弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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30日前に予告すれば,社員を自由に解雇することができますよね?

2015-09-24 | 日記

30日前に予告すれば,社員を自由に解雇することができますよね?


 30日前の予告というのは,使用者が労働者を解雇 しようとする場合には,原則として,30日以上前に解雇の予告をするか,30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないこと(労基法20条)を念頭に置いている質問と思われますが,労基法20条は解雇予告等について定めた条文に過ぎず,同条を遵守したからといって直ちに解雇が有効になるものではありません。
 30日前に予告してから解雇したとしても,解雇に客観的に合理的な理由がなかったり,解雇が社会通念上相当でなかったりすれば,解雇権を濫用したものとして解雇は無効になります(労契法16条)。
 また,労働者が業務上負傷し,又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間の解雇,女性労働者の妊娠,出産,産前産後休業等を理由とする解雇,労働基準法違反の申告を監督機関にしたことを理由とする解雇,性別を理由とする解雇,不当労働行為の不利益取扱いとなる解雇,公益通報をしたことを理由とする解雇等,一定の場合については,法律上解雇が制限されており,これらに反する解雇は無効となります。



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解雇予告手当不払のリスクとしては,どのようなものが考えられますか?

2015-09-24 | 日記

解雇予告手当不払のリスクとしては,どのようなものが考えられますか?


 解雇 解雇した場合に解雇予告手当を支払わないことのリスクとしては,
 ① 30日分の平均賃金相当額の解雇予告手当の請求を受けるリスク
 ② 即時解雇としての効力が生じず,退職時期が最大30日経過後になるリスク
 ③ 訴訟において解雇予告手当と同額(以下)の付加金の支払(労基法114条)を判決で命じられるリスク
 ④ 刑事罰(労基法119条1号,6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)を受けるリスク
 ⑤ 上記①②③④に関連する交渉,訴訟,労基署(検察庁)対応の煩わしさ,弁護士費用等の負担
などが考えられます。



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解雇予告義務の適用がない労働者はいますか?

2015-09-24 | 日記

解雇予告義務の適用がない労働者はいますか?


 労基法21条では,解雇 予告義務の適用がない労働者として,
 ① 日々雇入れられる者
 ② 2か月以内の期間を定めて使用される者
 ③ 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者
 ④ 試の使用期間中の者
が規定されていますが,①については1か月を超えて引き続き使用されるに至った場合,②③については所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合,④については14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は解雇予告義務の適用があります。
 試用期間 中であれば解雇予告義務の適用はないと誤解されていることがありますが,試用期間中であっても14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は,解雇予告するか解雇予告手当を支払わなければなりません。



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解雇予告除外認定とはどのようなものですか?

2015-09-24 | 日記

解雇予告除外認定とはどのようなものですか?


 「天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇 する場合」(労基法20条1項ただし書)に該当する場合には,労働基準監督署長の解雇予告除外認定を得て,解雇予告又は解雇予告手当の支払なしに解雇することができます。
 解雇予告除外認定は,解雇の効力発生要件ではなく,認定申請及び認定決定の有無にかかわらず,「天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」に該当する場合は,予告手当の支払のない即時解雇も有効ですが,解雇予告除外認定の申請をせずに即時解雇した場合には,労基法20条違反として罰則(労基法119条1号)の適用があります。
 他方,解雇予告除外認定を受けたものの,訴訟において「天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」に該当しないと判断された場合は,罰則の適用はありませんが,即時解雇の効力は生じません。


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解雇予告手当は給料日に支払えばよろしいでしょうか?

2015-09-24 | 日記

解雇予告手当は給料日に支払えばよろしいでしょうか?

 即時解雇の効力は,30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を現に支払わないと生じません。
 即時解雇したい場合は,その日のうちに賃金を手渡したり,労働者の指定する預金口座に振り込んだりして,現に解雇予告手当を支払う必要があります。
 給料日になってから解雇予告手当を支払った場合,労働者から解雇の効力が発生した日について争われると,給料日になるまで解雇 による退職の効力が生じなくなってしまう可能性があります。



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解雇予告又は解雇予告手当の支払なしに即時解雇がなされた場合の解雇の効力を教えて下さい。

2015-09-24 | 日記

解雇予告又は解雇予告手当の支払なしに即時解雇がなされた場合の解雇の効力を教えて下さい。


 解雇予告又は解雇予告手当の支払なしに即時解雇がなされた場合は,即時解雇としての効力は生じませんが,使用者が即時解雇に固執する趣旨でない限り,通知後,30日の期間を経過するか,又は通知の後に所定の解雇予告手当の支払をしたときは,そのいずれかのときから解雇 の効力を生じることになります(相対的無効説,細谷服装事件最高裁昭和35年3月11日判決)。



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解雇予告義務(労基法20条)とはどのようなものですか?

