My ordinary days

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ふと思い立ち第2のキャリアを始めてしまった、流されがちなひとの日々を綴るブログです

萩尾望都「なのはな」

2012-05-16 10:37:41 | 読書
あまりにも有名な漫画家のあまりにも有名な3.11以降の漫画。

本当に子供のころから読んでいますがいつになっても作風が古びれないというか いま このとき をこれだけ長く描いてこられるというのはものすごいことだと思います。

☆「 マンガのあなた SFのわたし 萩尾望都・対談集 1970年代編」
・・・・・ものすごく贅沢な対談集。対談相手が、
●第1章 手塚治虫   「SFマンガについて語ろう」
●第2章 水野英子   「私たちって変わり者かしら」
●第3章 石ノ森章太郎 「SFの話は延々尽きない」
●第4章 美内すずえ  「親愛なるモー様へ」
●第5章 寺山修司   「月で修学旅行の案内係」
●第6章 小松左京   「絵の理想型とは?」
●第7章 手塚治虫+松本零士 「マンガ、SF、アニメーション」
●第8章 羽海野チカ  「全部、萩尾作品から学びました」        ・・・・・・って、どう!?


☆「バルバラ異界」
・・・・・第27回(2006年 日本SF大賞受賞の、読ませる作品・・でもああ、ラスト、そんなあ! ・・悲しいようなよかったような 複雑に感情を動かされました。一気に読めるもののストーリーもあちこちに謎が隠されそれがあとから上手にリビール(すみませんいい日本語浮かばない)され 




そして表題の
☆「なのはな」と3冊続けて続けて読みましたが。
うそかまことか、この震災と原発の事故のことをいち早く漫画という形で世に問うたのが萩尾先生のこの作品、らしい。

「・・・・・フクシマの少女を主人公にした話題作「なのはな」と、放射性物質と人間との関係をシニカルに描いた3部作「プルート夫人」「雨の夜-ウラノス伯爵-」「サロメ20××」を立て続けに発表しました。今回はそれらに加え、特別描き下ろし「なのはな-幻想『銀河鉄道の夜』」を収録しました。
ということで、一年後である今年の3月に出版されたのが短編集「なのはな」です。

とんでもない異世界の話を紡ぐかと思えば、昔から身近な日本の家族のささいなけれどとても大切な物語を丁寧に描けるのも萩尾先生の魅力ですが、表題作と描き下ろし作品「なのはな-幻想『銀河鉄道の夜』」がそちら系なような、日常のすぐ隣にある不思議な世界のお話で、・・・

日常のすぐ隣にあった地震という天災をおもえば、その後の原発事故のことを考えてみれば どれがフィクションでどれがノンフィクションなのだかすらわからないのだけれども。


小さな物語から人は救われることもあるし その物語を必要としている人はこの世のたくさんいると思う。

救いを神様や宗教に求めるということもあるでしょうし 作家という同じ人間を通しての物語から力を得る ということもありだと思います。




物語のない宗教もないと思うけれど、まー教理とかいろんなややこしそうなもの抜きにして語られる物語の中にも真理は宿っている ときもありますから。

この本を読めば癒されるーなんて単純なことはないでしょうけれど、心を揺すぶられてなにかを感じることだけでもよいのでは。お薦めいたします。萩尾望都先生サマ作「なのはな」。