どこからともなく鳴り響く「虚空太鼓」の正体とは?!

虚空太鼓とは、どこからともなく鳴り響く太鼓の音を称した怪異である。日本各地で類似した現象が伝わっており、その正体についてはハッキリとわかっていない。
山口県の大島では、昔、安芸の宮島に帰ろうとした曲芸師の一行が船で大島瀬戸にさしかかった夜、突如として嵐に巻き込まれてしまい、海岸の人々に遭難船であることを知らせようと皆が太鼓を必死になって叩いたがついに沈没、それ以来、一行が遭難した季節になると海の底から太鼓の音が聞こえてくるようになった、という伝承が残っている。
また、山口県大島町の小松という地では、旧六月の夜に沖合でどこからともなく太鼓の音がしてきたという。不思議なことに、対岸の大畠で聞くと小松から、小松から聞くと笠佐島から聞こえてきており、果たして音の出所を明らかにすることはできなかった、といった話もある…(続く)

