天才剣士、沖田総司の剣技「三段突き」はどこまで真実なのか?
新撰組の天才剣士と称される沖田総司(おきたそうじ)は1842年(もしくは1844)年に陸奥白河藩の沖田勝次郎の嫡男として産まれた。幼い頃から剣術の才能を見込まれ、19歳という若さで天然理心流の免許皆伝、道場「試衛館」の塾頭となるなど、その実力は新撰組随一とも言われるほどであった。
そんな沖田が得意としていたと言われる剣技に「三段突き」がある。正式には「無明剣」と呼ばれるこの技は、天然理心流の奥義とされているものであり、平正眼の構え(剣先を相手の目に向ける構え)から間合いを詰め、踏み込む足音を一度しかしない間に三回の突きを繰り出すというものであると言われている。
沖田の三段突きは、「頭、ノド、ミゾオチの三ヶ所を突く」、「頭、ノゾ、ミゾオチのうち隙のある個所を三度突く」、「突く・引く・突くの三連続の動作を三段と称した」、などの諸説があり、いずれが沖田の三段突きであるかはよくわかっていないが、いずれにせよ気迫や技量そして何よりもその瞬発さによって成り立った大技であったとされている…(続く)