干支の猪と妖怪の鵺(ぬえ)


鵺とは、平家物語などに登場する『夜中に鵺の声で不吉に鳴く得体の知れない』妖怪のことで、「顔が猿、胴が狸、手足が虎、尾が蛇」など、幾つかの獣を合成したような容姿をしていると伝えられており、ギリシア神話に登場するキマイラと同一視される場合もある。
それでは先ず、平家物語で述べられている源頼政の鵺退治の話を簡単に紹介しよう。
源頼政の鵺退治
『毎晩のように清涼殿に黒煙と不気味な泣き声が響き渡るので、二条天皇はそれに恐怖を覚えていた。そして遂に、二条天皇は病気になってしまい、薬や祈祷を行っても二条天皇の病気は癒えなかった。そこで、側近達はかつて、源義家が蟇目神事(音の鳴る鏑矢を用いた行事)によって怪事をやませた前例があったので、弓の達人である源頼政に妖怪退治を命じた。頼政は源頼光より受け継いだ弓を手にし、部下の猪早太(諸説あり)を連れて妖怪退治に出かけた。すると、清涼殿を不気味な黒煙が覆い始めたので、頼政が山鳥の尻で作った尖り矢を射ると、悲鳴と共に鵺が二条城の北方あたりに落下し、すかさず猪早太が取り押さえてとどめを刺した。その時、宮廷の上空には、かっこうの鳴き声が聞こえ、静けさが戻ってきた。これにより天皇の体調もたちまちに回復し、頼政は天皇から獅子王という刀を賜った。』・・・(この続きはこちら

