ユズが出回っている時期、
いつも行く八百屋さんで一盛りのユズを安く手に入れた。
「ユズ味噌田楽でもしようか」
「茶碗蒸しに使おう」
ぐらいに考えていたら、
今度は義姉から我が家にしては大量の柚子をもらった。
「えー、何にしよう!」
プレーンヨーグルトにジャムを入れたいけれど、
「市販のジャムは甘すぎるしなー」と思っていた矢先のこと。
思い出したのがいつかの新聞の切り抜きだ。
「このユズジャムなら簡単で私にもできそう!!」と切り抜いていた読者の投稿記事である。
資料の中から探して、探して、やっと見つけた!
投稿者も10年以上前に新聞で見つけた投稿記事とのこと。
ユズの皮も実もタネもすべて使う、無駄がなく簡単に作れて、
なめらかでとても美味しいジャムだという。
「これこれ、これやん!」
嬉しくなって、さっそく取りかかる。
用意するのはユズの重さの6割ほどの砂糖だけ。
①皮をむいて皮と房に分け、皮は5ミリ程度に刻む。
②房もバラバラにしてザクザク。種も一緒に鍋に入れ、水はひたひたより多めに入れて火にかける。
③煮立ってきたら、砂糖を2回に分けて入れる。
私は待ちきれず時々木べらでやさしくかき混ぜた。
しばらくしてとろみが出て、鍋底にくっつき出したら火から下ろす。
残る作業は、種を箸で取り出すだけ。冷めたら出来上がりだ。
あっという間に透き通った薄黄色のジャムになった。
種にはゼラチン質があって、美しいとろみをつけるその力の偉大さも初めて知ったこと。
この種を取る作業が面倒と、袋に詰めて煮たりすると失敗するらしい。
空き瓶に詰めると、なぜか愛しい宝石箱(瓶?)のよう。
砂糖は少し少なめにしたが、適度の甘さに清々しい苦味が加わって、
簡単に上質のジャムが完成した。ほんとうに美味しい!
きっと昔から語り継がれてきたおばあちゃんの味なんだろう。
見ず知らずの人から教えられ、つながっていく素朴で忘れられない味。
投稿者も、教えてもらった投稿者に感謝しながら毎年作っているそうだ。
温かいつながりがジャムの味を格段に上げる。
来年も作りたくなる手軽さと味わいだ。
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