紅麹問題について、機能性表示食品制度を医薬品と同じ製造管理ルールにすべきとのコメントがいまだにあるようですが、以前にも投稿したように、医薬品でも製造過程で異物混入の事案があるし、食品衛生法があっても一般の生鮮食品で食中毒も起こっています。ルールがあれば今回の様な問題を防ぐことができるというものではないと思うのです。
機能性表示食品はサプリタイプが大半ですが、みかんやもやし、トマトや鶏むね肉などの生鮮食品もたくさんあります。これらにも医薬品なみの製造管理規制を掛けるというのでしょうか。一般の小林製薬を擁護するつもりはサラサラありませんが、規制を医薬品のように厳しくしたところで、事業者にモラルがない限り、今回の事案は繰り返されると思います。低いモラルは、罰則がなければ問題ないや、という経営者の甘い考えがあるからではないしょうか。努力義務という曖昧な区分をなくして罰則を厳しくする、という改正なら理解できます。
また、医薬品では過去に、サリドマイド、スモン、クロイツフェルト・ヤコブ病(狂牛病)、HIVといった薬害があり、そのたびに副作用情報収集制度、副作用救済制度などを充実させてきた歴史があります。これは予測(当時は薬害が予測されなかった)できない副作用が起きてしまった場合に、医薬品製造販売を承認した国が責任を持って賠償しましょうというもの。機能性表示食品は事業者の責任であるので、事業者が賠償責任を持つことを明確にするとか。もちろん、健康被害が起こる事に最善を尽くすこと、安全性を担保することが最優先です。それはモラルの問題です。