2015-09-24 | 日記

解雇予告義務(労基法20条)とはどのようなものですか?

 使用者は,労働者を解雇 しようとする場合においては,原則として,少なくとも30日前に解雇予告するか,30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません(労基法20条)。
 解雇の30日前に予告すれば解雇予告手当を支払う必要はありませんし,30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払えば,即時解雇することができます。
 解雇の10日前に予告したのであれば,20日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払えば足ります。解雇の20日前に予告したのであれば,10日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払えば足ります。
 解雇予告から解雇までの日数+解雇予告手当として支払われた平均賃金の日数≧30日であればよいことになります。



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解雇の効力が争われた場合,何が中心的な争点となりやすいですか?

2015-09-24 | 日記

解雇の効力が争われた場合,何が中心的な争点となりやすいですか?


 解雇 の効力が争われた場合,解雇事由該当性及び解雇権・懲戒権濫用の有無(労契法16条・15条)が中心的な争点となりやすい印象です。
 解雇予告手当(労基法20条)の請求がなされることもありますが,請求できる金額が平均賃金の30日分に過ぎない上に,解雇の効力自体は争わないことを前提とした請求のため,請求を受けてもあまり怖くありませんし,むしろリスクが限定されたとプラスの評価をしてもいいのではないかと思います。



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解雇の種類を教えて下さい。

2015-09-24 | 日記

解雇の種類を教えて下さい。


 解雇 には①普通解雇 と②懲戒解雇 があり,普通解雇は狭義の普通解雇と整理解雇とに分類されます。
 普通解雇と懲戒解雇の区別がついていないケースが散見されますが,両者は性質が異なるものですので,明確に区別する必要があります。
【解雇の種類】
 ① 普通解雇(狭義の普通解雇,整理解雇)
 ② 懲戒解雇



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労働契約の終了原因における解雇の位置づけを教えて下さい。

2015-09-24 | 日記

労働契約の終了原因における解雇の位置づけを教えて下さい。


 労働契約の主な終了原因としては,以下のようなものがあります。解雇 は,使用者による労働契約の一方的な解除であるところにその特徴があります。
 ① 解雇(使用者による労働契約の一方的な解除)
 ② 辞職(労働者による労働契約の一方的な解除)
 ③ 合意退職(使用者と労働者の合意による労働契約の解除)
 ④ 休職期間満了による退職
 ⑤ 有期労働契約の契約期間満了による労働契約の終了(雇止め)
 ⑥ 定年退職
 ⑦ 死亡



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解雇

2015-09-24 | 日記

 解雇 は労使紛争が表面化する契機となりやすく,訴訟や労働審判 で争われることが最も多い紛争類型です。
 適切な手順を踏めば問題社員 を有効に解雇することができるケースは珍しくありませんが,たとえ問題社員であっても,適切な手順を踏まずにいきなり解雇したような場合には,解雇は無効と判断されるリスク高くなります。スポーツでルールを守らなければ反則を取られて試合にも負けやすいのと同様,解雇の仕方にも従うべき一定のルールがあり,ルールを遵守しなければ解雇は無効となってしまい,多額の解決金の支払を余儀なくされてしまうのです。
 近年の傾向としては,解雇が無効と判断されれば多額の解決金を取得できると教えられた労働者が,使用者に対し解雇を促すような言動を取るケースが増えているのが印象的です。このような労働者は,解雇されれば当然,当初の予定どおりに解雇の効力を争う旨の通知を送ってくるとともに,形式的には職場復帰を求めて労働審判を申し立てるなどし,最終的には退職と引き替えに多額の解決金を要求してきます。見え透いた罠に引っかかってしまう会社経営者が後を絶たないのは残念なことです。
 弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京)は,会社経営者のために解雇事件の対応,解雇のコンサルティングを数多く行ってきました。会社経営者を悩ます解雇事件の対応は,弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京)にご相談下さい。



