My ordinary days

ようこそいらっしゃいました!
ふと思い立ち第2のキャリアを始めてしまった、流されがちなひとの日々を綴るブログです

沼田まほかる「猫鳴り」

2011-10-22 08:46:11 | 読書
すみません、タイトル買いをしました。

猫鳴り・・・のどをゴロゴロ鳴らす、あれをさしているそうですが

三部構成。初めて読む作家さん。

かわいらしいタイトルとは裏腹に最初から子どもを流産した女の捨て猫の鳴き声を鬱陶しく思うひやりとした感情から物語が始まり、
 
そう、主役猫は捨て猫ちゃんだったのですね。何度も捨てられ死にかけ、でも生きた。
後から捨てた人間もでてきますが 猫をとりまく人間たちの要約:
流産した女 ネグレクトされている子ども 登校拒否で荒れている少年 妻に先立たれ死も間近であろう老人

いやー濃いね~。どろどろはしていない、むしろ淡々と進んでいく物語ですけれど。来る命、逝く命。

捨て猫であったモンは結局女とその主人に拾われて飼い猫になるのですが モンの命:生きることそして死ぬこと、人が考える程のことを見通しているのかどうかはわからないけれどもその猫としての行動・・本能であると思われますが、それが周りの人間の心にナニカを残して行きます。

全然さわやかな話ではないし・・・最後は20年生きたモンが息を引き取るところで終わりますが、猫でさえ命がどんなものかを教えてくれることはできるのですね。
受け取る側がどう受け取るか、こちらの方が問題なのでした。






しろちゃんもあと20年くらいがんばってね・・・・