ボクは63年前にこの世に生を受けてからから、大学時代の4年間と単身赴任生活時代を除くと人生のほぼすべてを、今生活している新潟県長岡市の郊外(いわゆる片田舎)に住んでいます。そのボクが物心ついた時からずっと、わが家の裏の竹林には竹が生えており、この時期には収穫したタケノコを賞味しているわけです。これって当たり前のように感じるけど、ある意味すごいことだな…と思います。
農家の人たちなんかも「先祖代々受け継いできた田んぼで米を作り続けている」って方がたくさんいらっしゃるんだろうけど、まさに「米と共に生きる」って感じですよね。ならばボクは「竹と共に生きる」って感じでしょうか?(笑)
そんな「竹と共に生きてきた」ボクは、毎年この時期にわが家の竹林の中で咲く可憐な花も見続けています。それがこれ、この花です。
白を基調とした花びらに紫や黄色が混じり、とてもキレイな花です。アップにするとこんな感じです。
ボクは子どもの頃に「花瓶にこの花を飾ったらキレイだろうな」と考えて、切り花にして家に持ち込んだことがあるのですが、すぐに「この花は切り花には向かない」ということを学習しました。花瓶に挿してもこの花はすぐに枯れてしまうっていうことを、幼い頃から経験して知識として身に付けたわけです。学校では教えてくれない知識ですよね。「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」という俳句がありますが、まさにこの句の通り。レンゲソウではないですけどね。
成人して随分経ってから、この花の名が「ヒメシャガ」だということを知りました。ヒメシャガは日本特産の多年草で、山地の森林にある岩場や急斜面に見られるそうです。草丈は低く、葉が薄くて光沢はなく、冬には地上部が枯れるようです。短く横に這う根茎があり、多数のひげ根が生えていて、初夏に葉の間から斜めに花茎を伸ばし、先端近くに数輪の花を咲かせます。
さっきネットで検索したら、このヒメシャガの株も通販サイトで取り引きされているんですね。確かに自宅の庭先でこの花が毎年咲いたらキレイでしょうね。だけどボクにとってやっぱりこの花は、今までもこれからも「竹林の中で咲く花」だと思います。