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宝塚星組「霧深きエルベのほとり」&「エストレージャス」観劇記

2019-01-26 10:47:05 | 宝塚・その他の劇場観劇記 & TV

外は寒いけれど、劇場内は立ち見まで出て熱気ムンムンでした。作品は何しろ古い作品だし幾ら気鋭の上田久美子さんが潤色してもそう御大菊田一夫氏の作品はいじれないだろうと思いつつ観劇。銀橋で「カモメよー」と主題歌を歌い出した紅ゆずるさんの立ち姿を見た途端、心配は胡散霧消して最後まで気持ちよく観ました。

実は今まで一度も「霧深き」は観ていません。菊田氏の作品で印象に残っているのは「ジャワの踊り子」と「ダルレークの恋」かな。幾ら初演のカールを演じた内重のぼるさんが適役であったとしても、荒くれの海の男なんて役柄をどこまで演じたのか疑問。彼女は確かダンスが得意だったのでテーマソングのレコードを聴いても今一ピンとは来なかった。

今回見てまずセリフがよく書けている事。セリフだけで人物やシチュエーションが浮かび上がるのが流石菊田さんと思った。宝塚はセリフでストーリーを進めようとする作者が多いように思うので、セリフが早過ぎたり不明瞭だと訳がよく判らない時がある。その点古い作品はセリフの力と歌詞の力で劇の展開が無理なく進んでいき判りやすい。

菊田氏と言えば代表作「君の名は」等女性の涙を絞るのがお上手という印象があるが、この物語は何ともテーマが古めかしいのでジジでもこんな事ってあるのと思う場面もあるが流石の作劇術で最後まで飽きずに惹き込まれました。上田さんは前作でショーを手掛けたせいか、今回も繋ぎの場面や群衆処理にショー的な要素を入れていたのがスピードアップに繋がりグー。

ただ冒頭のエピローグで客席降り迄するサービスは不要と思う。役が少ないので新進さんの見せ場が無かったり、サヨナラの七海さんに見せ場が無かったりするが、密度の濃いいセリフのやり取りで物語は進むのでテーマの陳腐さを忘れることが出来た。さて紅さん、彼女の発案か演出家の功績か判らないが、荒々しい海の男と言うイメージ作りに固執せず、持ち味の軽さを前面に出して、次第にマルギットに惹かれつつ、最後には身を引く役作りは大成功だったと思う。

前作の「Another World」とはがらりと印象を変えつつ持ち味の軽さを見せつつ芯は誠実で愛情深いカールの役作りは見事でした。難役と思われるフロリアンの礼真琴さん、もう少し善人過ぎない様に演じればもっと懐の深い男像が浮かび上がったかも。マルギットの綺咲 愛里さん容姿はピッタリ適役で良家の子女の一途な恋を好演。歌唱力がもう一段上がれば…

流石は一樹千尋さん。彼女にとって難役とは思えないが出ているだけで場を締めて、テーマの古さを成程なと納得具現させる演技でした。 その点英真なおきさんはある意味儲け役で場をさらってました。若手の瀬央、紫藤、天華、極美さん達これと言う見せ場が無くてお気の毒。有沙 瞳 さんもよくやってました。

ショーは先にTVで放映されて観ていたので内容は良く判ったが、ブルーや白のイメージの場面が多かったせいか今一盛り上がった場面が無かったように感じた。今回フィナーレのデュエットでリフトをしなかったのは賢明な振り付け。トップさんの体力に無理させないように、ブラックタカラヅカにだけはならない様にお願いします。

以下公式HPより参照

Once upon a time in Takarazuka 『霧深きエルベのほとり』
作/菊田 一夫  潤色・演出/上田 久美子

エルベ河に隣接する港町を舞台に、ビア祭りの日に出逢った恋人達……情に厚く人間的魅力に溢れながらもどこか哀しみを湛えた船乗りカールと、父親との確執ゆえ家出した名家の令嬢マルギットの切ない恋を描いた『霧深きエルベのほとり』。日本を代表する劇作家であり、演劇界に多大な功績を遺した菊田一夫氏が宝塚歌劇の為に書き下ろしたこの作品は、1963年の初演以来、幾度となく再演され多くの観客の心を捉えてきました。

宝塚歌劇が105周年を迎える2019年の幕開け、この作品に惚れ込んだ上田久美子の新たな潤色・演出により、紅ゆずる率いる星組での上演が決定。生きて行くことの寂しさや切なさ、今は薄れつつある人の情けの暖かさが描かれた、宝塚歌劇が時を越えて守り伝えて行くべき珠玉の名作の再演に挑みます。

主な配役

カール・シュナイダー 紅 ゆずる   
マルギット・シュラック 綺咲 愛里   
フロリアン・ザイデル 礼 真琴   

ヨゼフ・シュラック 一樹 千尋   
ヴェロニカ 英真 なおき  
トビアス 七海 ひろき 
マルチン 瀬央 ゆりあ   
エンリコ 紫藤 りゅう 
シュザンヌ・シュラック 有沙 瞳
リコ 天華 えま    
アドリアン・エルメン 極美 慎

スーパー・レビュー 『ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~』作・演出/中村 暁

スペイン語で星々を意味するエストレージャス。人々の心に輝きを届ける満天の星々を星組生にたとえ、“誰もが星のように光を与えることができる”というテーマのもと、星組のエストレージャスたちが、生き生きとした歌声や躍動感溢れるダンスをお届けする作品。爽やかな高揚感を放つレビューにご期待ください。

カール 紅ゆずるさん

マルギット 綺咲 愛里 さん

フロリアン 礼真琴さん

エピローグ

観ないと損ですよ。

エストレージャス

極めつけ定番黒エンビの群舞

偉大なるマンネリフィナーレ

 

 

 

 

コメント (1)
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