模倣する事件も発生した戦後最大の未解決事件「グリコ・森永事件」
1984年から85年にかけて起こった連続企業恐喝事件、通称「グリコ・森永事件」は、「かい人21面相」を名乗る人物によって江崎グリコや森永製菓などの大企業を標的とし、毒物を仕込んだ上で巨額な金銭を要求するという戦後の犯罪史に残る大事件である。
企業への脅迫文やマスコミへの挑発文などにより、「劇場型犯罪」の幕開けとも呼ばれるこの事件は、多くの犯人像が考えられたものの多くの謎を残したまま未解決となった。
84年の3月18日、江崎グリコの社長が自宅で入浴中、3人組の男たちが侵入し誘拐され、グリコに脅迫状が突き付けられた。その内容は、現金10億と金100キロという桁違いのものであったが、誘拐から3日後に社長が自力で脱出したことで、身代金は奪取されることはなかった。しかし、その後犯人たちは社屋の放火、そして製品に毒物を混入するという脅しを続け、そのたびに金銭を要求した…(続く)