弘法大師伝説の流布と、宜保愛子が恐れた心霊スポットという伝説の流布

弘法大師伝説の流布と、宜保愛子が恐れた心霊スポットという伝説の流布
人間というのものは有名人に関する都市伝説を妄想する。弘法大師伝説もそのひとつだ。弘法大師が掘った井戸や作った池などは日本中にあり、妙薬で病人を救ったような話や妖怪退治の話も残されている。
いくら弘法大師が高僧でも不可能なほどの仕事量なので、多くの無名の僧侶の業績が弘法大師という有名人で表現されたに過ぎない。
こういう妄想伝説を作り上げる人間の精神構造は現代でも同じようで、現代日本中で「あの宜保愛子が恐れた心霊スポット」という場所が増えている。最初に聞いたのは遠野の「山伏屋敷」という場所であったが、今や各地でそう言われている。
遠野の「山伏屋敷」の場合は、『ギミアブレイク』という番組に宜保愛子が出演したという事実があり、その際に山伏屋敷が取材はしたもののボツになったという理論も理解できる。また、地元の証言者も多くおり、事実であろう。
だが、宜保愛子が取材に行ったという事実が確認できない箇所でも同様の伝説が語られている。これは弘法大師伝説と同じく無名の霊能者の話が宜保愛子に集約された結果ではないだろうか。人間の妄想とは時代が変わっても本質的には変わらない。
山口

