓球をしようぜ!