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私が会社経営者にお伝えしたい2つのこと

2015-09-24 | 日記

 私がここで一番お伝えしたいことは,「会社経営者は意識的に労働問題と向かい合い,問題社員から他の社員を守らなければならない。」ということです。
 会社経営者が意識的に労働問題と向かい合うことは,問題社員 から他の社員を守ることにもなるのだということを忘れてはいけません。
 これを忘れると,労働問題から目を背けることを正当化する言葉の悪影響を受けて「裸の王様」にされてしまいやすくなってしまいます。
 私が二番目にお伝えしたいことは,「採用」の場面の心構えと「教育」の場面の心構えを意識的に分けて考える必要があるということです。
 「採用」の場面の心構えと「教育」の場面の心構えを混同してはいけません。
 「採用」の場面では,「教育」に問題があっても大きな問題なく仕事をすることができる可能性が少しでも高い応募者を選んで採用しようとしなければなりません。
 他方,「教育」の場面では,「採用」時の選考に多少問題がある場合であっても,大きな問題なく仕事ができるよう注意指導教育していこうとしなければなりません。
 社員を「教育」する場面で,「この社員は能力が低めで,社会人としての心構えにも問題があるが,仕事に支障が生じないようしっかり注意指導教育していこう。」と考えるのは問題ありません。
 しかし,「採用」の場面で,「採用面接などをしてみても,結局は実際に働かせてみないと使えるかどうか分からないし,本人の頑張り次第なのだから,採用選考に力を入れても仕方がない。」と考えるようでは,採用担当者としての仕事を怠っていると言わざるを得ません。
 労働問題は,会社経営者にとって重苦しく負担の重いテーマですが,私のこのメッセージを最後まで読む気力がある会社経営者であれば,必ず乗り越えることができると信じています。
 私はあなたを応援しています。
 頑張って下さい!!



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会社経営者のよくある失敗事例の紹介

2015-09-24 | 日記

(1) 問題社員であることが容易に予想できたにもかかわらず採用してしまう
 会社経営者が,問題社員 であることが容易に予想できる応募者を採用してしまうことは珍しくありません。
 人手が足りないため誰かを採用しなければならないことはあるでしょう。
 しかし,問題のある応募者かもしれないと思ったら,一度立ち止まって採用するかどうかをよく考えていただきたいのです。
 「実際に使ってみなければ分からない。」「どの会社も雇ってくれないような応募者を雇用することは日本社会に貢献することになる。」などと自分に言い聞かせて,応募者に対するありのままの評価を打ち消さないで欲しいのです。
 もう一度,冒頭でご紹介した新入社員に仕事を教えないまま次から次へと虐めて何人もの新入社員を辞めさせる問題社員のエピソードを思い出して下さい。
 会社経営者が守ってあげなければならない「社員」は,その問題社員だけではありません。
 会社経営者は,問題社員の同僚,部下,上司など,社員全員を守る義務があることを忘れるわけにはいきません。
 本当に,その応募者を採用しても,あなたが責任を持って,他の社員を守ることができますか?
 答えが「YES」であれば採用候補となり得るかもしれません。
 しかし,「NO」であれば,あなたの会社の大事な社員のため,やせ我慢してでも,採用を思いとどまっていただきたいのです。


(2) 問題社員に注意指導も懲戒処分もせずに放置していた結果,退職者が相次ぐなど事態がどんどん悪化していき,問題社員を辞めさせざるを得なくなる
 会社経営者が,「いちいち部下を管理せずに本人の自主性に任せた方がうまく行く。」「うちのような小さな会社で懲戒処分なんてしたら職場の雰囲気が悪くなってしまう。」などと言って,問題社員に十分な注意指導も懲戒処分もせずに放置していたところ,問題が改善されないまま退職者が相次ぐなど事態はどんどん悪化していき,問題社員を辞めさせざるを得なくなることは珍しくありません。
 会社経営者としては,「信用していたのに裏切られた。」「我慢に我慢を重ねてきたが,ちょうど水が注がれ続けたコップの水が溢れるように,堪忍袋の緒が切れた。」などと言いたいところかもしれません。
 しかし,そのような事案は,初期の段階で会社経営者が問題社員によって他の社員が被る迷惑について十分に配慮していないことが少なくないのです。
 問題が大きくなる前に,意識的に問題社員と向き合い,あなたの会社の大事な社員を守ってあげてください。



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会社経営者は意識的に労働問題と向かい合い,問題社員から他の社員を守らなければならない

2015-09-24 | 日記

 自分だけが担当業務の内容を理解している現状を維持して替えの利かない存在であり続けたいなどと考えた既存の社員が,当該業務に配置された新入社員には仕事を教えず,次から次へと虐めて会社を辞めさせていることが判明した場合,あなたは会社経営者はとして,どのように行動しますか?
 もちろん,その問題社員 に注意指導したり,新入社員の指導担当から外したりして,新入社員達が辞めなくても済むよう具体的行動を起こすことでしょう。
 問題を放置して新入社員達を見殺しにし続けるようなことがあってはなりません。
 希望を持って入社した会社で先輩から仕事を教えてもらうことができず,虐められて短期間で退職を余儀なくされた新入社員達の無念な気持ちを考えると,具体的な行動を起こさずにはいられなくなるはずです。
 私は,会社経営者が意識的に労働問題と向かい合い,問題社員から他の社員を守ることは,会社を発展させていく上で必要不可欠なことだと考えています。



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