マイケル・サンデルの本を読んでいるから言うわけではありませんが、世界の思想の流れが大きく変わろうとしているのではないかと思ってしまいます。現在の政治的混乱は、自由主義や、市場主義、また市場原理主義の行き過ぎで、その大きな揺り戻しが、思想のパラダイム転換となって現れているような気がしてなりません。
私自身は、コミュニタリアンとしてのマイケル・サンデルの思想を十分理解しているところではありませんが、共鳴するところは多分にあり、成熟した社会の新たな方向性を示す思想として、どれだけ認知されていくかが重要になると思います。コミュニタリアニズムというと、従来の社会主義的な発想だと誤解されがちですが、そうではないことを敢えて言っておきます。
最近、政治を茶化したようなテレビ番組が多いと思いませんか。番組によっては中止になったものもあるようですが、いつのころか、政治家も一緒になって、他人事のように上っ面だけの知識で、したり顔のコメントをまくし立て、視聴者をあおるような番組はどうにかならないのでしょうか。それも国民の意見の一つだと言われれば、政治としては無視するわけにもいかないでしょう。しかし、本質論を見失った議論は、百害あって一利なしではないかと思います。娯楽として見ればいいんじゃない、という声も聞こえてきますが、間違った方向へ進んでいかないことを願うばかりです。日本人はテレビを見る時間が世界でも長いとされる国ですから。
こうした考えも上っ面な議論だとお叱りを受けるかもしれませんが。
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