「金縛り中にやってきた奴」
タカチェンと申します。
あれはいつだったでしょうか。ワタシがハタチ前後の時だったので30年ほど前のお話です。
ワタシは仕事もせず大阪に暮らす同郷の友達のマンションに居候してる状態でした。その友達はBくんとしましょうか。Bくんは当時大学生で学校が休みの時は昼間アルバイトに行っておりました。
ちょうどその日もBくんは朝からアルバイトに行ってたので床で寝ていたワタスはBくんのベッドで気持ちよく寝ておりました。
ちょうどお昼時に差しかかった時にワタシはウトウトの状態から金縛になったのです。目玉だけが動ける状態で目を閉じたままもがいていたその時、マンションの廊下の方からチャラチャラと金属音が聞こえてきました。
Bくんはいつも家の鍵などを腰に付けていたので「よかった、Bが帰ってきた。これで金縛が解ける」とワタシは思いました。が、しかし鍵で扉を開ける音もせず、扉がガチャリと開く音もしないのです…(続く)