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よしもと ばなな~High and dry (初恋)

2006-05-26 | 読書ノート
High and dry (はつ恋)

文藝春秋

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久々に読みました、よしもとばななさんの本♪
ばななさんは私の尊敬する憧れの作家さんの1人です。
なんと言っても、彼女の文章は最高です。
その表現力の豊かさは天才ではないかと思ってしまいます。
彼女は、ものや状況、心の描写、心情の変化の表現力がとても豊かなのです。
彼女が描く情景は、はっきりと心に思い描くことができるし、
登場人物の心的描写は、心から頷くことができます。
それほど、的確かつ正確で、パズルの一片が型にはまっていくように
すべてがバチっと適合していく快感・・というものを感じます。

きっと誰でも、同じような事に悩み苦しみ、
同じような情景を見ているのでしょうが、
それを実際に形として表現することができないのだと思います。
心の中にある種の感動や思いを秘めながら、
あやふやに、なんとなく処理しようとしている。
それをばななさんが具体的に文章表現してくれているので
「そう!そうなのよ!そういう感じ、わかる!」っていうことになるのでしょう。

この本は14歳の女の子が自分の通っていた絵画教室の先生、きゅうくんに
恋をするというお話。
2人の恋の経過と発展というストーリーに伴い
親子間の問題がそれに沿うように描かれています。
どこにでもある、よくある普通のストーリー。
それがゆえに身近に感じるのかもしれません。
可愛いイラストが所々描かれていて、とても愛らしい本です。