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『第2話』 吾輩は猫である。名前はまだ無い。

2017年07月04日 | インポート

 

 

 

こんにちは。

今日の滋賀県は曇りのち雨です。

午前中は曇りでした。

午後から(現在13時過ぎです)一気に夕立がありました。

はい、洗車の途中です(T_T)

 

 

 

吾輩は三毛猫である。名前はまだ無い。

 

『第2話』

吾輩は猫である。名前はまだ無い。

それにしても、この粘着剤のベトベトをなんとかしたい。寝るにも寝られぬ。

この人間どもは敵か味方か皆目見当もつかぬが、ともかくこのベトベトで重く湿った体を何とかしてもらいたい。

しかしその思いもむなしく、吾輩は小さなダンボールの中で一夜を過ごすこととなった。

これで人間という生き物はいかに自分どものことしか考えていないかがよくわかった。

ならば吾輩は『目には目を歯には歯を』の精神で立ち向かうとしよう。

人間は絶対に信じぬ。そう心に決めた夜となった。

寝るに寝られぬ長い一夜がようやく明けた。

すると何やら黒猫男と男女(左が男で右が女のような訳のわからぬ髪型をしている女を吾輩はこれからおとこおんなと呼ぶことにする)の会話が聞こえた。『行くなら午前中やな』、『明日休みやしな』。

どうやら吾輩をどこかへ連れて行く気らしい。

目一杯の抵抗を試みるも、これほどのベトベトと空腹ではもはやたいした抵抗ができぬ。

なおかつ昨晩に飲まされた牛乳のせいで腹の調子も少し崩してるみたいだ。

確かに美味かったが腹を壊しちゃあ仕方がない。

もう煮るなり焼くなり好きにするがよい。

またしても吾輩はダンボールごと鉄の塊に放り投げられ、揺れること1時間足らず。

着いた先には吾輩の仲間たちや憎たらしい犬どもがたくさんいた。どうやらここは病院というところのようだ。

いよいよ吾輩もここまでか。何せ周りにはえらく衰弱した者たちであふれかえっている。吾輩もじきにこうなる運命なのだろう。3ヶ月足らずという短い人生であったがゆえ、たいして世話になったものもいない。故に心置きなく死ねるというものだ。しかしどう考えても3ヶ月はちと短い。

いよいよ吾輩は台に乗せられ、まぶしいほどの明かりを浴びせられた。そこには青い服を着てめがねをかけた男(この男は青めがねと呼ぼう)がいた。するとその青めがねは、なんとこの吾輩を乱暴に扱い、逆さに向けたり逆立ちさせたりした。吾輩は一気にこの青めがねが嫌いになった。

やがて青めがねが『では夕方以降に来てください』、黒猫男と男女が『よろしくお願いします』などと言っている。どうせ吾輩の遺体を取りに来る話だろう。『お前たち3人のことは決して忘れぬ、死んだら化けて出てやる』。そう心に決め、最後に3人の顔を眼に焼き付けるため力の限りにらんでやった。

 

 

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