乗組員が突如消えたマリー・セレスト号事件再び、オーストラリア沖でヨットの乗組員三名が消失

乗組員が突如消えたマリー・セレスト号事件再び、オーストラリア沖でヨットの乗組員三名が消失

　乗組員が、突如消えたマリー・セレスト号事件と言えば、ブログ妖怪王の読者ならご存知だろう。実はまったく同じような事件が、オーストラリア沖で発生したのだ。やや古い事件だが、興味深いケースなので報告しておく。
　2007年4月19日、オーストラリア・タウンズビル（Townsville）の沖、80海里で漂流する双胴ヨット「KAZⅡ」（全長12ｍ）が発見された。不気味な事に、コンピューターの電源が入り、食事の準備もされており、船のエンジンもかかったままであったのだが、ヨットの乗組員三名が消失していたのだ。乗船していたのは56歳、63歳と69歳の三兄弟であり、室内はあらされておらず、犯罪に巻き込まれた可能性は低いという。全地球測位システム（GPS）に残されていた情報分析によると15日までは通常に航行していたものの、その日以降船体は潮や風に流されている。以上の事から、三人が消えたのは15日の可能性が高いという。因みに15日には、同海域でスコールが発生している。
　余談だが、マリー・セレスト号の事件は、一連のオカルト本で誇張されている。食事の準備がされたままであったとか、救命ボートが全て残されてあったとか、船長が「我妻マリーが…」と航海日誌に書いていたという事実は無い。
　実際には救命ボートが船から無くなっており、何らかの理由で乗組員が船体から降りたのは事実であるようだ。（なお、我妻マリーという記述は、マリー・セレスト号を指し示している可能性はある。船乗りは自分の乗る船を”わが妻””彼女”と表現する。船体に異常があったことを船長が記述しようとすれば、「我妻マリーが…」と書いても不思議ではない。尤も、この記述が現実にあった場合の話だが…」
　なお、気になるのは今回のケースとマリー・セレスト号の事件では、共通項する点である。両ケースとも、スコールに遭遇した後、乗組員の姿が消えているのだ。人間を海上、或いは上空に巻き上げ、叩き落すような「海洋竜巻」と呼ぶべきものが発生したのではないだろうか。結果、一部の人々が海に転落し、他の人々も救護に行き二次遭難したのか、単に逃げ出したため無人の船が出来上がってしまった。
あくまで推論であるが…。　　　　（文・山口）

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